『僕を殺す瞳』 鮮やかな色彩とほのぼの同居生活を楽しむADV 感想 攻略 ※ネタバレ注意

2019年02月02日
ADV(アドベンチャーゲーム) 0

記憶を失った女の子とのほのぼの同居生活を楽しむADV、『僕を殺す瞳』の感想、攻略記事です。軽い考察を含みます。制作者はよなき様。ゲームの紹介ページ(ノベルゲームコレクション)はこちらです。 → ノベルゲームコレクション 作品ページ

僕を korosu 瞳 スクショ タイトル画面

記憶喪失の少女に命を救われた主人公が、“瞳”と名づけた彼女と同居生活をするADVです。
エンディングは4つ。カラーパレット集めを含め、クリアまでに2~4時間ほどかかりました。

本作は、ノベルゲームコレクションでプレイ可能です。ダウンロード版もありますが、トロフィー機能があるのでブラウザ上でプレイした方がいいかもしれません。

この作品の魅力を2点に絞って挙げるなら、1つは「謎の少女・瞳」、もう1つは「鮮やかな色彩」だろうと個人的には思います。

私にとってとりわけ魅力的だったのは後者でした。イラストや演出ももちろん素晴らしいですが、特に色彩感覚において類を見ないほどに優れたゲームだと思います。めくるめく色彩のまばゆさにあっという間に引き込まれ、プレイしているだけでドキドキしっぱなしでした。

「配色パターンが掲載された本やサイトを眺めるのが好き」「着せ替え要素が好き」という方は、このゲームを最高にワクワクしながらプレイできるのではないかと思います。私はまさに当てはまりますが、始終没頭して遊んでしまいました。

以下は、作品のストーリーやエンディングに関する感想です。攻略情報にも触れます。ネタバレが含まれるので、未見の方はご注意ください。

あらすじ

最初に、作品のあらすじを書きます。

主人公の「僕」は、昔から繰り返し不思議な夢を見ていました。暗闇の中に浮かぶ、色のない瞳の夢。じっとこちらを見つめるその瞳が瞬きをすると、夢はそこで終わります。
美大に進学した「僕」は、すでに克明に覚えてしまったその瞳を題材に絵を描き続けていました。

ある日の大学からの帰り道、夜の街を歩いていた「僕」は、謎の少女に命を救われます。驚くべきことに、彼女の瞳は夢に繰り返し見た瞳そのものでした。

記憶を失った彼女に「瞳」と名付けた「僕」は、行くあてのない彼女を自分の家に同居させることになります。しかし明るく無邪気で献身的な瞳には、ある大きな秘密がありました。

僕を korosu 瞳 スクショ 過去の瞳の写真

謎多き瞳に「僕」がどう接するかによって、エンディングは4種類に分岐します。

ストーリーと謎多き少女・瞳

ゲーム本編は、大学生の主人公が記憶喪失の少女と出会い、同棲をスタートするところから始まります。「瞳」と呼ばれることになる彼女は、このゲームのキーパーソンであるとともに、大きな魅力の一つだろうと思います。

主人公と瞳との出会いが語られるのはゲーム冒頭です。暗闇に浮かぶ瞳の夢のエピソード、夜の街を歩く主人公、車のライトとクラクション、手を伸ばして飛び込んでくる少女……まるで映画のワンシーンを見ているかのような導入に魅入られました。特に間一髪で助けられる場面は、謎の少女の瞳を意識した演出とカメラワークが秀逸だと思います。

ゲーム本編の日常生活でも、ドット絵を駆使して瞳の様々な表情や動きを見せてくれるので、彼女への好感度はおのずと高まります。外出して公園やカフェに行ったり、家で遊んだりのんびりしたり、まさにほのぼの同居生活を体験可能です(瞳と遊んで勝ったとき、罰ゲームで絵を描いてくれることにすごく和みました)。

僕を korosu 瞳 スクショ 罰ゲームでお絵かき

端的に言えば、瞳はすごく可愛いんですよね。くるくる変わる表情と明るく優しい性格に加え、主人公に対して献身的(瞳の過去を思えば、"健気な子供のよう"と言った方がいいのかも)なので、プレイヤーとしては自然と瞳を好きになりました。
瞳の正体とは何か、瞳はどのような末路を辿るのかについても気になり、彼女との同居生活を苦も無く4周してしまいました(その後、エンドレスモードへ)。

