ジョジョ第6部アニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(ジョジョ6部)、アニメ化決定。とうとう来ましたね。マジでハッピーうれピー。発表を見た瞬間にテンションブチ上がってヤバかったです。マジかぁ~ついにか~ジョリーン~ジョッリィヒヒィ~~~ン!って感じでした。

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※以下、「アニメ化おめでとう」にかこつけたただの6部語りです。ジョジョ第6部の最終話までのネタバレがガッツリ含まれるので、未読の方はご注意ください。
ジョジョ6部って、他の部と比べてスケールの大きなスタンド能力がいくつも出てくるパートですよね。隕石とか重力とか天候とかサブリミナルカタツムリとか二次元実在化とか加速とか、範囲も広いし威力も強力だしそれもう反則やんって感じの能力ばかり。そもそもラスボスであるプッチ神父のスタンドが器用万能すぎてズルイし。
だいたいの能力がシンプルで理解しやすかった第3部から、強さから離れて多様な用途を模索した第4部、殺傷力が高くやや複雑なスタンドが増えた第5部と長く歩んできたためか、第6部のスタンドはけっこう難解な能力を持つものが多いような気がします。特に一部のスタンドは、一読してすっきりと理解することが困難なくらいに複雑である印象です。
そして、「だからこそ」と書きますが、個人的にアニメ化に一番期待していたパートでもありました。第6部のスケール感はアニメーションにバッチリ映えるんじゃあないか、複雑な能力のスタンドも色が付いて躍動することでより理解しやすくなるんじゃあないか、と。
正直なところ、今までちょこちょこあったアニメ化に伴うシーン改変の中には、これなんか微妙だなーと感じるものもありました(審判戦でのポルポルくんとかホルマジオの引っかけとか)。でも第6部のアニメ化はグレートにおめでたいことだしファンとしても嬉しいし、そんなに不安もなく純粋に楽しみです(たぶん多少ガッカリな改変があっても、やっぱり荒木先生の描いた原作がグンバツにイカしてて至高やねんな~と思うだけなので)。
ところですごく個人的な話ですが、第6部は学生時代に読んで鮮烈な衝撃を受けたパートです。仲間達やラスボスであるプッチ神父の背景もそうですが、何よりも主人公のジョリーンの行く末が非常に印象的でした。
第6部を読む中で素朴に思ったのは、「なんでジョリーンはこんな目に遭い続けるんだろう」ということでした。もちろんそれは、根本的には「彼女が承太郎の娘だから」、「彼女がジョースターの末裔だから」に尽きます。ただ、他の部ではあまり感じなかったそんな疑問を、ストーンオーシャンを読んでいたときは強く抱いてしまいました。
ジョリーンははかなり未熟かつ悲惨な状況から出発するジョジョなので、カッコイイと憧れるよりはまず応援するような気持ちで読み始めました。あと、承太郎が「『道』というものは自分で切り開くものだ」と言い切った第3部と比べると、「すでに決定された運命」という第5部のテーマをさらに突き詰めた第6部の雰囲気は相応に翳りを帯びていました。だから時折挟まれるギャグやユーモアに笑いこそすれ、読者としてもそうそう楽観してはいられなかった覚えがあります。
ジョリーンは父親である承太郎と同じく、血統の定めた宿命を否応なく受け継ぐことになった人間です。特に成長後は父親に似て心身ともにタフな主人公になりました。ただ、ジョリーンが放り込まれた石の海という運命はあまりにも苛酷であり、彼女が強く成長してもなお、読んでいて心苦しくなることがしばしばありました。
どれだけ泥水をすすろうともジョリーンは星を見てへこたれず、それこそ命をすり減らすようにして戦い続けます。ただ、そうまでしてあがいても彼女はなかなか報われない。むしろ、「これプッチ神父の方に主人公補正かかってるやろ」と言いたくなるような展開が何度もやってくる。
たとえ抗いがたい運命の中で彼女自身が選んだ道とはいえ、ジョリーンが目を覆いたくなるような事態に見舞われるたびに、読者としては精神にかなりのダメージを食らいました(第6部は負傷描写がすごく痛く見える)。
これほど過酷な目に遭うことが彼女に流れる血の宿命なのか。元凶のDIOはもういないのに、彼が芽吹かせた因縁がジョリーン(と承太郎)をどこまでも追いかけて追いつめる。それって本当に理不尽じゃないか。いくら運命でも、それが運命というものだとしても、たとえジョリーンがどれだけ強く研ぎ澄まされていったとしても、やっぱり根本的に可哀想じゃないか……と、多感な時期の私はめっちゃ思っていました。
そして迎えた第6部のラスト、最終話のタイトルは「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」。かのルイ・アームストロングの代表曲です。海からの最終決戦を読むのが怖くて悶々としていたときに、「ラストは『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』を聴きながら読むのオススメ」と小耳に挟み、曲をかけてから「いざ読まん」とおそるおそるページを繰りだしたことを今でもよく覚えています。
実際、アドバイスは抜群に“効き”ました。「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」をバックに「来いッ!プッチ神父」から「ぼくの名前はエンポリオです」までを初見で読んだ結果、びっくりするほどマジでガチ泣きしたからです。もう昔のことなのでありのまま書きますが、悲しいのか嬉しいのかつらいのかもうよくわからないくらいに感情がぐっちゃぐちゃになってしまって、誇張でもなんでもなくフツーに号泣しました。ひとり寝ころびながら。人払いをしてから読み始めてよかった~と後で心底思いました。
ジョリーンの精神性と力強さに胸が締め付けられ、プッチ神父の無双感に絶望し、しかしジョリーンらの意志が受け継がれたことに胸が熱くなり……と感情が乱高下してからの「ぼくの名前はエンポリオです」。子供の頃からジョジョが大好きだったので、それこそ作中のエンポリオのような顔つきになったというか、本当に様々な思いが胸に去来しました。
「ジョジョ」は終わってしまったんだ。ジョリーンたちはもういないんだ。ジョリーンはこれで宿命から解き放たれたのかもしれない。でも悲しい、あの世界でみんなと一緒に生きていてほしかった。あの世界が続いていてほしかった。アイリンたちが幸せそうで本当に嬉しい、でも彼女はジョリーンじゃない。「さよならを言うあたしなのよ」ってF・Fが言ったのはこういうことだったんだ……etc.
すでに止んだBGMのことを思いながら、「たしかにこの終わり方は、『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』と言うほかない」と洟をすすって納得しました。間違いなく幸せな結末なのにどうしようもなく悲しくて仕方がない、そんな矛盾に満ちた素晴らしきエンディング。この結末をどう感じるか、この結末を受け入れられるか否かによって、第6部全体への印象も大きく左右される……そんなパワフルなラストだったと思います。
第6部はそこそこ賛否ある部だし、批判される部分に関してはそうかもしれないなーと感じるところもあります。ただ、私自身は第6部がすごく好きだし、アニメをきっかけに6部を好きになる人が増えるといいなあと思っています。あと、晴れてアニメ化ということで、ジョジョピタに早く6部キャラを実装してほしいです。なんか普通に6部語りに終始しましたが、アニメの放映を今から楽しみにしています。
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