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『#こっち向いて_めごちーv』 同クラのアイドルと7日間のSNS写真企画にチャレンジするADV 感想&攻略 ※ネタバレ注意

2021/10/09
ADV(アドベンチャーゲーム) 0
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カメラマンになって現役高校生アイドルを撮影するアドベンチャーゲーム、『#こっち向いて_めごちーv』の感想&攻略記事です。ネタバレが含まれます。制作者はよなき様。作品の紹介ページ(ノベルゲームコレクション)はこちらです。 → #こっち向いて_めごちーv

#こっち向いて_めごちーv スクショ タイトル画面

#こっち向いて_めごちーv

『#こっち向いて_めごちーv』は、アイドル撮影ADVです。主人公は写真部に所属する高校生。ひょんなことからクラスメイトのアイドル・めごちーに写真企画のカメラマン役を打診され、自信家でタカビー(死語)なめごちーに一週間付き添うことになります。

同ゲームはノベルゲームコレクションでプレイ可能です(ダウンロードも可能)。獲得できるトロフィーは4つ。エンドは4通り。1時間30分ほどでクリアしました。

「『赤毛ツインテ美少女の写真を撮るゲーム』なんて好きな要素しかない」と初見で予感した通り、『#こっち向いて_めごちーv』はとても楽しいADVでした。同制作者様の他の作品と同じく、今作もトロコンまで夢中でやり込んでしまいました。

本作の見どころはなんといっても、ドット絵で動くめごちーを撮影できるカメラアクションパート。美麗なドット絵でのアニメーションに感動し、多彩なシチュと仕草にドキドキし、フィルター加工に嬉しくなり……と超楽しかったです。もともと写真を撮る系のゲームって大好きなんですよね。

あと、「撮った写真の評価」と「めごちーのキャラ設定」がうまく掛け合わされて分岐していくストーリーも面白かったです。めごちーのキャラクターも魅力的でした。

以下、『#こっち向いて_めごちーv』のストーリーやエンディングの詳しい感想と攻略情報を書いていきます。ネタバレが含まれるので、未見の方はご注意ください。

※以前感想記事をアップしましたが、よなき様による『僕を殺す瞳』というADV作品もオススメです。美大生の主人公が記憶喪失の女の子に出会い、彼女に「瞳」と名付けて同居生活を営みます。ほのぼのとした日常と瞳の可愛らしさ、ミステリアスで切ないストーリーラインが魅力的。3色のカラーパレット収集が楽しく、ドット絵の素晴らしさに思わず見入ってしまうゲームでした。

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『#こっち向いて_めごちーv』のあらすじ

『#こっち向いて_めごちーv』のあらすじを書きます。

#こっち向いて_めごちーv スクショ 現役高校生アイドルの写真企画に協力する

#こっち向いて_めごちーv

主人公は写真部に所属する高校生(男女選択可)。ある日、主人公は部長から風変わりな仕事を依頼されます。それは、同じクラスに在籍する現役女子高校生アイドル、「めごちー」こと為越千夏の写真を撮影すること。

めごちーは今どき珍しい「生意気な自信家キャラ」として絶賛売り出し中のアイドル。学校での日常を撮影してSNSに投稿する「#こっち向いて_めごちーv」という企画を実施するにあたり、カメラマンを務めてくれる生徒を探して写真部へとやってきたのです。

部長のたっての頼みということで企画への参加を承諾した主人公は、7日の間、様々なシチュエーションでめごちーを撮影することになります。はたして主人公は気難しいめごちーを満足させることができるのか? そして、一週間共に過ごす中で見えてきためごちーの意外な素顔とは? ……といったあたりが本作の見どころです。

『#こっち向いて_めごちーv』の概要

#こっち向いて_めごちーv スクショ めごちーの写真を撮る チュートリアル

#こっち向いて_めごちーv

『#こっち向いて_めごちーv』の概要について簡単に書きます。『#こっち向いて_めごちーv』は、「アイドル撮影ADV」です。より具体的には「日常ものADV+撮影アクション」といった趣き。つまり、「めごちーとの選択肢ありの会話を楽しむ7日間のADVパート」と「1日に1回差し挟まれる写真撮影パート」によって構成されています。

