『美術空間』 感想 攻略

かーめるん

芸術×戦闘なサイドビューRPG、『美術空間』の感想、攻略です。

制作者はふーみん様。ゲームの紹介ページ(ふりーむ!)はこちらです。 → 『美術空間』



美術空間 タイトル画面 スクショ



物語の舞台は、1人の男の芸術が具現化された異空間です。
主人公フレディーは怪しくも美しいその世界で目覚め、与えられた使命を果たすべく奔走します。

裏エンディング含め、クリアまでの所要時間は約10時間でした。


とことん創意工夫が凝らされたヴィジュアルに惹かれてプレイしました。

ややダークな世界観やヴィジュアルの尖り具合に対して、ストーリーは意外にも王道的。
キャラ同士のかけあいも楽しく、何より戦闘が面白いゲームでした。


以下、ストーリーやエンディングについての詳細な感想です。ネタバレを含むので、未見の方はご注意ください。



*****



この記事の内容は以下の通りです。


「美術空間の魅力」まではゲーム内容の紹介に近く、ストーリー自体についてのネタバレはさほどありません。
ただしキャラ名、ダンジョン名、技名等についてのネタバレを含みます。

「ストーリーについて」以降は、実際にプレイした上での詳しい感想です。
ストーリーやエンディングに関する核心的なネタバレが含まれます。ご注意ください。






あらすじ



まず、『美術空間』のあらすじを書きます。

「悲願の絵筆」と呼ばれる不思議な道具がありました。

売れない芸術家ロドリゲスの手に渡ったとき、絵筆は彼の芸術を具現化した異空間を創り出しました。
絵筆によって維持される異空間は、ロドリゲスの絵を見た者を自らの中へと引き込み始めます。
そしてロドリゲス自身も含め、多くの人間が現世から姿を消すことになったのです。

この異空間は偶然にも現世と魔界の間に位置し、両者を繋ぐ空間となってしまいます。
迷い込んだ人々は、徐々に異空間を侵食し始めた魔物に心身を脅かされつつ、いずれ現世に戻れることを願って日々を送るほかありませんでした。

主人公フレディーは、大剣を片手に異空間で目覚めます。
名前を除く一切の記憶はないものの、彼は自身に果たすべき「使命」があることを知っていました。その使命とは、「悲願の絵筆」を破壊し、異空間を消滅させること。

折しも魔物は異空間を足がかりにして現世の侵略を企んでおり、タイムリミットは刻一刻と迫っていました。



美術空間 スクショ 死都アースガルズ

記憶を失いつつも、「使命」を胸に秘め異空間を行くフレディー



フレディーを突き動かす「悲願」とは何か。

そして、その行く手に待ち受ける運命とは……といったあたりがこの作品の見どころです。






「美術空間」の魅力



この作品の舞台は、1人の男の芸術が具現化された世界です。

つまりプレイヤーは、文字通りの「美術空間」――怪しくも美しく恐ろしい芸術の世界――を冒険することになります。この舞台設定は『美術空間』の大きな魅力の一つです。

タイトル通り、このゲームのグラフィックは素晴らしいものです。世界を埋め尽くす芸術は場所によって様々に変化します。マップから戦闘演出までとことん凝っているので、じっくりと眺めながらプレイしてしまいました。

そこでこの項目では、個人的に好きなダンジョンと好きな技を挙げようかなと思います。




ダンジョンベスト3


目玉の迷宮の最下層周辺

だいたいベルフェゴールがいるエリアです。
上はハイウェイスターがいたりとポップな雰囲気ですが、最下層が近づくにつれて幻想的な風景になっていきます。



美術空間 スクショ 目玉の迷宮



上は特に綺麗な場所だと思います。

クレヨンで適当に色を塗り、その上から黒のクレヨンで塗りつぶし、それから釘で黒い部分を削って絵を描く……といった「スクラッチ」という画法がありますよね。
最下層付近の風景を見ているとそのスクラッチで描いた絵を連想しました。