瞳の正体や彼女の行く末は、そこまで意外性のあるものではありません。しかし、個人的には余韻のある切ないストーリーだと思いました。

とりわけ印象的だったのは、唯一瞳が救われる(と個人的には感じた)エンディングに至るために、プレイヤーがとるべき行動方針です。

上でも書いたように瞳は可愛くて優しい子なので、プレイヤーとしては、彼女と仲良くなったり可愛がったりしたくなるんですよね。しかし、そのエンディングに到達するには、そういった自然な欲求とは異なる方向へと向かう必要があります。瞳の生い立ちと正体を思うと、よく練られた分岐と結末だなーと思いました。

瞳の色とカラーパレット

本作の力点は、ストーリーそのものよりも「瞳とのほのぼの同居生活」に置かれている気がします。そしてその同居生活の目玉は、自由度の高い着せ替え要素です。

瞳と暮らす一か月と少しの間、プレイヤーは彼女の「服装」や「髪型」や「瞳の色」を任意に変更できます。つまり、様々なヘアスタイル・ファッション・色彩によって、瞳を飾り立てることができるのです。

実際にプレイしたとき、瞳の「瞳」が周囲の色に合わせて変化しているのを見つけてびっくりしたことを覚えています。彼女の「瞳」は、身の回りに存在するものに合わせて容易にその色を変化させます。夜の街をあるけばネオンのような色合いに、またオムライスを作れば黄色系統の色合いに変わります。

ストーリー中盤で明かされますが、瞳は単なる記憶喪失の少女ではありません。「瞳」の色の変化は、彼女の存在が不安定であることと関係があるのではないかと思います。

この「瞳」の色の変化に対応する形で、「カラーパレット」が用意されています。カラーパレットには、全30通りの配色パターンが記録されます(本作のコレクション要素の一つ)。

特定のイベントの発生によって瞳の「瞳」の色は変化し、そのイベントに応じた配色パターンを入手できます。たとえば、カフェでコーヒーを頼めば「コーヒー」というパターンが、2人で遊園地に出かければ「遊園地」というパターンが手に入ります。

僕を korosu 瞳 スクショ カラーパレット

この30種類の配色パターンが、とにかく色鮮やかで目に快かったです。基本的に1つのパターンは3色で構成されますが、同系統の3色であっても異なる系統の3色であっても、どのパターンも不思議としっくり馴染みます。色と色のマッチングが工夫されているので、個人的な配色の好みはさておき、どのパターンも視覚的な心地よさをもたらしてくれました。

カラーパレットで眺めたときと、実際に絵に着色したり服に使用したときとでは、好ましく感じるパターンが異なってくるのも面白いポイントです。

個人的な感想としては、エンディングクリアで得られる4種類が特に好きでした。どのパターンも服に着色したときによく映えます。そのほか、個人的には「コーヒー」「血液」「ハロウィン」が好きです。特に「ハロウィン」は、宿題に使っても服に使っても華やかで可愛いですね。また、瞳の「瞳」の色として眺めるぶんには、「紅茶」や「ホワイトデー」が綺麗だなと思いました。

色は単体ではなく、複数組み合わされたときに大きな効果を発揮すると言われます。このゲームでは、その効果をわかりやすい形で感じられました。見事な色彩感覚だと思います。

ちなみに、30種類の配色パターンを揃えるためには、全エンディングのクリアはもちろん、区切りのないエンドレスモードで瞳と一年間を過ごす必要があります。「季節やシーンに応じて色彩を入手する」というのは、『GIRLS MODE 3 キラキラ☆コーデ』のカラーパレットシステムを彷彿するところがあって楽しかったです。

配色パターンの3つの使い道

ところで、カラーパレットは単に埋めるためのものではありません。入手した配色パターンを実際に使用することもできます。というより、それこそがこのゲームの最大の見どころです。

配色パターンの使い道は主に3つ。まず、大学での講評用に提出する「宿題」を、任意の配色パターンによって着色することができます。

僕を korosu 瞳 スクショ 手とはさみ

次に、その宿題で使用した配色パターンにインスピレーションを得て、主人公の後輩が瞳のために服(コスチューム)を作ってくれます。パターン自体は指定可能ですが、どのような服が仕上がるかは完全にランダム(ワンピース、ストリート風、カジュアル、ガーリー、メイド服、制服など系統はさまざま)です。