まずは、この写真のキモとも言える写真撮影パートについて。急遽カメラマンに抜擢された主人公は、1日に1回、様々なシチュエーションでめごちーの写真を撮ることになります。「学校での日常を撮影する」というコンセプト上、基本的には制服姿のめごちーを撮ることになりますが、好感度次第では水着姿や私服を見せてくれることもあります。

この写真撮影パートでは、タイミングに合わせてシャッターを押す(=クリックする)というアクション要素が求められます。撮影パートに入るとスマホのレンズの向こう側でめごちーが動くので、その動作を観察し、「ここだ!」と思ったタイミングでシャッターを押すわけです。

スマホ下部に赤いゲージが表示される場合は制限時間が設定されているため、ゲージがゼロになる前にシャッターを押す必要があります。また、チュートリアルの初日を除けば、すべての撮影は一発勝負で撮り直しはできません。

写真を撮ると、直後に「写真評価」が行われます。具体的には、まず①「オフショット」/②「めごちー」/③「下手クソ」のいずれかに分類された上で、さらに☆1~☆3の評価がなされます。☆3評価が最高です。

もう少し詳しく書くと、①「オフショット」はアイドルめごちーらしくない気の抜けた表情を撮ったときに下される評価です。例を挙げると、あくびだったり、緊張した顔だったり、口をとがらせた顔だったり、無邪気な笑顔だったり。つまりオフショット評価の写真は、「アイドルめごちーではなく為越千夏個人の素の表情をとらえた写真」と言い換えることができるのかもしれません。

アイドルとしてのキャラクターにこだわるめごちーは、オフショット評価の写真を撮ると露骨に不服そうにします。しかし本心ではそこまで不愉快に思っているわけではありません(彼女の複雑な心情の理由は、後述するオフショットルートの終盤にて明かされます)。

次に、②「めごちー」はいかにもアイドルめごちーらしい1枚を撮った際に下される評価です。具体的には、自信満々の笑顔や余裕綽々のキメ顔、元気の良いポーズのめごちーを撮影すればOK。めごちーの学校生活を覗く今回の企画に最も適した写真であり、めごちーも一番良い反応を見せてくれます。

最後に、③「下手クソ」は単純に撮るべきタイミングを分かっていない下手な写真を撮った際に下される評価です。たとえば、めごちーが目をつぶっている写真は下手クソ評価を受けやすいです。このカテゴリの写真を撮ると、めごちーはあきれた様子のコメントをしてくれます。

さて、実は写真の評価は、『#こっち向いて_めごちーv』においてエンディングの分岐を決定する重要なファクターです。後で詳述しますが、最終日までにどのカテゴリの評価(星の数)を多く得たかによって、最終日の展開およびエンディングが大きく3種類に分岐するでのです。

したがって、エンディングを回収するにあたってはストーリー中に狙い通りの評価の写真を撮る必要があります。ただ、実際にプレイすると分かりますが、ぶっつけ本番ではそうそう巧く行きません。特に下手クソ評価の写真は撮るタイミングさえ見つけにくいレベルです。

そこでオススメしたいのが、タイトル画面から選べる練習モードです。練習モードでは写真撮影パートのみを遊ぶことができ、撮りたい日orシチュの写真撮影を繰り返し練習することができます。また、素晴らしいのは「オートモード」。オートモードをオンにして練習することによって、各評価について☆3を撮れるベストタイミングを知ることが可能です。

ただし、本編で一度でも該当する写真撮影パートを通過しない限り、練習モードは解放されません。たとえば、「4日目の好感度高ルートの写真撮影」を練習モードでプレイしたい場合は、あらかじめ本編で水着を着ためごちーとプールで写真撮影をしておく必要があります。