その他、ベルフェゴールの家近くの景色も眼福でした。
暗闇に花が咲き群れ、川流れ……とどことなく彼岸っぽい印象を受けます。



雪原

おおまかに言うと、「掃き溜め」に至るまでに通過するダンジョンです(マンモンの家があるあたり)。



美術空間 スクショ 雪原



この雪原、オブジェクトが非常に可愛らしいんですよね。
特に大きなツリーのあるエリアは、いつまでも眺めていたいほどにキュートでした。プレイ時は意味もなく歩き回ってしまいました。

マップ全体的に雪の降った日特有の空気のキラキラ感があり、凍った水面への映り込みも丁寧に表現されていると思います。すごく好きです。



死都アースガルズ

「美術空間」を最も濃厚に体現しているダンジョンのような気もします。

あちこちに巨大な骸骨のオブジェクトがあり、その不気味な美しさは「死都」の名にふさわしいものです。

一方で、その内部はこれでもかというほど濃い「美術」で埋め尽くされています。



美術空間 スクショ アースガルズ



彫像を大胆に置いた通路やなぜか骸骨に登れる通路なども好きですが、初見で圧倒されたのは上のエリアです。
もはや鳥肌もの、SUGEEEEEの一言でした。

ステンドグラスやモザイクって無性に好きなんですよね。
リアルでこんな素敵な空間に出入りできたら感動ものだろうなーロドリゲスって多彩だなーとうっとりしました。



番外編

ダンジョンそのものとは関係がないのですが、ラストダンジョン内のとある中ボスの戦闘導入演出が非常にカッコよかったです。要約すると以下のような感じでした。

①教会めいた場所へ
②薄明りの中で敵と対面
③不意に暗闇に包まれる
④「祈りはもう済ませたのか、人間?」


この演出を初めて見たときはカッコよすぎてしびれました。文章にしても伝わりにくいのですが、渋くてドキドキする演出だと思います。




好きな技ベスト3


トロイメライ

ザ・大技。終盤はお世話になりっぱなしでした。レナ強い。



美術空間 スクショ トロイメライ



トロイメライは確率で変化する技です。
変化時のフィールド演出が出たときはキターとテンションが上がります。

通常/変化のどちらの場合も、強力そうなエフェクトがゾクゾクものです。



タロットカード

何が飛び出すかは運任せのグレートな博打技。レナ強い(2回目)。

この技を使うたびに、どんな絵柄と効果が発生するのかと楽しみでなりませんでした。技発動時のルーレットとSEにいつもドキドキします。

もしかすると大アルカナの数だけ変化があるのかもしれませんが、自分で見られたのは6つだけでした。
「戦車」「魔術師」がよく出ました。せっかくなので「星」「隠者」「教皇」「愚者」も見たかったです。

HPが少ないときに出て嬉しかったのは、4桁回復+味方リジェネ付与の「力(ストレングス)」、4桁回復+完全防御付与の「塔(タワー)」です。
強ダメージ+呪い付与の「死神(デス)」もカードにピッタリの強い効果でいいですね。

また1回しか見たことはないのですが、「世界(ワールド)」が出たときはテンションが上がりました。時が止まりそう。
ちなみに5000ダメージ出ました。さすがに強い。



プレデター

絶対にベルゼブブの巣でインスピレーションを得ただろう、と言いたくなる技。



美術空間 スクショ プレデター



SE・エフェクトともに迫力がダンチです。
腕から解き放つ感じが邪気腕っぽくてカッコいいですね。

ダメージ+HP吸収という使い勝手の良さに加え、変化時のおぞましさがソーグッドです。



フレディーの技の中では「サタンレイジ」が好きです。変化時のエフェクトがカッコいい。

敵だとハーゲンティの大技が好きでした。
演出が派手なのもそうですが、ハァーッハッハッハッハ……と遠くで響く笑い声に笑います。






ストーリーについて



ヴィジュアルの印象に引きずられ、ストーリー部分もエキセントリックで尖った感じなのかなーと最初は予想していました。

ところが意外にも、『美術空間』はかなり正統派なストーリーが展開されるゲームでした。

もちろんユニークだったりエグかったりする部分(後述するヨハンの末路や昆虫が跋扈するベルゼブブの巣、学者ストラスの吐き気を催す邪悪ぶりなど)はあります。

ただ全体としては、「熱く盛り上がる場面と泣かせどころを織り込んだ主人公の成長物語だった」という印象です。


友情あり恋愛ありライバルありです。

仲間になる2人が良いキャラなので、主人公と仲間との絆が育まれていく過程には安心感があります。
ヒロインとの出会いもバッチリ印象的で、ボーイミーツガールの感もある作品です(フレディーもレナもボーイガールと言うべき年齢ではなさそうですが)。