入手できる衣服は計18通りですが、エンドレスモードで1年間プレイしても揃わないことがあります。

僕を korosu 瞳 スクショ 後輩と服2

最後に、サークルの先輩に、家具を任意の柄と配色パターンで塗ってもらうことができます。この家具は、部屋に飾って背景の一部とすることが可能です。

「瞳」の色はなぜ変わるのか

プレイしていて特に興味深かったのは、瞳の目の色でした。上にも述べたように、瞳の目の色は周囲の色彩に応じてコロコロと変わります。

そこで、あまり深く考える必要はない(「目の色が変わるなんてスゴイ」「カラコン要らずの瞳ちゃんマジグレート」くらいのノリで問題ない)気もしますが、「『瞳』の色の変化」についてちょっと考えてみました。

とはいえ、瞳の正体自体が非常にあいまいなんですよね。過去に実在した故人の思念なのか、過去で生きていて現代に意識だけが飛んでいる状態なのか、はたまた主人公の頭の中だけにいる少女なのか。それらがすべてミックスされた存在ということもあり得ます。

手がかりとして、ゲーム冒頭では、(選択肢次第で)主人公と瞳は2人で警察に相談に行ったりします。このことから、少なくとも瞳は「主人公以外の人間にも知覚し得る存在」なのでしょう。加えて後輩が作ってくれた服を着ることができるので、(主人公が服だけを見て妄想しているのでない限りは)実体もあるのではないかと思います。

もちろん、2人が第三者を交えて会話する具体的なシーンは存在しません。ただ、2人で問題なく外出できる(お店に入って向かい合って食事をしたり、遊園地で遊んだりできる)ので、他の人間には見えない主人公の想像上の存在ということはなさそうです。

それを踏まえて、なぜ瞳の目の色は変化するのでしょうか。まず、目の色の変化要因は2通りあると考えられます。
一つは、「周囲のオブジェクトの色」。「コーヒー」「紅茶」といった配色パターンのタイトル名を見ても分かるように、瞳の目の色は周囲に存在する色彩によって変化しています。上でも述べた通り、大多数の配色パターンの由来がこれです。

そしてもう一つ考えられる変化要因は、「感情」です。瞳の目の色は、時折「感情」に呼応して変化しているように見えます。

例として挙げられるのは、4つのエンディングやエンドレスモード1周年での目の色の変化です。これらのイベント内での目の色の変化は、周囲のオブジェクトによってもたらされたものとは思えません(そういう色合いの物体が周囲にないので)。
ではどうして目の色が変わったのかと考えると、その場に臨んだときの「感情」(あるいは場のムード)を反映したからではないでしょうか。

「複数の色を配置することによって一定のイメージが想起される」と一般に言われます。エンディングの内容は切なく爽やかなものから後味の悪いものまで様々ですが、それぞれのエンドで得られる配色パターンは、そのエンディングのイメージから大きく外れたものではないと思います(とことん主観なのは分かっています)。

ただし問題は、要因が何であるにせよ、「目の色は誰の知覚に由来しているのか?」です。もっと突き詰めて言えば、「瞳の目の色は実際に変わっているのか」ということが気になります。
つまり、瞳の知覚に応じて物理的に(というのもおかしい気はしますが)瞳の目の色が変化しているのか、あるいは主人公が「色のない瞳」に色彩を見ているだけなのか……という疑問です。

これに関しては、主人公と瞳が第三者を交えて話すシーンが(直接的には)ないのでなんとも言えないところがあります。ただ、途中までは個人的には後者かなーと思っていました。

というのも、主人公がもともと見ていた瞳は、「暗闇に浮かぶ色のない瞳」なんですよね。だからもともと瞳の「瞳」はモノクロであり、実際に色の変化が発生しているわけではないのではないかと思っていました。
この場合、瞳の「瞳」は、主人公の知覚が投影されたスクリーンのようなものであると言えます。周囲の印象的なオブジェクトの色、または特定の場面に臨んだときの心象が、「瞳」を通じて映し出されるわけです。

どうして主人公の主観路線で考えたのかと言えば、当初は瞳を「主人公の想像の産物ではないか」と疑っていたからです(「夢に見た瞳の持ち主が現実に現れ、一緒に暮らすことになる」なんて都合が良すぎると思ったので)。だから、主人公が焦がれる彼女の「瞳」には、主人公の知覚がありありと映し出されるのではないか……と考えていました。

もっとも、ゲームを進める中で瞳が実在した人物だと知り、周回して瞳は想像上の女の子ではなさそうだと考え直しました。瞳はかなりファジーな存在なので、彼女の見たものや感じたことに合わせて実際に目の色が変化していても、まったくおかしくないだろうと思います。

まとまった考えを述べるというより、感じたことを流れに沿って書く感じになりました。瞳はミステリアスな存在ですね。目の色の変化に関しては、個々の感想をそのまま自分の結論にしていいんじゃないかなーと感じています。

