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『グレイメルカ』 気になる男女ペア&好きなBGM 雑感 ※ネタバレ注意 その5

2019/05/16
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FEライクな戦略SRPG、『グレイメルカ』の男女ペア&BGMの感想記事です。戦闘ユニットの評価も含みます。制作サークルはシニカルとレトリック様。作品の公式サイトはこちらです。 → グレイメルカ

グレイメルカ スクショ カオル 世界は灰色で作られてる

グレイメルカ

「歴史」と書いて「いのち」と読む『グレイメルカ』は、世代交代がストーリーに絡むこともあって、様々な男女間で恋愛関係が成立したゲームでした。

今回の記事では、好きな男女ペアを色々と挙げて感想を書きました。基本的にはストーリー中や後日談で恋愛関係になった2人についてあれこれと語るだけです。ネタバレをたくさん含むので、未見の方はご注意ください。

※『グレイメルカ』感想記事一覧

・その1:『グレイメルカ』 全6章のストーリーの概要&感想 戦闘レビュー
・その2:『グレイメルカ』に登場する“新暦の8国”まとめ
・その3:“人間がいる”、“歴史がある” 『グレイメルカ』の魅力 考察
・その4:『グレイメルカ』 キャラクター感想

・その5:『グレイメルカ』 気になる男女ペア&好きなBGM 雑感(現在閲覧中)

気になる男女ペア

『グレイメルカ』は、男女関係の描き分けが上手い作品だと思います。男女の性格や年齢も様々、予想通りの組合せもあれば意外な組合せもあったりと見ていて飽きませんでした。同じく男女カップルが多いFEシリーズも好きなので、『グレイメルカ』でもいろいろなペアを見られて楽しかったです。

以下、印象に残った&好きだったペアやコンビについて感想を書いていきます。外伝含むストーリーとキャラ後日談のネタバレを含みます。

デミライト&ウィラ

グレイメルカ スクショ ウィラ デミライト

グレイメルカ

デミライトとウィラは、本編でハルカたちが真っ向から戦うことになる主従です。モドンピオ城にデミライトが赴いたときのウィラの反応を見て、「もしかしてこの2人……」となんとなく予感を抱いたのを覚えています。

クレミト陣営にとって最大の敵であるがゆえに、ストーリー上悲恋を宿命づけられている主従なので、第5章終盤は特に見ていて切なかったです。自分が独力で選んだのはウィラだけ、ウィラが命を落とせばこの道を歩いてきたことに一つの希望も持てなくなる、とまで言い切るデミライトにグッときました。

ハルカとメレオネがよく似たタイプとして恋愛に発展した2人なら、デミライトとウィラはその逆だと思います。打算的で後ろ暗い過去を持つデミライトが、清廉で忠実な武人であるウィラに惹かれるのはなるほどなーという感じです。

ウィラはウィラでデミライトにベタ惚れだったので、エミットの惚れた男に一直線なところは母譲りだったのかと納得が行きました。第6章ではいまだにデミライトを思いデミライトの敵を憎む彼女の心境も掘り下げられるので、ウィラの一途さにほろっとくる場面も多かったです。あと、「ウィラの方が背が高いのでデミライトと話すときは常に頭を下げている」という小ネタにはニヤニヤしました。

ところで、トルトナ家周辺の男性は年上の頼もしい女性に縁がありますね。デミライトはもちろんのこと、兄弟のように育ったハルカや血縁関係にあるサーシンやクレミトも年上の女性に惹かれました(もちろん、それぞれなれそめや女性のタイプは異なりますが)。本編では登場しなかったレシウル帝の伴侶も、頼りがいのある女性だったのかなーと考えてしまいます。

ザリップ&ロシェア

グレイメルカ スクショ ザリップ ロシェア

グレイメルカ

ザリップとロシェア貴重な青春している同年代カップルというか、普通に恋愛して円満に成就した2人だと思います(もちろんサドラ族と外国人の初めての結婚という意味で、2人の関係性は十分にセンセーショナルですが)。

キャラクター感想記事でも書きましたが、普段は冷静沈着なのにロシェアが絡むと年相応に慌てまくるザリップにニヤニヤしました。ムッツリザリップ。

結婚後の2人がけっこう波乱万丈だったらしいことには初見で驚きました。まあザリップは(男女関係に関して)サドラ族の慣習に完全に従うつもりはなさそうだったので、そこまで不思議な話ではありません。かなりの異文化結婚なのでなんだかんだ添い遂げただけでもスゴイと思います。