また、深刻な物語の合間にシュールだったりユーモラスだったりする描写が散りばめられているので、ついつい和んでしまう場面も多かったです。

上記のような陽的要素を押さえつつも、全体を見渡せば『美術空間』はシリアスな色調の作品だと思います。

主人公の正体と使命がその色合いを更に強めています(フレディーは良い意味でブレない潔いキャラなので、悲壮な印象はありませんが)。

ああいった決着の付け方は好き嫌いが分かれそうですが、長い物語の結末としては好きです。
結末を心から悲しめることが、プレイヤーとして主人公や仲間たちと長く旅をしてきた証拠のようにも思えるので。『テイルズオブジアビス』とかもそういう意味で好きでした。


以上のように、『美術空間』の押さえるべきところを押さえたストーリーラインは意外でもあり、満足できるものでもありました。

これは個人の意見ですが、『美術空間』のストーリーはやはり王道を行くものだったと思います。

もちろん何をもって「王道的」とするかは人によって異なると思います。

私の場合は、「主人公の成長」「仲間との衝突・友情」「楽しい旅」「強力なライバル」……あたりが揃っていると、「わーめっちゃ王道的やん」と感じます。

もっとも、そういった要素は「ベタ」な印象を与えるポイントでもあるかもしれません。
しかし個人的には、その「ベタ」と取られかねない部分でどれだけ魅せられるかどうかが、作品として大切なんじゃないかと思います。あえてそういった要素を外してくるゲームも潜在的なテーマは共通していて、ただ料理の仕方が違うということなんだろうな、と。

『美術空間』のストーリーには安定感があります。
画とのギャップという意味でも要素の質という意味でも、しっかりと楽しめました。



不満があるとすれば、現世に戻った後の展開でしょうか。
思ってもみない流れに最初は「!?」状態だったことを覚えています。

フレディーが使命を果たした後は、レナを中心に置いてしんみりと締めるのだろうと自分なりに予想していました。その予想は最後の最後で当たっていたのですが、そこに至るまでの展開は予想外でした。

単純な感想として、アキラが気の毒だなとまず思いました。
アキラが家族と再会してハッピー→レナもアキラの家族と仲良くなって傷を癒やす、みたいな展開を期待していたので、Oh……と呟くほかなかったです。

というかアキラ、「ハーゲンティ&タローマティ兄弟のようにはならない」という宣言を思い切り破っている気がします。あの宣言はいわゆるフラグだったのでしょうか。

また現世の描写があまりなかったので、勝手に現代的な社会をイメージしていたんですよね。
町に一般人が入れる美術館があることからも現代に近い世界なのかなと想像していました。

ところが現実世界とは文明度が異なる現世らしいと分かり、その部分でも戸惑ってしまいました。
まあもともと魔界が存在するような世界なので、よくよく考えればおかしい話ではないのですが。


一番残念に思ったのは、フレディーたちの必死の戦いとはあまり関係なく現世が血の海になってしまったことでした。
アキラは怒り狂い、レナは悲しむ……正直なところ、2人のこんな姿は見たくなかったと思いました。
残された2人には普通に幸せになってほしかったです。


たぶん私は、フレディーの献身がまっとうに報われることを望んでいたのだと思います。

「フレディーのおかげでみんな平和に暮らしてるよ(でもフレディーがいない世界は寂しいな)」……といった締めにすんなりと入ることを期待していました。だからよけいに鼻白んでしまったのかもしれません。

どうしてこうもぐだぐだと書いているのかと言えば、『美術空間』の実質的なラストは、レナが穏やかに暮らしつつフレディーのことを想うエンドだからです。

清涼感のある夏の空気に心洗われ、レナがいまだにフレディーを待ってくれていることに救われるような心地になりました。同時に、さっきの阿鼻叫喚の殺伐展開はいったいなんだったんだーとどうしても思ってしまいました。


