ユリリエ愛情ルート 「一心同体」攻略 ※チャート付 【冠を持つ神の手/かもかて】
『冠を持つ神の手』(かもかて)のユリリエ愛情ルートを、「好感度:一心同体」でクリアする攻略記事です(各月のチャートとイベント詳細付き)。イベント内容のネタバレと軽いキャラ感想を含みます。
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※ユリリエの感想記事:『冠を持つ神の手』 ユリリエ 感想&攻略 その4
友人と恋人、それぞれに求める条件がまったく違うユリリエさん。しかし公式サイトの雑文を見ると、「好友好愛ともに35以上にすることは可能」と明記されています。というわけで、ユリリエ愛情ルートでの「一心同体」攻略*に挑戦しました。
かもかてででは、愛憎軸と友嫌軸の数値の組合せによって、主人公と攻略キャラの心象状態が様々に表現されます。たとえば「友達」、「親友以上を望み」、「鏡を見るような愛」……など。その中で、愛情MAX&友情MAXのとき、心象は「一心同体」と表現されます。「一心同体」攻略は、相手の好感度を「一心同体」にした上で愛情エンドに到達することを指します。
感想記事の方でも書きましたが、ユリリエの好愛には特殊な上限が存在します。そしてその条件は、「好友度」や「本当の愛フラグの個数」によって変動します。
公式サイトの雑文によれば、好愛25以上のとき、上限は「35-好友-(本当の愛*2)」という計算式によって求められます。同項の例によると、「好友5かつ本当の愛イベントを3つ起こしていれば上限は36」らしいです。例や実際の上限変動を見ても、-(本当の愛*2)ではなく+(本当の愛*2)ではないかと思ったり。
とりあえず、好友が上がるほど上限が下がり、本当の愛イベントをこなすほど上限が大きく上がると認識してOKです。そして上の式から、「好友を先に上げると好愛を最大にするのは不可能になる」ことが分かります。
つまり、好愛好友を共に最大にするには、「好愛最大→好友最大」の順に上げなければなりません。※後から好友を上げたとしても、それまでに上げた好愛が削られるわけではありません。
一周中にクリアを目指しつつ起こせる本当の愛イベントは5~7個程度なので、序盤は好友を抑えるが吉です。
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結論から言うと、「一心同体」攻略は成功しました。リロードとパラ調整の連続で途中目の前が真っ暗になりそうでした。疲れた。攻略支援版でないと絶対にクリアできなかった(ダイマ)。元々フィーリングでゲームをやるタイプなので、逐一計算しつつプレイするのは大変でした。
以下、各月ごとの攻略チャートと注意点を書いていきます。ネタバレが含まれるのでご注意ください。
オープニング
本編スタート前のオープニング場面は地味に重要です。目標は次の2つ。
- ヴァイルの好友を下げる
- 登場キャラ5人の印友をマイナスにし、忌避判定の手続きを進めておく
①「ヴァイルの好友を下げる」については、後半に占いで好友を上げるためです。ヴァイルは初期好友がとても高いので、オープニングで削っておきます。
②の「登場キャラ5人の印友をマイナスに~」については、後々考えるとサニャやタナッセは「無関心」でもよかったかなと思いました。しかし、後で問題が起こったとき、この段階で印友-15しておかないと取り返しが尽きません。
まずは「王を目指さない」と表明し、ヴァイルの好友を下げます(ヴァイルについては、その後の中日イベント【彼なりの案内】も利用して好愛も下げておきたい)。リリアノにも同じことを言って好友を下げたいところですが、ある中日イベントを出すため、リリアノには王を目指すと宣言しておきます。タナッセは元々好友マイナスなのでノータッチです。
ローニカについては、躍起になって好友を下げる必要はないです。というのも、初期好友が高いキャラの中で、ローニカだけは大きく好友を下げる機会が少ないからです(初期イベントにおいては特に)。占いを利用するにはユリリエの好友度が3位以内であればいいので、ローニカは好友1位キャラとしてそのまま放置します。