ラタ&ピピカ

グレイメルカ スクショ ピピカ ラタ

グレイメルカ

ラタとピピカは、第5章の「来て……」→「……はい」の時点で大好きでしたが、第6章をプレイして更に好きになりました。ピピカにラタというパートナーがいてくれて本当によかったと心から思いました。

大義の為に何かとピピカを犠牲にしようとするノフォウルに対し、ラタは徹底して「ピピカ個人が大事なんだ」と主張してくれるんですよね。軟禁中のピピカをどう思っていたかという話にもしんみりとしてしまいました。

ピピカのラタ大好きっぷりも相変わらずで嬉しかったです。12年後のピピカはすっかり落ち着いた立派な女性になりましたが、それはラタという精神的な支柱を得たおかげでもあるのかもしれません。支援会話を見ていると、ピピカがラタに愛情と尊敬の念を抱いていることがひしひしと伝わってきました。

身分の違い、出身国の違い、度重なる戦乱……幾多の障害を見事に乗り越えた点を見ても、それだけ固い絆で結ばれた2人なんだろうと思います。『グレイメルカ』を総括する第6章で、ピピカとラタの関係がしっかりと描かれて本当に嬉しかったです。

グレイメルカ スクショ ガシガン ウオラトリ

グレイメルカ

ガシガンとウオラトリについて語る上で、EX4話の感想を抜きにはできません。EX4話は外伝ながら、『グレイメルカ』の中でも五指には入る良ストーリーだと個人的には思います。以下、ネタバレにご注意ください。

EX4話は、卑怯な手段でシャトの座を追われたウオラトリが、満を持してその地位を奪還すべく故郷に戻るエピソードです。その導入だけを見れば多くの人は、「ウオラトリは最終的にシャトに返り咲く」と予想するのではないでしょうか。

しかし、EX4話はそういう風には運びませんでした。ウオラトリは仇敵を再び倒したものの、女性であるために周囲の支持を得られず、儀礼守に「故郷エスカペルを捨て新しい世界で生きよ」と言われてしまいます。

実力を示したのに夢破れ、今後は故郷の土を踏むことも叶わない。あまりに気の毒な結末に初見では呆然としたことを覚えています。「お前の不運は、お前以前にシャトの資格を持つ女が現れなかった事だ」という儀礼守の指摘も、それがシビアかつ現実的なものであるがゆえに心に刺さりました。

「きっとガシガンがウオラトリを励ましに来てくれるはず」とは思ったものの、「でもどうやって今のウオラトリに救いの道を示すんだろう」というのが正直な気持ちでした。

そんなEX4話のラストは、次のような流れでした。破れた夢への憧れを捨てきれない、どうすればいいと尋ねるウオラトリに、ガシガンは「俺は……好きな女を想って、忘れた」とだけ答えて去ります。これに対してウオラトリは、「女々しい」「幻滅した」と漏らします。「お前も弱い男だったのだな」という彼女の独り言をもってEX4話は終了です。

あくまで個人の感想ですが、この終わり方にはシビれました。淡々と言葉を重ねる2人が格好良く、ガシガンの冷静さと思いやりが素晴らしかったです。男前すぎる。

ウオラトリが弓の名手であるガシガンを尊敬し目標としていること、ガシガンがかつて恩人ホードバンの非道を知って幻滅したこと。その2つを踏まえてこそこのラストは輝きます。ついでにガシガンがロシェアに失恋したことも加味すれば、彼の男前度はいや増します。

一度憧れた夢をなかなか諦められない気持ちは、ガシガンにも馴染みのあるものでした。だからこそ彼は、ウオラトリが幻滅するのを承知の上で、彼女が「青銅の勇者」と憧れる自分をあえて貶めました。彼女の理想を裏切ることで、「シャトになる道がすべてではない」と示そうとしたわけですね。

対するウオラトリは、ガシガンの狙い通りの反応を示します。しかし最後の呟きを見るに、彼女はガシガンが示した優しさをちゃんと理解したのではないでしょうか。

このEX4話でガシガンとウオラトリに心を持っていかれたので、後日談で2人が人生を共にしたことには納得しかなかったです。ウオラトリが故郷を追い出されて失意の状態にあるとすれば、そんな彼女をガシガンが放っておくはずないだろうと思っていたので。