裏エンドの内容的に、アキラだけにハッピーエンドを与えるわけにはいかなかったのかもしれません。

また、ラストの海辺の風景は爽やかで夢のように美しかったので、この情景を際立たせるためにああいう血生臭い展開をはさんだのかなとちょっと思いました。






キャラクター雑感



世界を旅する系のゲームにおいて、個性ある仲間キャラクターの存在は欠かせないものだと思います。
1人で自由気ままにあちこちを巡るのもいいですが、同行者がいると「旅してる感」がぐっと深まる気がします。

『美術空間』では、主人公を含めて3人でパーティを組むことになります。
人数はけして多くないものの好感の持てるキャラばかりだったので、楽しいパーティだったなーという印象が残りました。

以下はパーティインするキャラと、脇キャラ数名についての感想です。


フレディー

存在感のあるユニークな主人公でした。

主人公らしからぬ厳つい容姿に最初は驚いたのですが、ゲームを進めるにつれ、フレディーの圧倒的主人公感に魅了されていく自分がいました。

まずカッコいい。そしてタフで頼もしい。茶目っ気もある。何より正義感が強くてすごく良いヤツ。
これは確実にヒーローです。レナがどんどんフレディーに惚れていくのも納得の一言でした。

また、仲間との触れ合いを通してどんどんと人間味が出てくるのもいいなと思いました。
使命そのものについては一途でブレない一方、仲間たちと離れたくないという気持ちを大事にし始める過程が丁寧に描写されていました。特に、ヒロインであるレナとの交流は出会いから最後のお別れまで印象深いです。

最後の最後になって「レナとずっと一緒にいたい」と本音を言う場面にはかなり涙腺をやられました。
消滅が確定してから、照れてつっかえながら言うあたりがグッときます。


レナ

ヒロイン力がとても高いヒロインでした。プレイヤーとしてのレナへの好感度は最初から最後まで高かったです。基本的には優しく落ち着いたお姉さんでありながら、フレディー絡みでは照れたり拗ねたり素直に感情を出すのがとても良いと思います。

フレディーの消滅を(対フレディーにおいては)最後まで信じず、あくまで一緒にいる未来を望んでくれる姿勢にグッときました。なんという健気でいじらしいヒロイン。通常エンドでいまだにフレディーを思っている姿を見て、ゆっくりとでもいいから幸せになってほしいと思わずにはいられませんでした。

フレディーとレナが初めて出会う場面はとても印象的で、またこの場所(月が見える場所)に戻ってくるんじゃないかという予感を抱きました。その予感が当たっていたのは非常に嬉しかったです。

また、レナは戦闘ユニットとしてもお気に入りのキャラクターでした。
固有技が良いんですよね。「タロットカード」「トロイメライ」が大好きです。


アキラ

3人目のメンバー。若者風の見た目なので、妻子がいると聞いて驚いた記憶があります。

アキラは一歩引いて主人公とヒロインを見守る、義理堅い友人ポジションでした。
アキラもフレディーの消滅を直感しつつ、最後のお別れではあえて現世で会おうと言ってくれる良いヤツです。アキラ関連のイベントはもう一つくらい欲しかったかもしれません。

個人的には、アキラの技はそこはかとなく中二病っぽい香りがしてすごくカッコいいと思います。



脇キャラとしては、明るく誠実でユーモラスなヨハンが印象深いです。
いいリーダーだなと素直に好感を持ちました。だからこそあの最期は衝撃的でした(→ 裏エンドまでのプレイ記録)。