エンディングの攻略と感想

エンディングは4つ存在します。【瞳に優しくするor冷たくする】×【瞳に頼るor頼らない】の2軸の組合せによって、エンディングは分岐します。つまり、「優しくする&頼る」「優しくする&頼らない」「冷たくする&頼る」「冷たくする&頼らない」の4パターンの結末が存在することになります。

【優しいor冷たい】と【頼るor頼らない】の度合い(数値)は、日常生活での主人公の行動によって変動します(オープニングでの選択肢は、数値の変動には影響しない様子)。現在の状態がどのエンディングに該当するかは、グラフで確認可能です。

瞳に優しくしたいのなら、選択肢で気遣ったり、カフェで瞳の喜ぶもの(ケーキやオレンジジュース、パフェなど)を頼んであげればOKです。
逆に瞳に冷たくしたいなら、彼女を突き放しましょう。カフェでコーヒーを注文したり、家でのんびり→寝るなどが有効です。「冷たくする」を突き詰めるのは比較的難しいと言えます。

また、瞳に頼りたいのなら、宿題で積極的に瞳を題材にすればOKです。また、家でのんびり→ハグや膝枕をせがむのも効果的。 逆に頼りたくないのなら、宿題で瞳を題材にしないようにします(思い出を題材にするのがオススメ)。あと、瞳の頭を撫でるのも効果的です。

2つの軸の組合せに応じて、8月18日のイベント内容が変化します。その後、8月31日(42日目)にエンディング到達となります。
以下は4つのエンディングに関する攻略&感想です。核心的なネタバレを含むので、未見の方はご注意ください。

ED1(優しくする&頼る)

瞳に優しくして頼りましょう。瞳との交流を求めるなら、自然とこのエンドに行き着くのではないかと思います。途中のイベントで「海の思い出」、エンド到達で「僕を殺す瞳」という配色パターンを入手できます。

瞳は自らの真実を知り、別れを告げて部屋を出ていきます。ひたすらに泣きじゃくる瞳が可哀想なエンディングでした。主人公も再び瞳の夢に囚われるようになり、しかももうそこから抜け出せない様子。「一緒にいられて幸せだった」という瞳の最後の言葉にすがるしかない、虚脱感の大きなメリバエンドだと思います。

「相手に優しくし自分も相手に頼る」って一番恋人っぽい関係だと思いますが、行き着く先はどちらも幸せになれない悲しい結末でした。

瞳が生きている女性なら、二人の関係からはもう少し幸せな結末が導かれたかもしれません。しかし瞳はすでに故人であり、本人も言う通り、「ずっと一緒にいられるわけなんてない」のです。だから、普通の恋人同士のように振る舞ってもそれは短い夢にしかなり得ず、瞳を救うことには繋がらないのだろうと思います。

ED2(優しくする&頼らない)

瞳に優しくし、頼らないようにしましょう。「のんびりする→瞳の頭を撫でる」は、このエンディングを目指すのにもってこいの行動です。途中のイベントで「ガール」、エンド到達で「瞳が殺す愛」を入手できます。

何も求めずに与え続ける主人公を理解できないまま、瞳が消えてしまうエンディングです。主人公にすがりつく瞳の、不安げで幼い表情が印象的な結末でした。

実は、「このエンドはけっこう後味が良いのではないか」とプレイ中に予想していました。何も欲しがらずにただ慈しむ、それはいわば、子供に対する慈愛に満ちた親のような態度です。だから、「傷つけず奪わないことによって、父親に虐げられていた瞳の心を解放できるのではないか」と期待していました。

しかし実際のところ、瞳には「無償の愛」というものが理解できませんでした。「どうして優しくしてくれたの?」と悩み苦しむ瞳を見て、プレイヤーとしては無性に切ない気持ちになりました。「大事にしたいから優しくする」という接し方を、親に捨てられ虐待された瞳はそもそも知らないのだと痛感したからです。

優しくしエゴのために利用しないこと、例えば親のように接することによっても、やはり瞳を救うことはできませんでした。

ED3(冷たくする&頼る)

冷たくして頼りましょう。瞳の裸体を題材にすると、両方の軸について数値が高まっていきます。途中のイベントで「血液」、エンディング到達で「僕が殺す瞳」を入手できます。