写真撮影パートの説明に戻って、写真を撮って評価も終えた後は「写真加工」の時間です。36種類の加工パターンから1つを選び、色味を変えたりエフェクトを加えたりできます。ストーリー中に選んだ加工パターンは、エンドロールでの写真表示や練習モードでのサムネイル表示に反映されるようです。

めごちーの好感度と写真の評価――ストーリー分岐の2要因

#こっち向いて_めごちーv スクショ 撮った写真には評価がつく 下手クソ

#こっち向いて_めごちーv

『#こっち向いて_めごちーv』には、ストーリー分岐にを決定する要因が2つ存在します。1つ目は「めごちーの好感度の高低」、2つ目は「写真の評価(☆の種類と数)」です。

まずはADVパートと深く関わる、めごちーの好感度の高低について。めごちーには主人公に対する好感度が設定されています。好感度は会話中に発生する選択肢(めごちーへの応答)によって上下し、その状態は左上のハートマークによって確認できます。

めごちーの好感度の高低によって変化するポイントは、第一に4日目と5日目の写真撮影パートのシチュエーションです。好感度が高い場合は「4日目:プール」&「5日目:観覧車」になり、好感度が低い場合は「4日目:バレーボール」&「5日目:お化け屋敷」になります。また、好感度が高い場合は、4日目の撮影後に「名前で呼んでもいい?」とめごちーに尋ねられるくだりが発生します。

第二に、めごちーの好感度によって最終日の会話内容にも変化が生じるようです。最終日のエンディングパターン自体を左右するのは後述する「写真の評価」ですが、好感度の高低によって選択肢場面が追加されたり、めごちーの反応が変化したりすることがあります。

続いて、写真撮影パートと深く関わる写真の評価について。先ほども述べた通り、オフショット/めごちー度/下手クソ度のうち、どの評価(星の数)を一番多く獲得したかによって、5日目と6日目と最終日に分岐が発生します。エンディング分岐に直結するという点で、写真評価は好感度の高低よりもクリティカルな決定要因だと言えます。

まず5日目は、遊園地で写真を撮った帰りにめごちーの父親と面会するくだりが差し挟まれます。ここでめごちーパパは主人公に「娘をよろしく」と告げるわけですが、それまでに獲得した写真評価によってめごちーパパの話の内容が変化します。婉曲的ではあるものの「撮った写真の内容次第でストーリーが分岐する理由」が語られる、かなり重要なシーンだと言えます。

6日目はめごちーが私服を見せてくれる日ですが、それまでに得た写真評価によって彼女が着る服のスタイルは大きく変化します。たとえば、めごちー度の評価が高ければ一見して「めごちーっぽい」服になるし、オフショット度が高ければ「めごちーのイメージとは違っていてなんだか新鮮」と感じる服装になる……といった具合です。

また、最終日の分岐を決定するのも写真の評価です。オフショットを好んで撮ったか、めごちー度の高い写真を一番よく撮ったか、それとも下手クソな写真ばかりを撮ってしまったか。7日間の写真撮影パートでの取り組みによって、最終日の展開と続くエンディングの種類が決定されます。

『#こっち向いて_めごちーv』の魅力

#こっち向いて_めごちーv スクショ 2日目 撮った写真には36通りのフィルターをかけられる

#こっち向いて_めごちーv

『#こっち向いて_めごちーv』を遊ぼうと思ったきっかけは、以前プレイしてハマった同制作者様によるアドベンチャーゲーム、『僕を殺す瞳』でした。ミステリアスな少女と生活しつつまだ見ぬ色彩を求めてカラーパレットを埋めていく……もともと綺麗な色彩の組合せに心惹かれるタイプなので、同ゲームのカラーパレット集めは宝探しのように楽しく、また美麗なドット絵に魅せられたことをよく覚えています。