サニャもローニカと同じような理由で放置します。彼女は好友2位キャラです。サニャについては、単純にかまっている時間がありませんでした。グレオニーとサニャのどちらかの好友を下げれば充分であり、グレオニーが優先されるのでサニャはそのままという感じです。
緑の月(一カ月目)
緑の月は最初の月なので慎重にプレイしました。ここで後々の不利になることをしたり、必要だったことをやり逃すとリカバリーが大変です。労力という意味でもモチベ的な意味でも。この月の目標は次の3つでした。
- 御前試合で優勝
- ローニカとグレオニーの忌避
- モゼーラに印愛を15振る
まず、①「御前試合で優勝」について説明します。これはユリリエを最速で登場させるための目標です。
「一心同体」攻略をするにあたって猶予期間は多ければ多いほど良いので、ユリリエを「青の月(二カ月目)第一週」に出すと決めました。ただし、そこで問題となるのは、「名声30以上」という登場条件です。というのも、名声30以上でユリリエの登場に優先してリリアノ【心の戦い】(中日イベント)が発生してしまうからです。
つまり、「青の月第一週」にユリリエを出そうと思うのなら、【心の戦い】は緑の月(一カ月目)中に発生させる必要があるわけです(ちなみにオープニングで王○としたのは、このイベントを暇な緑の月のうちに出してしまうためです)。
というわけで、「緑の月第五週」の御前試合で優勝してガッツリ名声を稼ぎ、「緑の月第六週」に【心の戦い】を出すことにしました。優勝を目指して最初から交渉をガンガン上げ、武勇をそれなりに上げました(※後半の好友上げのために武勇を抑えておく必要がある)。
実際のプレイでは、武勇50超、交渉100手前で御前試合で優勝できました。リリアノさまも呆れ混じりの驚き顔でした。
また、ユリリエの登場条件にはほかに、「魅力10以上」&「舞踏会出席済」があります。魅力コマンドを実行し、緑の月の最終週に舞踏会に顔だけ出しておきましょう。
続いて、②「ローニカとグレオニーの忌避」について説明します。緑の月の間にローニカとグレオニーでそれぞれ2回イベントを起こし、2人とも忌避しました。
ローニカについては、忌避判定を入れるタイミングに注意しましょう。ローニカは初期好愛が高いキャラなので、励みイベントに登場しがちです。励みはできる限りすべてユリリエで出したいので、能力値が50を超えるまでにで忌避しておきます。
グレオニーについては、黒の月(最終月)の御前試合の見物を潰されないように忌避しておきます。ただし、グレオニーは初期好友が高いキャラなので、単に忌避判定を入れるだけでは不十分です。後々好友占いで順位に割り込まれて泣きをみることになります。よって、2回のイベントで徹底的にグレオニーの好友を下げておきましょう。
最後に、③「モゼーラに印愛を15振る」について。モゼーラに印愛を15入れるだけで、のちに「本当の愛イベント」の一つ、【本気】(中日イベ)が発生します。詳しくはユリリエの感想記事の「愛情Aの攻略方法」に詳しく書きました。本当の愛イベントが1つでも多く欲しい一心同体攻略では、モゼーラの協力は必要不可欠です。
青の月(二カ月目)
青の月でようやくユリリエが登場します。まずは、【装いの心】【昔のことなんて】の2つを起こします。本当の愛フラグはこれで2つ。
今月の大きな目標は、「御前試合で決勝に進む」です。
休日はユリリエの元へ通い、好愛を30以上にします。かなりギリギリですが不可能ではないです。そして更に交渉を上げ、御前試合の決勝出場を目指しましょう。これは、ユリリエの好愛30以上で発生するイベント、【奪われた愛】を発生させるためです。交渉さえ高ければ、リロードを繰り返して決勝には進めます。
決勝の相手のノースタスはかなり強いので、低武勇ではまず勝てません。ローニカによるストップが事前に入ることもあり得ますが、好愛には影響がないので気にせずに行きましょう。
また、本当の愛フラグを立てるにあたって欠かせないのは、中日対話イベントの【本当の愛】(withリリアノ)です。そのものズバリ。