もっとも、サドラ族と外国人のカップルなので結婚するとまでは予想していませんでした。ザリップ&ロシェアといい、やっぱり彼らの世代でサドラ族は一気に開放的になったんだなーと改めて感じました。

ところで、2人はガシガンの引退後にエスカぺルに移住したそうです。しかしEX4話でガシガンも言っていた通り、エスカぺルの風土はバーメイル大森林とは正反対と言ってもいいんですよね。ウオラトリの夢を叶えるために故郷を離れたガシガンの愛情深さに感じ入りました。正直なところこのゲームで一番男前なんじゃないかと思います(戦闘ユニットとしても強いし)。

また、ガシガンがウオラトリの意向を受け入れたのは、「夫は妻の所有物になる」というサドラ族の風習のためかもしれません。ガシガンはサドラ族の風習が好きだと言っていたので、外国人であるウオラトリとの間でもサドラ族の考え方を通したのかなーとふと思いました。

クレンフゥ&ペコ

グレイメルカ スクショ クレンフゥ ペコ

グレイメルカ

ペコとクレンフゥは見ていて面白くもあり、歩み寄るまでの過程とその後に想像の余地のある2人でした。けっこう好きなコンビです。

ペコのクレンフゥ嫌いはのちの関係良好化の前振りだろうとは思っていました。ただお互い相手に難色を示しているし、何より年がかなり離れている(11歳差)ので、最初は結婚するとまでは思いませんでした。まさか「間違ってもクレンフゥみたいな男は選ばない」というペコの発言がド直球なフラグだったとは。

最初に2人の結婚を予感したのは、内戦終結のタイミングで「コートマの領主をどうするか」という話題が出たときです。

「クレンフゥが仕切るしかないのでは」とパッと思ったんですよね。もとよりコートマはクレンフゥ頼りの弱小国家、ハンカ家は数だけは多いものの「アホばっかり」(よくて平凡)、ペコ自身も一農民として育った姫で為政者の資質には欠けています。

しかし、能力重視でクレンフゥをトップに据えるというのは現実的ではありません。ハンカ家の人間や保守派は当然従わないでしょうし、クレンフゥの外聞も悪くなります。そうなると体裁を整えるための手っとり早い手段は、クレンフゥがネダバスの娘であるペコと結婚し、ハンカ家に婿入りすることだろうと単純に思いました。

そういうわけで、第5章でネダバスがああいうことになったときは完全にフラグが立ったなと思いました。ただ、ペコの心境を考えると複雑な気持ちにもなりました。

ペコは自分が統治者に向いていないこと、帝国への負債を抱えるコートマにはクレンフゥが必要であることをわかっていました。彼女の望みはまだマシなハンカ家の人間に当主を継いでもらい、クレンフゥに中継ぎ役を(そしてできることならその後の補佐も)務めてもらうことだったはずです。

しかしクレンフゥは、「(自分以外の)ハンカ家の人間に仕えてくれ」というペコの願いを断ります。他にやりようがなかったとはいえ、主君を手にかけてしまった彼の決心は固かったわけです。
最終的にネダバスの娘であるペコに仕えることを承諾しても、「自害は“保留”」と発言したりします。「保留」と言ったのは、「今後ペコ以外の人間に仕えるつもりはない」と重ねて意思表示するためだろうと思います。

ペコはこの時点で、単純にコートマの政治から身を引くことができなくなりました。コートマにはクレンフゥが必要、しかしクレンフゥはペコ以外の人間に仕えるつもりはない……もしもペコが自分が可愛いだけのアホな人であれば、コートマもクレンフゥも放り出してガカシの村に戻ったのではないでしょうか。その結果コートマが破綻しても、クレンフゥがあらためて殉死を実行しても、そもそも責任は自分にはないと考えたのではないでしょうか。

しかし彼女はそういう人間ではありませんでした。だからコートマにとって最善の選択を、つまり、クレンフゥと結婚して正統な形で統治権を委ねるという選択をしたんだろうなと思います。

最初に2人が婚約したと聞いたときは、「ガカシの村で暮らすためにあのクレンフゥと結婚までするなんて合理的だなあ」と思いました。しかし、第4章前半でのペコの言動や第5章でのクレンフゥとのやりとりを見返すと、「ペコが結婚に関してそんな大人な割り切りをするだろうか」とも感じました。

側室の母を農村に放置した父親に批判的だったり、結婚しろという父の命令をはねのけるために戦場に出たり、ペコにとっては「結婚」ってそう簡単に割り切れるテーマではない気がしたんですよね。