※上記の作品もノベルゲームコレクションでプレイ可能です。過去にネタバレ込みの感想&攻略記事を書きました。

≪関連記事:『僕を殺す瞳』 鮮やかな色彩とほのぼの同居生活を楽しむADV 感想 攻略 ※ネタバレ注意

今作の『#こっち向いて_めごちーv』もまた、美しいドット絵が非常に魅力的な作品だと思います。しかも、写真パートに入るとそのドット絵がぬるぬると動くんですよね。静止画の時点でもグンバツに可愛いのに、「動いてる、レンズの向こうでめごちーが動いてる」と相当な衝撃を受けました。

写真パート用のアニメーションを整えるだけでも相当に時間と労力がかかったのではないでしょうか。『僕を~』でも同じことを思いましたが、制作者様の細部の作り込みとこだわりには感嘆するばかりです。本当に素晴らしいです。

また、めごちーの可愛さが何より魅力的なゲームだなーとも感じました。めごちー超可愛いです。赤毛ツインテールなビジュアルが生意気&自信家なキャラクターとマッチしていてソーグッド。基本のキャラデザも可愛いですが、私服姿もグレートにキュートだなーと思います。『僕を~』でファッションと色彩の組合せを楽しんだプレイヤーとしては、めごちーの私服を拝める(それも3パターンも)ことに歓喜しました。

個人的には、めごちーバージョンの私服(元気はつらつキュート系)と為越千夏バージョンの私服(大人っぽいキレイめカジュアル系)に明らかな違いがあることにグッときました。前者はアイドルめごちーのイメージに沿った服装で、ヘアスタイルもいつも通りのツインテ。後者はおそらく為越千夏個人が好きな系統の服で、ヘアスタイルも服装に合わせた落ち着いたロングヘア。どっちもこなれ感があって似合っていてサイコーに可愛いし、ストーリーの流れと照らし合わせたとき、めごちーがその私服を選んで着てきたことに納得しかない点が見事だと思います。

私はとりわけ為越千夏バージョンの私服が大好きです。「いつもと全然イメージ違う、髪型まで違う、でもめっちゃカワイイ~!」とドキドキしました。めごちーの素顔が覗けるオフショットルートならではのご褒美という感じです。

あと、精神的に病んでいる為越千夏ルートだと、「あれ? どうしたん?」と思ってしまう私服を着てくるのも芸コマだと思います。ガーリー系で可愛いのは可愛いし、お忍びスタイルだと分かってはいても、「ちょっと系統ズレてない? めごちーってそういうの着るんだ?」と初見では感じました(※個人の感想)。あとでオチを見て、あの私服に感じた違和感ってそういうことだったのか~と納得した記憶があります。

また、めごちーのキャラクターも好きです。表向きは「おほほほほっ」と笑っちゃうし「おばかっ!」とか言っちゃうし、「私なーんでもできるわよ!」と堂々アピールする系の自信家アイドル。実際勉強もできるし料理もできるしスポーツも得意なパーフェクトガールだったりします。その確かな実力を努力家としての一面が支えているらしい点も、好感の持てるポイントです。

オフショットルートで判明しますが、めごちーは過去のトラウマゆえにアイドルとしてのイメージを守ることに固執しています。つまり、生意気で自信に溢れたアイドルとしての姿はある意味仮面であり、その仮面を外して素の為越千夏を見せることをひどく恐れているわけです。このあたりの設定は写真評価によってストーリーが分岐することの理由にもなっていて、よく練られているし見せ方も上手いなーと感じました。

#こっち向いて_めごちーv スクショ 練習モードでトロフィーを獲得

#こっち向いて_めごちーv

最後に、『#こっち向いて_めごちーv』の目玉要素とも言える写真撮影パートについて。一言で言えば、「めっちゃ楽しい」に尽きます。ドットアニメーションを眺めて、好きなポイントで写真を撮れる。これって超スゴイことだと思います。そして、撮ったポイントごとにカテゴリ分けと巧拙が評価されるシステムもスゴイ。相当に調整を重ねたのではないかと感じました。