しかし、名声が上がったことにより、リリアノ【宝器庫】が優先されました。遅かれ早かれ「王○」なら発生するイベントであること、【本当の愛】発生までリリアノを忌避できないことを鑑み、やり直さずに進みました。
また、ユリリエの一心同体攻略において、能力パラの高低はかなり重要です。この月だけのものではありませんが、継続的な目標は以下の3つです。
- 魅力を100手前まで上げる
- 礼節を一桁、武勇を50程度に抑えようと努力する
- 武勇・魅力・交渉以外のパラは49以下に留める
①「魅力を100手前まで上げる」については、後半さくっと好友上げに入るための準備です。だいたい黄の月初旬には90以上になるようにしておきます。ただし、好愛を上げている間は絶対に魅力が100以上にならないように注意しましょう。
②「礼節を一桁、武勇を50程度に~」について。これは後半に好友を上げる際、舞踏会でダンスを失敗して【救いの手】を出すためです。
緑の月と青の月の御前試合のために、武勇は一定上げざるを得ません。魅力も①の理由から上げなければなりません。そうなると、礼節を抑えるしか手がないのです。とはいえ関連パラはどうしても一緒に上昇してしまうので、「礼節一桁武勇50」はあくまで目安です。
③「武勇・魅力・交渉以外のパラは49以下に~」については、2つの理由があります。
1つ目の理由は、早めに対話イベントを出すためです。中日イベントは、「励み>対話」の順で優先されるようです。前半で好愛を上げるためには、【本当の愛】や【本気】などの本当の愛に関わる対話イベントをさっさと出さなければなりません。しかし、もし様々なパラが50を超えていると、励みばかりが起こって対話はとことん後回しになってしまいます。
ゆえに、必要なパラ以外は数値を49以下に抑え、励みイベントの発生を極力遅らせる必要があるわけです。
2つ目の理由は、好友ボーナスを稼ぐためです。魅力が100以上あると、イベント終了時に好友が加算されることがあります。励みイベントでもボーナスが発生するのを一応確認しました(間違っていたら申し訳ありません)。
といっても、好友がそれなりに高まらないとこのボーナスは発生しないようです。それでも保険程度の気持ちで、励みイベントを後半に温存しておくのがいいと思います。
赤の月(三カ月目)
赤の月に入ると折り返し地点です。このあたりから計算が難しくなってきます。好愛上げパートをきっちり仕上げるため、また好友パートに向けての下準備として色々とやることがあります。
赤の月の本当の愛イベントは、【愛の理由を】と【本当の愛】でした。【本当の愛】が出た時点でリリアノは忌避しておきます(分かりやすくするために)。これで本当の愛フラグは4つ。
赤の月の目標は、以下の3つです。
①「市で占いを使用できる状態にする」は、手が空いたこの時期にやるべきことです。また、上限に余裕があれば、贈り物×2で好愛を積んでおきましょう。交渉が高いので値切りも余裕です。
②「モゼーラの印愛30以上」は、【本気】のついでに【恋とはそういうもの】を出す必要があるからです。注意点として、モゼーラは初期好友がそれなりにあるので、占い対策に彼女の好友を積極的に下げましょう。【ちょっとした外出】を見ると中日にモゼーライベントが増えるので、これを利用します。
③「ヴァイルの忌避」については、私はこの時期に入れました。【長く短く】が出るかなと期待していたのですが、後半にそんな余裕はなく。青の月に発生した【いざ尋常に】の時点で忌避しておくべきだったと思うので、個人的にはヴァイル忌避の遅れは痛いミスでした。
ちなみになぜヴァイルを忌避するのかと言うと、対話イベント【王配狙い】を発生させないようにするためです。
対話イベントは、【本当の愛】>【王配狙い】>【本気】の順で優先されます。この時期にさしかかると一つの中日イベントの遅れも許されないので、【王配狙い】を見ている暇はありませんでした。
黄の月(四カ月目)
黄の月は攻略の山場です。個人的にはここがクライマックスでした。好愛最大にしつつ好友上げに切り替えるタイミングの調整、舞踏会で【救いの手】を出すためのリロード地獄……後者はもう思い出したくないほどの試練でした。
