『行商!』 感想 攻略

かーめるん

行商RPG、『行商! ~ 悩んだあげく結局ありきたりなタイトルになってしまったゲームの場合 ~ 』の感想、攻略記事です。

制作者はたかみつあきら様。公式HPはこちらです。 → 『行商!』

行商! スクショ タイトル画面

萌え要素なし、行商一本に注力するいぶし銀のゲームです。かなりハマってしまって時間をかけてやり込みました。

主人公は田舎から出てきた駆け出し商人。精霊子のレーニャをパートナーに、立派な行商人を目指して世界各地を旅して回ります。

以下はゲーム内容についての詳細な感想です。ネタバレを含むのでご注意ください。

『行商!』の魅力

商売要素の含まれるゲームは、商業作品のみならず、フリーゲームにおいても様々に存在します。

たとえば、戦闘や採集と並行しつつ店舗の経営も行う『悠遠大陸』『ストロベル・パティ』、鍛冶部門で武器を製作し販売部門でそれを売りさばく<『Frontier Blacksmith』、自店舗から動かずひたすら商売しお金を稼ぐ『レミュオールの錬金術師』などが挙げられるでしょうか。

『Frontier Blacksmith』の感想記事も書いています。

≪関連記事:『Frontier Blacksmith』(フロンティア・ブラックスミス) 感想 攻略

この『行商!』もやはり、ひたすら商売をしてお金を稼ぐゲームです。しかしその形態は、一風変わった「行商」というものです。

一般的に「行商」とは、次のような意味です。

顧客のいそうな地域を商品を運搬しながら販売する商いの方法。

もちろんこのゲームでは、大商人に成長する過程で各町に店舗を展開することもできます。とはいえ、店舗収益は補助的なものに過ぎず、メインの収入源は行商のままです。

普通の店舗経営ゲームと大きく異なる点は、やはり「商品を運ぶ」という前提が存在することだと思います。

たとえば、海辺の町では塩の価値は低く、逆に山間の村では塩の価値は高い。だから、海辺の町で安く仕入れた塩を山間の村で売れば大きな利益を得ることができる。ただし、一度にたくさんの塩を売った場合、当然その地域での塩の物価は一時的に下落する。

こういった物と金の流れの相関を、このゲームはわかりやすい数値の変化として緻密に再現しています。

供給の多い地域から需要の高い地域へ運び、売る。単純な仕組みですが、これは流通の真理です。

『行商!』の面白さは、このシンプルな考え方をすべての商品に当てはめ、どこで何を仕入れてどこで売り払うか、限られた積載量と相談しながら逐一思案するプロセスに存在すると私は思います。

ちくちくコツコツと自分なりの安定した商いを追究できる、それが『行商!』の魅力です。

一流の商人を目指す

一応ゲーム内にストーリーはありますが、非常にざっくりとしたものです。そのため、自由度のかなり高いゲームだと言えます。

真っ当でクリーンな商人として地道に地位と富を積み上げることもできれば、禁制品麻薬、偽造美術品、奴隷など)に手を出し、悪の商人としてのし上がることも可能です。

個人的には、やり込みを兼ねて「一流の商人」を目指すのが楽しいのではないかと思いました。

「一流の商人」とは?

では、「一流の商人」とは何でしょうか。

これについては、ゲーム内のモブキャラが定義を教えてくれます。一流の商人とはすなわち、「自らの富だけでなく社会への貢献を視野に入れて商いができる者」のことです。

現実の例を挙げると、たとえば大坂商人、伊勢商人に並ぶ三大商人であった近江商人は、ある理念を持って商いを行ったそうです。その理念とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」。これは「三方よし」とも言われます。

「物を売って儲かってハッピー」という売り手だけの利益にとどまらず、買い手には商品に満足してもらい、さらに商いを通じて地域社会の利益に資する……それが彼らの信条だったわけです。

パラメータと商いの関係

実はゲーム内の各町には、「人口」及び「治安」「健康」「文化」といったパラメータが存在します。神父やシスターに町の様子を尋ねることで確認できます。

各パラメータは、主人公がその町で物資を売ることで変動します。ほぼすべての商品が各パラメータの増減に関わっているのがポイントです。

たとえば、薬草を売れば「健康」「人口」が増加し、絵画を売れば「文化」レベルが上昇します。酒類を売った場合、「活気」レベルは大きく上昇しますが「治安」は下がってしまいます。

自分が儲かることだけを考えるのなら禁制品を売りまくればいいでしょう。しかしその場合、各パラメータは下降し続け、その町の人口は大幅に減少してしまうのです。それでは一流どころか、まっとうな商人とさえ言い難いところがあります。

物を売ることで自分だけではなく町も豊かにする。繰り返しますが、それがこのゲームにおける一流の商人です。

というわけでプレイ中は、一流の商人を目指し、各町のパラメータをすべて100にしてみました(時間が経つと自然減少する「活気」は除く)。骨は折れたもののやりがいがあって面白かったです。

行商! スクショ 各町の数値オール100 1

行商! スクショ 各町の数値オール100 2

戦闘やセーブポイントについて

このゲームには一応戦闘要素も用意されています。ただし、絶対に魔物や敵がでないエリア(各町を繋ぐ舗装された道)が定められているので、徹底的に戦闘を避けることが可能です。「主人公の本分はあくまで行商」というこだわりを感じるシステムだと思います。

更に、戦闘になっても確実に逃げることができます(イベント戦を除く)。逃走すると交易品を失うものの、手ぶらで旅をする場合はまったくのノーリスクです。オール商人パーティ(戦闘員ナシ)でも全滅を恐れず探索することができます。

戦闘そのものについては、パーティに強い剣士と魔術師が1人ずついれば事足りると思います。戦闘に重きが置かれていないので、その2人の傭兵のレベルが高ければどんな敵でもバッサバッサと倒すことができます(魔術師は対多人数用、剣士はボス戦用です)。

導入の説明も丁寧で、難易度はそれほど高くありません。「習うより慣れよ」が重要なゲームで、直感的に進めることができます。

強いて言うなら冒頭で、セーブポイントが分からず詰みかけたことがいい思い出です。これについても、きちんとReadmeを読めば解決する話でした(各街には必ず男性グラの「吟遊詩人」がいます。吟遊詩人に話しかけることでセーブができます)。

*****

『行商!』は終わりのないゲームです。そこで、各町のパラメータをすべて100にし(自然減少する「活気」は除く)、細々としたイベントをやり込み、真エンドをクリアして一旦終わりにしました。全店舗分のスペシャルな商人を商人養成所でメイキングしようかとも思ったのですが、さすがに気が遠くなるのでやめておきました。

戦闘については、剣士のクリスと魔術師のバークーンに後半以降お世話になりっぱなしでした。

謎の商人ブラインの正体、少女誘拐事件の影の協力者、メリンダに援助した国王の意図……などストーリー面で色々と気になるところはありましたが、そこは想像で補うのが楽しいのかなとも思います。

派手さこそないものの、じっくりとプレイできる面白いゲームでした。こういった一つの分野を深く掘り下げた作品を遊べるのが、フリゲの醍醐味なんだろうなと思います。各町の特産品を覚えてルートを考えて……と楽しく没頭できて満足です。

「商売」を題材にした作品にについて、以下の感想記事を書いています。

関連記事:『Frontier Blacksmith』(フロンティアブラックスミス) 感想 攻略(主人公は鍛冶屋。他店と競争しつつ武器を開発・販売するSLG)

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