そもそも写真を撮るのが好きだし、写真の加工も好きなので、『#こっち向いて_めごちーv』の写真撮影パートは楽しい要素しかなかったです。練習モードはオール☆3が撮れるまでやり込んだし、加工も「この背景とシチュならこれ」とあれこれ考えて楽しみました。昨今はいつでもどこでもスマホで写真を撮って加工できるので、その世相をドット絵と組み合わせて積極的に採り入れている点が野心的でイイなーと思います。

もっとも、欲しい写真評価を得るためにタイミングを計ってシャッターを切るのは大変と言えば大変でした。アクション要素が絡むので、プレイヤーによっては難しいなーと感じる部分かもしれません。

ただ、練習モードでゴリゴリ練習できるし撮影直前にセーブも可能なので、全体的にストレスフリーな設計になっているとは思います。すべての写真で☆3評価を撮り続けなければいけないわけではなく、☆1評価が連続しても違うカテゴリの評価が混ざっても、最終的に狙っているカテゴリの評価(星の数)が多ければ良いわけだし。

あと、トロフィーの1つに「すべての写真で☆3を撮る」という条件のものがありますが、その条件を手軽に試行できる練習モードで達成してもOKな仕様がフレンドリーだなーと感じました。ストーリー中にすべての写真評価をカテゴリごとに☆3にするというのは、想像するだに(時間・労力・心理的に)困難な気がするので、そこの手間を思い切って省いた点は本当に英断だと思います。

3つのルート&エンディングの感想

#こっち向いて_めごちーv スクショ めごちー度の星が多い場合の私服 6日目

#こっち向いて_めごちーv

この項目では、最終日の3つのルートとそこから派生するエンディングについて感想を書きます。再三ですがネタバレが含まれるのでご注意ください。

最終日の分岐を決めるのは、上にも書いた通り1日目~6日目における写真評価です。オフショット/めごちー度/下手クソ度のうち、どの評価(星)が多いかによって最終日の展開が変化します。※便宜上、各ルートをオフショットルート/めごちールート/下手クソルートと呼称します。

オフショットルートとED1「#こっち向いた_めごちー」

最終日までにオフショット評価をたくさん獲得すると、オフショットルートとED1に分岐します。オフショット評価は、アイドルめごちーらしからぬ気の緩んだ表情を激写するとゲットしやすいです。

また、ED1はめごちーの好感度の高低によってさらにED1【A】とED1【B】に分岐します。より正確に言えば、好感度が高い場合は選択肢次第で【A】と【B】に分岐し、好感度が低い場合は問答無用で【B】に突入します。【A】はトゥルーっぽい内容であり、【B】はザ・バッドエンドな内容です。

オフショットルートとED1の内容を簡単に言い表すなら、「めごちーの素顔と過去の開示によって導かれるロジカルでハートウォーミングなトゥルーエンド」でしょうか。もっと簡潔にまとめるなら、「為越千夏ルート」。真面目な話、きれいな展開だなーと初見で感動しました。「遊園地帰りの父親の匂わせ→普段のイメージと異なる私服」という前フリが丁寧かつ十分なこともあって、「だからああなってこうなるのか~!」と納得しかなかったです。

そもそも、「アイドルめごちーの学校生活の模様をファンに伝える」という企画の趣旨を思えば、めごちーの気の抜けた表情や仕草ばかりを狙って撮るのはNGと言ってもいい行為です。めごちーは「生意気で自信たっぷりな女の子」として売り出しているアイドル。オフショット評価の写真は、そんな彼女のアイドルとしてのイメージを崩しかねないからです。

実際、めごちーは主人公がオフショット的な写真を撮ると怒ります。それは単純に企画の趣旨にそぐわないためでもあり、同時に、彼女自身がアイドルめごちーのイメージから外れることをひどく恐れているせいでもありました。