黄の月の本当の愛イベントは【本気】と【恋とはそういうもの】です。モゼーラさんありがとう。これで本当の愛フラグは6つ、エンド条件を満たしました。
私が攻略したとき、黄の月第一週時点でユリリエの好愛は40前後でした。こなした本当の愛イベントは合計6つ……と見ると余裕がありそうですが、好友度の方が-2とギリギリだったので、上限は危ういまま。
市の贈り物と【告白】で一気に好愛を上げ、最後の【恋はそういうもの】で好愛上げと好友下げを同時に行い、好愛をピッタリ最大にして終えました。上限がちょうど50だったと思います。本当にハラハラしたので、「運命の人」表示(=好愛MAX)を見たときにはガッツポーズしました。
好愛上げが終了したのは、黄の月第二週の休日でした。次は好友上げパートですが、正直言って無理だろうと思っていました。黄の月第三週からスタートして最後まで頑張っても、残された時間は一カ月と四週間未満なわけです。いや絶対無理だろうと思いながらも、もう上げられるだけ上げようと虚ろな目をしつつ、好友上げパートに入りました。
大前提として、これ以降は絶対に好愛を下げてはいけません。好友上げパートに入ると、好愛の上限は下がる一方になり、二度と元の数値に戻すことはできなくなります。
また、「運命の人」の前後で魅力を100以上にすることを忘れないようにしましょう。短期間で仕上げるには、イベントごとに細かく加算される好友ボーナスは必要不可欠です。
好友上げパートに突入した今月の目標は、【救いの手】を出す。これに尽きます。舞踏会は黄の月で最後なので失敗できません。
好友10以上のとき、舞踏会でダンスを失敗すると、後発イベントを導く【救いの手】が発生します。普通の時はともかく、時間が限られた「一心同体」攻略においては必須のイベントです。
しかし、この段階までくると、ダンスに失敗するのが非常に難しい。最初に礼節のみ10ちょい、武勇・魅力100以上でやってみたところ、まったく失敗しませんでした。40回ほどやって諦め、赤の月第六週に戻ってパラ調整。しかしそれでも失敗しないので、30回ほどやってまた諦めました。
最終的には青の月中盤からやり直し、武勇70未満、礼節20未満に抑えて再々チャレンジ。このときは10回ほどで「失敗」に成功。ガッツポーズをする気力もなく、ただ目を閉じて感慨に浸るのみでした。
黒の月(五カ月目)
最終月は、ひたすら好友上げに励みます。【救いの手】から派生する【個人授業】3回と礼節励み、そして【一緒に訓練】で中日を埋めました。
好友が足りない場合は、【お見舞い】を出します。好友ボーナス発生を狙ってのものですが、地味に有効です。
また、ここまで温存していた雨の日イベント2回と、【貴族からの評価】を休日に発生させます。
雨の日イベントはどちらかというと好友が上がりやすいので、好友上げパートに残しておきました。【貴族からの評価】については、王になれるパラ条件を満たした上で見ないとユリリエの好感度が大きく上がらないので、こちらも最後の月に温存しておきました。
ちなみに、市の好友占いは完遂しなくても大丈夫でした。【個人授業】との兼ね合い上、どうしても3回目を見るのが不可能になったからです。正直ヒヤッとしましたが、チクチク攻める魅力100ボーナス様々と言ったところです。
そして好友上げの締めとして、最後に【一緒に試合見物】を起こしました。ここで「一心同体」達成。びっくりしました、正直。好友-4からのスタートなので、一月と四週で好友を54上げたことになります。
細かいイベントでの好感度計算を考えず、「こういうイベントだからこの時期にまとめよう」くらいのガバガバっぷりでしたが、なんとか行けました。攻略支援版だからこそできたことです。有り難いです。
まとめると、舞踏会2回(1回目は普通、2回目は大成功)、御前試合2回(1回は優勝、2回目は決勝出場)、試合見物1回で王になる条件を満たしました。
黄の月の舞踏会でユリリエと踊った後に粘ったことが大きいと思います。実はダンスの後、ユリリエさんは歓談にも来てくれました。「さすがはユリリエさん!」と超絶感謝したことをよく覚えています。
全イベントの詳細は、以下の画像でご確認ください。