主人公に父親の面影を見出す瞳。「自分もあなたと同じように夢を見ていた」と語り、彼女は自身を傷つける父親のもとへと帰ってしまいます。

4つのエンディングの中では、一番バッドエンドっぽい終わり方でした。瞳の父は娘を愛しながら虐待し、最後にはエゴイズムからその命を奪いました。瞳に冷淡に接する一方で彼女を頼り続けた主人公について、「私の大切な人に似ている」と瞳は言います。このエンドに関しては特に、「頼る」ことは「利用する」ことにとても近いのでしょう。

このエンディングの悲しさは、瞳が自ら父親のところへ戻っていく点にあると思います。おそらく現実の瞳も、「父には私しかいない」という認識のもと耐え続け、最期には命まで奪われてしまったのでしょう。「傷つけられる=頼られている」と解釈してしまう(というより、そう解釈するしかない)瞳の境遇を思うと、やるせない気持ちになりました。

ところで、このエンディングの瞳は、他のエンドとは違って幽霊(のような存在)ではない気がします。亡くなった瞳の思念がまだ現世に残っているというより、生きていた頃の瞳の意識が、同じ日に生まれた主人公の現実に混ざり込んだような描写でした。時間軸上の離れた2点がピンポイントで繋がった、とでも言えばいいのでしょうか。

主人公は瞳の夢をずっと見ていましたが、このエンドでは瞳もまた、「主人公の夢を見ていた」と告げます。おそらくは無意識に父のいる現実から逃げ出す形で夢を見ていたのに、その逃避先にも父によく似た主人公しかいなかったというのは悲しい話です。

もっとも、このエンドでも瞳はすでに故人であり、父のもとへ帰るラストは、彼女(の思念)が今後も自らの死に縛られ続けることの暗示なのかもしれません。

ED4(冷たくする&頼らない)

冷たく接し、頼らないようにします。とにかく瞳との交流を避けましょう。途中で「夢」、エンド到達で「瞳を殺す愛」を入手できます。

瞳は晴れ晴れとした顔で去り、主人公もまた瞳の夢を見ることはなくなります。爽やかな結末であり、個人的にはこれがトゥルーエンドかなと思いました。

瞳は死者である自分を真正面から受け入れ、未練から解き放たれて成仏しました。瞳にとって、主人公は父と同じ寂しい人に見えたようです。しかし実際のところ、主人公は瞳なしでも生きていける人間でした。瞳の言う「未練」とはきっと、命を奪われてもなお存在した父を案じる気持ちだったのでしょう。

優しくもしないし頼らない(=利用しない)、それが親からいびつな愛情を受けて亡くなった瞳を救う最適解である(瞳を解き放つ「愛」の形である)ことは、ちょっと切ないものの納得のゆく話です。主人公から見ても、瞳との繋がりが一番良い形で解消されたと言えるのではないでしょうか。

エンドレスモードについて

クリア後に追加されるエンドレスモードでは、春からゲームをスタートして1年間以上延々とプレイできます。瞳との同居生活をエンドレスに続けられるわけです。

実は、ストーリーモードをプレイして手に入るだけの配色パターンをすべて集めても、カラーパレットには抜けができてしまいます。その抜けている配色パターンは、このエンドレスモードですべて入手可能です。また、エンドレスモードでのみ登場する特殊コスチュームもあります。

エンドレスモードでは、時間の進行に伴って季節が移ろい、特定の日にイベントが発生します。本編では見られなかったイベント(主に秋や冬のイベント)が発生したとき、新しい配色パターンを手に入れることができます。

僕を korosu 瞳 スクショ エンドレスモード 梅雨

注意点として、公園に遊びに行くことによっても配色パターンが手に入ります。梅雨の頃、雪の頃など特定の時期を逃さないように公園に出かけましょう。

カラーパレットは、瞳との同居生活がちょうど一周年を迎える頃にすべて埋まります。瞳と一年を過ごしたプレイヤーを労う、ささやかなイベントが用意されているのが乙な計らいだと思いました。

*****

斬新なセンスと豊かな色彩感覚で作られたADVでした。ヴィジュアルで魅せるコンセプトの作品だからこそ、制作者様がドット絵や配色にかけた労力は相当のものだったろうと思います。かつ、その苦労に見合うだけの、ユニークで印象深いゲームに仕上がっているように感じました。素敵な作品でした。

グラフィックへのこだわりが印象的な作品について、いくつか感想記事を書いています。

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かーめるん
この記事を書いた人: かーめるん
フリーゲーム、映画、本を読むことなどが好きです。コンソールゲームもプレイしています。ジョジョと逆転裁判は昔からハマっているシリーズです。どこかに出かけるのも好きです。古い建築物などを見ると癒されます。

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