そういう風に考えていくと、ペコがクレンフゥに結婚を申し込んだ根っこにあるのは、投げやりな妥協ではなく一種の責任感なのかなーと感じました。クレンフゥに主君殺しの汚名を着せて死に場所を奪い、主従を引き裂いてしまった手前、ある程度の覚悟をしていたのではないでしょうか。

悲壮感こそないものの、ペコはなすべきことのためにきっちりと犠牲を払ったキャラだと個人的には思います。

第2章でレシウルはサーシンに、「人より優遇されている人間は代わりに発生する不自由も受けなければいけない」と言い聞かせていました。私情よりも義務を優先するのは、たしかに人の上に立つ人間として当然のことでしょう。

しかしペコの場合、(本人もクレンフゥも言う通り)これまでの人生で王族としての恩恵をほぼ受けていないんですよね。彼女は王城で蝶よ花よと育てられた姫ではなく、田舎の農村で牛飼いの娘として育ち、畑を耕しながら一農民として生活していました。

そんな王族としては不遇の状態にあったペコに最終的に義務だけが発生したのは、人生の世知辛さを感じるポイントでした。なかなか思うようにはいかないなーという(それは主君の後を追うつもりだったクレンフゥにも言えることです)。

皮肉な話ですが、ペコは当初の主張通り自分で選んだ人間を伴侶にしたんですよね。それも王の息子ではなく娘だったからこそ、コートマにとって最良の人間を統治者に据えることができました。
政治をすべてクレンフゥに任せてもオッケーなくらいには、戦中戦後を通して国に献身したのではないかと思います(クレンフゥもそれを誰よりわかっていたから、ペコがある程度自由に生活できるように多くを引き受けたのではないでしょうか)。

第6章で2人が再登場したのは嬉しいサプライズでした。「クレンフゥは優しい?」に優しいとも優しくないとも言わずに濁すペコと、「あいつは病気だ」「サッパリ理解できない」と語るペコに「夫婦仲が悪い訳じゃなさそうだけど」とぼそっと言うメレオネにちょっとニヤニヤしました。

ペコの生い立ちを思うと、結婚して5年経ったクレンフゥにまだ側室がいないのも素直にいいなあと思いました。実際に2人で話しているところも見たかったです。

後日談では思いのほか普通に夫婦関係を築いていて驚きました(結婚後の第6章でペコはアペスハウス城にいたので、時季に合わせて王城とガカシに住み分けていたのでしょうか)。

変則的とはいえ、ペコは実子と一緒に故郷で農村生活を営んだそうです。「まさかそこ含みで長男を廃嫡したのか?」と一瞬思いました。まあペコのことを抜きにしても、クレンフゥのことだからある程度納得のゆく理由があるんだろうなと思います(本当に単純に天パだったからかもしれないですが)。

あと、ペコの後日談ラストの一文(後世に伝わっている2人の仲)にはなんだかホッとしました。ペコに関しては妙に親っぽい目線で見てしまうので、少なくとも冷え切った関係ではなかったらしいとわかって嬉しかったです。

クレミト&スイハ

グレイメルカ スクショ クレミト スイハ

グレイメルカ

クレミトとスイハの結婚については、「そう来るのか」とびっくりしました。クレミトがどういう女性を伴侶に迎えるのか興味はあったのですが、個人的にはなかなかの変化球でした。ちなみに2人は9歳差です(たぶん)。

求婚理由は、なんと「スイハはハルカに似ているから」。クレミトが昔言っていた、「ソヴォは元気をくれるけど、ハルカは安心させてくれる」という言葉を思い返して切なくなりました。クレミトにとってのハルカがいかに大きな存在だったのか、改めて認識させられた一幕でした。

スイハは「観光案内するぞ」と申し出たり、キルよりも柔軟にクレミトを信頼したりと、親しい間柄になりそうな感じはもともとあったんですよね。クレミトはトルトナ家の例にもれずフバーライン人と馬が合っていたので、伴侶に選ぶならフバーライン人なのかなーとは思っていました。

キルによれば、結婚後の2人は仲は良いものの一般的な夫婦という雰囲気ではなかったようです。友情や尊敬といった、ストレートな恋愛感情とは異なるもので結ばれた2人だったのでしょうか。一般的な恋愛や政略結婚によって結ばれた夫婦ではない方が、カリスマ皇帝クレミトとその伴侶の在り方としては似つかわしい気もします。