また、個人的にはマンモンが好きでした。

マンモンは宝石好きの悪魔ですが、フレディーたちを敵視せずに手を貸してくれます。
ひょうひょうとしたマイペースな言動が癖になります。



美術空間 スクショ マンモン



この台詞を初めて見たときは、隠れ萌えキャラかな? と思いました。






戦闘について



『美術空間』は戦闘が楽しいゲームでした。最初から最後まで楽しめました。
難易度は低くはないですが、戦闘で工夫するのも面白く、レベル上げも苦になりません。

魅力的に思ったポイントを以下にざっと挙げてみます。


①「指輪」と戦略性

主人公パーティは全3名です。それぞれについて育成方針が大きく2つに分かれます。

というのもキャラクター登場時に、固有スキルを秘めた2つの指輪のうち1つを選び、バトルの戦略の方向性を定める必要があるからです。

たとえばレナの場合、威力は低いがコスパの良い氷炎魔法の指輪を取るか、コスパは悪いが威力の高い光影魔法の指輪を取るかという選択を迫られます。

指輪には固有の強力な技が備わっているので、キャラクターは指輪を介してその技を習得することになります。

一応、技を覚える手段は他にもあります。
a. 敵が落とす「魂」を一定期間装備する、b. 街のスキル屋さんで購入する……などです。

ただし敵への攻撃に使う強いスキルは、最後に至るまで指輪由来のものとなります。
だから最初の選択はとても重要です。
パーティメンバー間のバランスを考えつつ選ぶのがいいと思います。

また指輪には、固有の戦闘効果が備わっています。
たとえばレナの光影魔法の指輪には、「5ターン目に強力な攻撃を放つ」という効果が付随しています。

この効果をうまく組み込むことで、戦闘を有利に進めることが可能です。



②戦闘演出が多彩で細やか&キャラドット絵が可愛い

コマンド制バトルを楽しく魅せることに大きく貢献しているポイントだと思います。
一つ一つの技のSEやエフェクトに見ごたえがあり、見ていて飽きませんでした。

また、敵味方ともに戦闘中にずっとドット絵が動き続けるのが可愛くて好きです。
状態異常を喰らったときの差分も細やかでした(混乱したフレディーが腕立て伏せをしたり、アキラが承太郎の勝利ポーズっぽい立ち姿になったり)。



③一部の技が確率で変化する

「サタンレイジ」「トロイメライ」「プレデター」などは一定の確率で技が変化します。
変化するとダメージが2倍以上になることも。

演出が派手になることもあり、クリティカル以上に興奮する要素でした。



④「相殺」で攻撃を無効化

「相殺」という要素があり、物理攻撃を一定の確率でいなすことができます。
相殺の利点は、ダメージを軽減するどころか無効化できる点です。キーンというSEが聞こえるとニヤッとします。

とくに即死攻撃持ちのカマキリ戦では、相殺が発動するかどうかを固唾を呑んで見守ることもありました。
また、目玉の迷宮ダンジョンに登場する相殺率が非常に高い敵には、かなり苦戦したのを覚えています(キーンキーンキーンと剣戟の響きが止まないのは熱かったです)。



⑤どのキャラも回復・バフ技を覚える

これは地味に重要なポイントだと思います。
「このキャラは回復技特化で~」といった偏りがないため、方針の幅が広がります。

バフ技大好きプレイヤーなので、全員総出で補助魔法をかけまくることができて大満足でした。



⑥ゲージを溜めると特殊な大技を繰り出せる

攻撃を受けるとゲージが溜まり、特殊な大技を繰り出せるようになります。

技はキャラごとに異なります。フレディーは「ランページ」、レナは「タロットカード」、アキラは「ファイナルX」です。
固有技に個性が出ているのもイイですね(ランページ:そうとうなパワー、そしてスピード/タロットカード:占い師のレナらしい神秘的な技/ファイナルX:中二カッコいい)。

十分に攻撃力を上げてから放てば、場合によっては一発逆転も夢ではありません。
特殊技ということでエフェクトも派手なので一見の価値ありです。



⑦準備と工夫

強力な炎攻撃を多用する敵には耐性装備をつける、即死技を使う敵には前もってのリバイブで対応、相殺率の高い敵には魔法攻撃で対処……など工夫が必要になる場面が多いです。