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「愛は与え合うもの」 ~ユリリエが愛する人に求める条件~
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達成感が半端ないですね、ユリリエ一心同体攻略。ユリリエ視点で主人公を眺めると、「好きになった相手がどんどんと貴族的な思考を身に付けていき、しかしユリリエが愛した美徳は失わなかった」……という感じになるのでしょうか。とはいえ、やはりユリリエとの愛情エンドは、共感を司る好友を低くして迎えたいなーと思ってしまいました。
結論から言うと、ユリリエが愛する人に求めるのは「愛を与え合うこと」、つまり「自分が相手を必要とし、相手にも自分を必要としてもらうこと」なんだろうなーと攻略を終えて感じています。
一心同体攻略中に印象的だったことがあります。それは、好愛35以上で友情エンドを選ぼうとして失敗したときの主人公とユリリエの反応です。
「ユリリエの好愛が35以上」ということは、主人公は1年の間に、着実に本当の愛フラグを立ててきたはずです。フラグ成立には主人公の高い印愛が必要になる場合が多いことや、「その答え次第では……」という主人公の心中語から考えると、友情エンドに進もうとしつつもユリリエへの好意はある程度持っている状態なのでしょう。
ただし主人公は、自分から好きだと言い出すことには慎重で、ユリリエの出方次第で行動を決めようとしているようです。そんな主人公をユリリエはダンスに誘い、2人で完璧に踊り終えた後で、彼を拒絶し別れを告げるのです。
「ダンス」は、「ユリリエと同じ思考をする人間になる」ことを求められる友情攻略でキーとなる小道具です。また、「貴方は私を取り込むことはできるけれど、求めることはできない」という言葉もなかなか示唆的でした。2人は「同質」のものすぎる、主人公にとってユリリエ個人は必要のない存在だ、と暗に言っているように聞こえるからです。
たとえば、愛情Aの後日談において、ユリリエは「主人公を積極的にサポートした」と伝えられています。生粋の貴族として、また弁舌巧みな女性として、平民出身の男性である主人公を陰になり日向になり支えたということなのでしょう。
しかし、友情エンド(or上記の友情エンド失敗)の主人公は、ユリリエと限りなく近い人物(おそらくはお洒落で口が達者で貴族的な思考の持ち主)です。その場合、(少なくともユリリエ視点では)2人が共に人生を歩む意味はほとんどないのではないでしょうか。たとえ共にあることを願っても、ユリリエはやがて主人公に取り込まれて彼を「見失」い、自身の存在意義に迷うことになるのでは……とも思います。
また、ユリリエは「主人公を理解できない」とも言います。しかし、いくつかのイベントを見れば分かるように、彼女にとって「理解できない」はけして悪い形容ではありません。
むしろ、「理解できない」=「共感できない」=「自分とは考え方が違う」ことは、彼女が恋愛対象に求める大切なポイントだと言えます。【生粋の貴族】であるがゆえの恋愛観に縛られているユリリエは、意識的にか無意識にか、まったく違う考えをもって自分を納得させてくれる人を求めているからです。
それなのに上記の主人公は、たった1年でユリリエの最大の理解者となり、彼女と同じ思考をする存在になってしまった。たとえば愛の告白という人生を左右する大イベントを前に、いくらか計算して動くことを覚えてしまった。その時点で主人公は、ユリリエが欲する愛を与えてくれる人ではなくなったのだろうと思います。
項目タイトルにも書いた通り、ユリリエは「愛を与え合うこと」を重要視しています。【ささやかな相談】から分岐する【迷うべき選択】で「ヴァイル」と答えると、ユリリエは彼女が女性を選択した経緯を話してくれます。このときに好愛が高ければ、彼女はヴァイルを婚姻の相手として見ない理由について打ち明け、その流れで以下の発言をします。
だって、愛はお互いに与え合うもの。
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そうではないかしら?