番外:ソヴォ

そんな気はしていたものの、ソヴォは安定の独身でした。オッゾンとの例の会話は前振りだったのか……という冗談はさておき、クレミトが何より大切なソヴォらしい選択だと思います。サーシンのことはもちろん、アイフィの命を奪わせてしまったことも一定関係していそうです。あと、ビタ家との因縁もあって家庭を持たなかったのかもしれません。

そもそも、ソヴォについていける女性はそうそういない気もしますね。抗帝軍でもまったく女っ気なし(パルを除く)。「ハルカのことでメラと衝突した」というエピソードでさえ何かのフラグかと思ったくらいです(あと、第6章でもエミットが「(ソヴォは)元カレ?」とメラに尋ねるシーンがありました。個人的にはそういう目線抜きで、メラが「実力は認めるけどソヴォは気に食わない」という態度を貫いているのが好きです)。

番外:ファテナ&ヘイント

最後に、恋愛的に思い合うことはなかったものの、ファテナとヘイントはある意味『グレイメルカ』を象徴する一組の男女だったように思います。

特に第6章の2人の会話には、ラストのカオルとエミットの会話と併せて『グレイメルカ』のテーマが凝縮されているような気がしました。

「アンタが俺より先に死ぬ事は無いよ」からの「私は絶対に死にません、生きる為に生きています」は、この上なく愛に溢れたやりとりだったと思います。

自分の生を生きることにこだわっていたヘイントが生涯をかけてファテナの生を見守ったこと、ファテナもヘイントの思想をよく理解し生を全うしたことに心打たれました。男女として成就はしなくとも、他にはない特別な絆で結ばれた2人だったのではないでしょうか。

BGM感想

『グレイメルカ』を語る上で、使用されているオリジナル楽曲の素晴らしさに触れないわけにはいきません(ハルカアイコンのプレイヤーで何度もリピしました)。最後となる項目では、個人的に好きなBGMをいくつか挙げてみます。

♪グレリア

「グレリア」、これはもう外せません。和風テーマの楽曲の中でも群を抜いて好きです。「今まさに復讐してやるぞ」という疾走感に、グレリアたちの冷徹さや強い意志があわさった感じで非常にカッコいい。

物語が急速に佳境へと入っていく第29話の戦闘シーンに、この曲を持ってくる制作者様のセンスに痺れました。まさに「すべてはここから始まった」ですよね。クナタとカタリが越えたゴワ山脈を、二十年ほど経って息子のハルカが越えてゆく……物語の冒頭と現在が重なって胸が熱くなりました。

♪アリミア

「アリミア」は、しっとりとした良曲だと思います。滅びへと向かって流れ流されてきたアリミアの空気感がひしひしと伝わり、少し水っ気のある匂いまでも感じられそうです。第6章のラストを飾るカオルとエミットの会話でも、この「アリミア」が流れて感慨深くなりました。

♪スカイリード

「スカイリード」は、「大空・飛翔・旋回」といったイメージが5秒聴いただけで思い浮かぶ曲です。「今から攻撃に入る!」と言いたげな盛り上がりどころもいいですが、空を哨戒しているっぽい最初の部分の浮揚感がすごく好きでした。

♪ウィラ・バトル

「ウィラ・バトル」は出だしが最高だと思います。全体的に勇壮・壮大・軽やかで、スカイリードを率いる勇ましい武人であるウィラのイメージにもぴったりです。

このBGMが流れて印象的だったシーンは、なんといっても第6章続4話でフェネックとウィラ(とサリー)がジェペシェに駆け付ける場面です。ピピカとラタが絶体絶命のピンチに陥っているときに、「ウィラ・バトル」とともにさっそうと現れるスカイリード部隊……一気にテンションが上がりました。

♪譲れぬ想いを守るためB

「譲れぬ想いを守るためB」は、作中で何回も聴いた曲です。Aも好きですが、個人的にはBの方がより好きです。

この曲を聴くと抗帝軍時代の、ハルカたちが少数精鋭でどんどんと勝ち上がっていった頃の雰囲気を思い出します。王族や強キャラがどんどんと加入した後半とはちょっと違う、泥臭くまとまった仲間内のムードが好きだったんですよね。「後には退けない、だから戦って道を切り拓く!」みたいな、前向きな覚悟を感じさせてくれる曲だと思います。