試行錯誤しつつ戦闘の準備をするのが好きなので、『美術空間』のボス戦は特に楽しかったです。


以上の要素があいまって、ラスボスまでずっと戦闘が楽しかったのが何より嬉しいポイントでした。

もっと言うと、敵の変幻自在っぷりが魅力的なラスボス戦が一番楽しかったです(敵のお供にフレディー&アキラのニセモノが登場したりとユーモラスな一幕もあり)。

RPGではどちらかと言うとストーリーを重視する派ですが、戦闘も同じくらいに重要だと今回改めて感じました。
戦闘が楽しいRPGは偉大だと思います。

『美術空間』は外見的にも実質的にも戦闘にこだわっているのがよくわかるゲームでした。
プレイしていてワクワクしました。






裏エンドまでのプレイ記録



このゲームには裏エンドなるものが存在します。
わらしべ長者ばりにアイテムを入手/交換していくことで辿りつけます(もちろん戦闘必須)。

裏エンドの手順と解釈については、公式HPのQ&Aに記載されています。


この項目では、裏エンドに至るまでの感想をプレイ記録的に書きました。
ネタバレしかありません。未見の方はご注意ください。



①「花柄のハンカチ」入手→「キャスパルクの招待状」入手

裏エンドイベントの最初のとっかかりは、月夜の町の学者ストラスの日記です。
イベント自体とは関係ないですが、この時点でストラスへの好感度は地の底まで落ちました。

日記を読んですぐに一旦北の山に向かいました。最初にボルドーを救出したとき隣の檻に人骨があったので、てっきりあれが騙されたお父さんなのかと思ったわけです。しかし檻の中に入れず挫折。

ハンカチはもっと奥底(ベルゼブブの巣)にあったらしく、手に入ったのは三魔将との対決フラグが立った後のことでした。


ところで、ハンカチのあったあの空間は一体何だったのでしょうか。
具体的に言うと「鬼ごっこ」にはどういう意味があったのか、という疑問です。

ミニゲームかと思って何度か挑んだのですが、終わりがなくてブラシっぽい昆虫に喰われるばかりでした。結局問いかけをスルーしましたが、クリア方法はあったのか今でも気になっています。

そもそもあそこで声をかけてきたのは誰だったのか。口調は子供っぽい感じでしたが、もしかしてあの巨大な卵の中のものが直接頭の中に話しかけてきたのでしょうか。

あとあの鬼ごっこ空間は、ジークフリートのペット部屋ばりに気色悪かったです。
こう、縦横にわしゃわしゃと迫ってくるのが悪夢でした。


ともあれ「花柄のハンカチ」を入手し、月夜の町のエミリーに渡しました。ストラス許すまじ。

ここで代わりに「キャスパルクの招待状」をゲット。
ちなみにこのイベントのレナ、心の声がとても可愛いと思います。


この後カマキリが倒せなかったので先に死都アースガルズを攻略し、北の山へ再度戻りました。

そしてベルゼブブ手前の通路で白い糸巻きを発見。
直前の会話的に「これ絶対中にヨハンがいるな」と思ったもののどうにもできず、そのまま先に進みました。



②「クマのぬいぐるみ」の入手→「溶解液」の入手

その後なんやかんやで目玉の迷宮まで進み、最下層でリバイブを入手。
一度挑んだものの全体即死攻撃のせいで勝てなかったキャス・パルクにリベンジしました。

ガンガンいこうぜ! を旨に戦って勝利。貯め込んでいたお金で直前に強い装備を買い揃えていたので、案外さっくりと倒せました。HPが低くてよかった。


入手した「クマのぬいぐるみ」を掃き溜めの彼女にプレゼント。ここはわかりやすかったです。

お返しに「溶解液」を貰いました。これ絶対あの糸巻きに使うんだ、やっとヨハン(たぶん)を助けられるよかったー! と思い、フットワークも軽く北の山へ。



③謎の鍵の入手

喜び勇んで「溶解液」を使い、白い糸巻きを溶かして洞窟に入ったのですが、地獄を見ました。
なんというハムナプトラ展開

正直に言うとここは本気で涙目になりました、ヨハンが可哀想で。嫌な予感はしていたとはいえここまでとは思わなかったです。あんな狭くて怖いところに閉じ込められて沢山の虫に……って地獄すぎる。