与えるばかりも嫌。
求められるばかりも嫌。
ふふ、レハト様は、私を必要としてくださる?
私はレハト様を必要としておりますわよ。
愛は互いに与え合うものであり、愛し合う2人は互いに必要とし合うものである。ユリリエの上記の発言には、彼女の思想(理想)がはっきりと反映されています。彼女がヴァイルとの婚姻を視野に入れない(うまく立ち回ればヴァイルを説得できる可能性があるのにあえてやらない)のも、彼とそういう関係になれば、「ヴァイルから奪うばかりになってしまう」と予想しているからです。
以上に述べたことと、「違うコミュニティから来た主人公に好意的なこと」や「好友が上がると好愛の上限が下がること」などを総合すると、ユリリエは自分にないものを持っている人(かつ相手の欠点を自分がカバーしてあげられる人)を求めているのではないかと感じました。
上とはまた違う話ですが、同じく友情エンド失敗ルートで聞ける、「2人の間には言葉で伝えられないことが多過ぎるらしい」という発言にも色々と考えさせられました。もちろん単純に考えれば、主人公にユリリエの真剣な愛の気持ちが伝わっていないことを指摘するものなのでしょう。ただ、「ユリリエ」と「言葉」の並びは深読みしたくなります。
【永遠に変わらぬ】を見るに、ユリリエを納得させるには言葉が必要不可欠です。恋愛ものだと「言葉<気持ち」として扱われがちな気がします。しかし何を思っていても、結局は相手にわかってもらえなければ意味がないんですよね。
ただ、言葉には偽りが混じりがちだから、偽らざる心の方が好ましく思えてしまう。何も言わなくとも気持ちが伝わる関係に憧れてしまう。それもまたもっともな話だと思います。特に前者についてはユリリエも少なからず覚えがあり、だから、「本当の心」を探していると打ち明けたりするんだろうなと思います。
それでもやはり最後の最後で言葉が必要なのは、ユリリエが生粋の貴族であり、彼女個人も言葉を操ることに長けているからなのでしょうか。彼女が真に求めていたものが、「本当の愛」というより、「その存在を信じさせてくれる(納得させてくれる)人」だったことも大きいのかもしれません。言葉に思うところがありつつも大事にする姿勢は、現実的なユリリエらしくて好きです。
なんだかんだ楽しいプレイでした。ユリリエさんは奥が深い。
*****※関連記事:『冠を持つ神の手』 ユリリエ 感想 攻略 その4
*****以下は拍手コメントへの返信です。(2017/09/30)
> 2017/09/23に拍手コメントをくださった方へ
はじめまして。拍手コメントありがとうございます! 返信が遅くなって申し訳ありません。記事を読んでくださってありがとうございます。しかも参考にしていただいたということで、とても嬉しいです。
一心同体クリアおめでとうございます。挑戦時に散々苦労したプレイヤーの一人として本当に尊敬します。「才色兼備」主人公は、ユリリエさんの一心同体クリアの証のようですごくいい感じですね(普通の愛情攻略だとなかなか魅力は100以上にしないと思うので)。
かもかては本当に奥深くて面白いゲームですよね。底が見えないというか。私も多人数並行プレイあたりはまだまだやり込めていないので、今後挑戦したいなーと思っています。お互い、これからもかもかての色々な楽しみ方を発掘できるといいですね。今回は嬉しいご報告を本当にありがとうございました。
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