♪デト家・バトル

「デト家・バトル」は、くせ者感と高揚感たっぷり。デト家の一筋縄ではいかない感じがよく出ていて、自然とエキサイトしてきます。パッと思い浮かぶのは、バルナクの強キャラ感やファテナの冷徹さ&執念でしょうか。ユラはこの曲が似合う感じではないかもしれません(そこがユラの良さでもあると思いますが)。

♪ハルヴィン城の戦い

「ハルヴィン城の戦い」は、重厚で圧迫感があり、最終決戦という雰囲気に満ち満ちていて好きです。ジェライやらオブレイク殿下やらデミライトやら、強者たちの顔が脳裏に浮かびます。

♪ジェライ・バトル

「ジェライ・バトル」は、ジェライの誇り高さや強靭さが心に響いてくる曲だと思います。バトル曲の中でも妙に耳に残るのは、個人的にジェライのキャラが好きだからですね、きっと。完全に曲とキャラとが紐づけされています。

『グレイメルカ』の感想まとめ

記事その1にも書きましたが、『グレイメルカ』をクリアしたのはかなり前のことです。面白かったのですぐさま感想を書こうと思ったものの、ゲームの内容が濃厚すぎて消化するのにかなり時間がかかりました。長編&情報量が膨大な作品(かつストーリーは一本道)なので、感じたことや考えたことをうまく形にできなかったんですね。

そろそろ感想を書こうと思って気合を入れ直してから、目を皿のようにしてゲーム内の用語辞典をチェックし、自分でオリジナル年表を作ったりしました(年表作りはやり始めるとけっこうハマりました)。おかげで改めて『グレイメルカ』世界にどっぷりと浸れた気がします(今“『グレイメルカ』テスト”を受けたらそこそこ良い点をとれるはず)。

実は『グレイメルカ』を知る少し前に、『ファイアーエムブレムif 』をプレイしました。FEifは前宣伝を見てけっこう期待していたゲームで、実際SLG部分はかなり歯ごたえがあって面白かったです。ただストーリーに関してはちょっと物足りないというか、期待していたほどの「戦記もの」っぽさはなかったと感じた作品でした。

そこから『グレイメルカ』をプレイして、「見たかったものが見つかった」という感想を抱きました。ゲーム世界なりのリアリティーが貫徹され、登場人物の言動は立場や地位に沿ったシビアなもので、プレイしていてすごくワクワクしました。

架空の王国ものにしては「フラストレーション」とか「ブーイング」といったカタカナ言葉がポンポン出てくる&不思議と馴染んでいるのも新鮮でした。ファンタジー度が低く、政治の話がよく出るからあまり違和感がなかったのかもしれません。

余談ですが、『グレイメルカ』にはサイドストーリーと言うべき短編がいくつか存在するようです(公式サイトのSpecialより)。たとえば第6章で出現する宗教集団ハロートの起源は、そのサイドストーリーの一つで語られています。

残念なことに忙しかった時期とかぶってことごとく配布期間を逃してしまったのですが、ストーリー紹介文を読んでいるだけでもどんどんと興味が湧いてきます。歴史や地理がこれだけ練られているからこそ、サイドストーリーを作る余地が十分にあるのだろうと思います。

年表形式で歴史を振り返るエンディングやキャラ別エピローグでは、第6章の更に先の未来についても語られています。バルカン・ウォールやタクタ王国といった単語に興味津々になる一方、ロマテア帝国やケシマの里の行く末には納得しつつも切ない気分になりました。デト家が遠い未来でも栄華を誇っているらしいのは素直に嬉しかったです。

あらためてプレイし直すたびにやっぱり『グレイメルカ』は面白いなーと思います。シリアスであり、コミカルなところもあり、何よりドラマチックです。

主人公絡みの暗い展開や少し生々しさもある男女関係は、賛否分かれるポイントなのかなーとは思います。ただ、個人的には血の絆や因果応報といったテーマが好きなので、『グレイメルカ』のストーリーには心揺さぶられました。戦略SLGとしてもやりごたえがあって楽しかったです。

*****

これまでに書いた『グレイメルカ』関連の記事は以下の通りです。

また、ファンタジーRPG作品の感想記事をいくつか書いています。

『Ruina 廃都の物語』 感想 考察(ゲームブック風の長編ファンタジーRPG)
『WIZMAZE』(ウィズメイズ) マルチシナリオ型ファンタジーRPG レビュー 感想 その1

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かーめるん
Admin: かーめるん
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