とりわけ心苦しいのは、糸巻き自体は早い段階で発見できるのに、溶解液を手に入れるタイミング的にヨハンを絶対に助けられないという点だと思います。
ヨハンを誠実な善人キャラとして気に入っていた分、むごい結末にかなりのダメージを受けました。

呆然としていたら話しかけられてバトルに突入し、【出てくる】を喰らってサクッと敗北。

技演出に背筋がぞわぞわっとし、色々な意味で精神が揺らいだのでヨハンを放置して本筋を進めることにしました。
虫に寄生されているにせよヨハンは強かったです。やっぱり実力者だったんだなーとひとしきり思い、同時に悲しい気持ちに包まれました。


その後、グシャラボラスを撃破。
このとき天界及びベルフェゴールの息子の話題が出ました。やっぱり息子は重要人物らしい、とここで再認識しました。


月の箱舟を攻略中にレベリングが進んだので、引き返して再びヨハンに挑戦。
【出てくる】【滅殺】をギリギリで耐えられる程度のHPがなければ、ヨハンとはまともに戦えない気がします。

ニューリーフ付与状態のヨハンを倒すと、通常状態で再復活してびっくりしました。寄生状態が一定解除されたからでしょうか。ともかく再復活後はHPも残り少ないと見て、畳みかけるようにして撃破。

パーティメンバーのレベルは26。
全体を振り返ってみても一番手こずった相手だったかもしれません。

ヨハンを倒した後のアキラの言葉は、プレイヤーの気持ちの代弁のようにも思えました。
少なくとも私は悲しかったし助けてあげたかったです。
ヨハンを楽にすることで、文字通り最後の鍵が得られるというのも悲しい話だと思います。


一応はティポーンに報告に行ったものの、フレディーはあえてヨハンのことを伝えませんでした。
それが正解だと思います。悲しすぎるし。



④「友達バッジ」の入手→ベルフェゴールの息子のもとへ

いったん通常エンディングを確認し、裏エンドイベントのために再開。

ラスダン奥の階段ってエンディングクリア前にはあったっけ? と真剣に考えました。最初は無かったような気がしたので。単に見落としただけかもしれないのでアレですが、もしかすると通常エンド後にしか階段は現れないのかなと思いました。

階段の先にラスボスとの戦闘で見た絵があってびっくりしました。
ともかく「友達バッジ」を持ってベルフェゴールの息子のもとへ。


やはり子供にはすべての結末が見えているらしいです。
通常エンドを見た後では、彼の言葉の意味が分かりすぎるくらいに分かりました。

フレディーとレナは一緒に居られないし、アキラの妻子もアキラを待ってはいない。

たしかに子供から見れば、三人は大切な人と一緒にいられない世界に帰っていこうとしているわけです。だからそうはならない世界に……というのは、彼なりの優しさなのかもしれません。





☆裏エンドへ



というわけで、3人の幸せを願って裏エンドを確認。
そしてまさかの展開と結末に呆然としました。

「END」画面を通常/裏ともに個人的にスクショしていたのですが、後で2枚を見比べて落差にまた驚愕です。
大切な人と一緒にいられる世界のはずなのに、なぜベルゼブブの巣みたいなところでデロデロに溶けているのか。

のちにQ&Aで制作者様による解説を拝読し、そういうことだったのかと複雑な気分になりました。
ロキとその一族が話していた天界のエピソードがこういう形で回収されるんですね。


いくつか思ったことがあります。

まず、たとえロドリゲスに創られた存在であっても、フレディーにはちゃんと人の魂が宿っていたらしいということです。
けっこうホラーなエンドでしたが、その点だけは本当に良かったです。フレディーは人だと最後まで言ってくれたレナのためにも。


また、「ルール」が徹底されていることに感心しました。
具体的には「フレディーは絵筆が創った空間内でしか生きていけない」というルールについてです。

『美術空間』もそうですが、異世界モノには異世界と現世の行き来に縛りがあることが多いと思います。人数とか資格とか。

そういった縛りを不思議なパワーでクリアさせないあたり、世界観設定がしっかりとしていて好きです。

「芸術×異空間」かつ「厳正なルール」という点で、フリゲの『Ib』に似たものがあるなーと感じました(『Ib』も異空間と外界の行き来に人数や資格面で縛りがあり、メインキャラ全員が外に出るor異空間の中で「幸せに」共生するエンドは存在しなかったという覚えがあります)。


安易にルールを破らせないことによって、その作品なりのリアリティーが確固たるものになるんじゃないかと個人的には思います。




*****



以下やや脱線します。
王道云々を考える中で、今までプレイしたフリゲRPGのいくつかを懐かしく思い返しました。

そこで雰囲気重視でざっくりとですが、いくつかのフリゲRPGを、

①初見で正統派だと思う→やっぱり最後まで正統派
②初見でぶっ飛んでそうだと思う→意外に王道だったと気づく
③初見でダークな作風だと思う→ダークだけど一部エンドは熱かった
④初見で具体的な感想を出しにくい→最後までユニークだった


……という風にカテゴライズしてみました(※あくまでフィーリングとノリです)。



①の例:『Ruina 廃都の物語』『ロマンピースを探して』『あすなな』『グレイメルカ』など

①は、第一印象をそのまま継続させてくれるタイプのRPGです。古典的・シリアス・コメディータッチなど作風は細かく分かれます。
このタイプのRPGは、「仲間と旅してる感」が強いものが多い気がします。たとえば上に挙げたゲームのすべてに、各地で発生するチャットシステムその時のメンバーごとに異なる会話が見られる機能が備わっています。仲間とのやりとりに力を入れたゲームは個人的には大好きです。

このカテゴリのRPGは特に、展開の安定感と面白さが連動している印象です。


②の例:『美術空間』『ダージュの調律』『タオルケットをもう一度3』など

②はギャップ系です。今回感想を書いた『美術空間』はこのカテゴリかなと思います。
『ダージュの調律』は世界観・システムともに風変わりな印象のゲームですが、テーマの一貫性ゆえに、ストーリーが進行するにつれてどんどんと王道展開に突入していきます。
また毛色はまったく違いますが、『タオルケットをもう一度3』でもかなりの落差を味わいました。同作品の場合、カオスっぷりを楽しんでいたら終盤王道展開になり、大いに動揺しつつも盛り上がる……というプロセスを踏みました。

ギャップに弱い人間としてはこのタイプのRPGも好きです。


③の例:『WIZMAZE』『カリスは影差す迷宮で』など

②は雰囲気暗めの殺伐系RPG(しかし熱い展開あり)です。
『WIZMAZE』は非常に力の入った正統派なRPGでもあるのですが、全体としてダークファンタジーっぽい作風なのでこのカテゴリかな、と。
『カリスは影差す迷宮で』は初期目標(パートナーの暗殺)がかなり重いんですよね。でもマルチエンドでその目標を覆すこともでき、胸熱な展開もあるのが印象的です。

このタイプのRPGは殺伐としつつもたまらない面白さがあると思います。


④の例:『魔王物語物語』『落ち葉の大地を走れ』『ふしぎの城のヘレン』『ユトレピアの伝説』『OFF』など

④は、ぶっちゃけると①②③のどれにもカテゴライズしにくいRPGです。大筋のストーリーが謎めいていることが多く、目的や世界観がよく分からないまま各地をさすらい、徐々に世界の姿を知っていく形式だったりします。
この中だと『落ち葉の大地を走れ』が好きすぎて感想を書けないレベルで大好きなんですが、他の4作品もそれぞれ魅力的な名作です。『ふしぎの城のヘレン』は終盤に王道的な展開が多いかもしれないですね。

他のゲームにはないユニークさという点から、強烈に印象に残りやすいのがこのカテゴリの特徴だと思います。



結論:RPG面白いよね!
※もちろん、先ほど示した分類上ここには挙げていないRPGの中で、面白いものは他にもたくさんあります。

上記の作品の中には記事として感想を書いていないものも多いです。いつか書ければいいなあと思っています。


以上脱線しました。

『美術空間』はアピールポイントである「芸術×戦闘」という二大要素を、きっちりと高クオリティーに創り上げているのが何より素晴らしいと思います。

気合いの入った良いゲームでした。面白かったです。



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