5日目にマネージャーの父親が明かしてくれますが、昔から芸能活動に励んできた千夏は、素の自分を見せた際に「イメージと違う」と激昂した過激なファンに襲撃されたことがあります。不幸と言うほかない事件です。きっと素顔の彼女を許容してくれるファンも数多くいたことでしょうが、偶像としてのめごちーを盲信する極端な人間に攻撃されたせいで、千夏は素の自分を見せることを極度に恐れるようになります。

オフショットルートでは、そんな千夏の危惧が現実のものとなります。主人公がアップした6日間の写真、すなわち素の為越千夏を捉えた「アイドルめごちーらしくない」オフショットを見た過激なファンが、激怒して再び千夏を襲いに来るのです。

この点、後述するめごちールートとオフショットルートは内容的に表裏一体のエンディングなのかもしれません。めごちールートは、アイドルめごちーらしい一枚を撮り続けて、プロ意識の高い彼女からカメラマンとしての信頼を勝ち得るルートです。一方オフショットルートは、アイドルめごちーらしくない写真を撮り続けてめごちーに怒られるものの、実は為越千夏個人からの好感がバリバリに高まるルートなんですよね。

この2つのルートを過激なファンの目線から眺めると、めごちールートについては「ザ・めごちーな写真をたくさん見られてハッピー!」となり、オフショットルートについては「こんなの自分が知ってるめごちーじゃない!」という反応になります。だからオフショットルートでは「裏切られた」ファンが暴走するわけで、実にロジカルな展開だなーと思いました。

めごちーが暴漢と化したファンに襲われる場面から、展開は2通りに分かれます。好感度が低い場合は問答無用で、好感度が高い場合は選択肢次第で、バッドエンドともいえるED1【B】に分岐します。このエンドでは、なんと主人公が襲われているめごちーを撮影し始めます。エンドロール後に現れるめごちーの目が塗りつぶされるなど、闇が深いとしか言いようのないエンドです。

ちなみに、好感度が低い場合はめごちーが襲われた際に即座に撮影に入る鬼畜主人公が爆誕します。めごちーの好感度が低いということは、主人公はもともと企画に乗り気ではなく、めごちー自身にも興味が薄かったのでしょう。そこから6日間も振り回され暴言を吐かれて辟易とし、最終日に至って「ざまを見ろ」的な感情を抱いたのかもしれません。

また、めごちーの好感度が高い場合は、主人公の頭が真っ白になって3つの選択肢が出現します。このうち、「カメラを構える」を選ぶと上と同じくED1【B】になります。パニックに陥った結果、好きな女の子が襲われているシーンを撮影しようとするなかなかサイコな主人公が誕生。ED1【B】は完全なるバッドエンドですが、泣きながら助けを求める可哀想なめごちーには(我ながら酷いですが)ちょっぴりドキドキしました。

続いて、トゥルーエンドとも言えるED1【A】について。好感度が高い場合に発生する選択肢のうち、「殴りかかる」or「その人はめごちーじゃないと叫ぶ」のどちらかを選びましょう。暴漢撃退後に、微笑むめごちーに「写真を撮ってほしい」とお願いされます。

ちなみに、どちらの選択肢を選んだかによってその後の千夏の反応が変化します。殴りかかった場合、千夏は吹っ切れるものの言動はアイドルめごちー寄りのままエンディングを迎えます。一方「その人はめごちーじゃない」と叫んだ場合、めごちーは主人公が為越千夏個人と向き合ってくれたことに気づいて迷いが消え、素の彼女っぽい柔らかい言動になります。

どちらにしても千夏は「アイドルめごちーであらねば」という呪縛からは解き放たれますが、個人的には主人公の思いがちゃんと通じたっぽい後者の分岐の方が好きです。前者は「大切な人ってことかしら」に主人公がすぐさま頷けなかったのがちょっと残念でした。

この「ED1【A】#こっち向いた_めごちー」は、エンドの格付け的にも内容的にもトゥルーエンドの風格を持っています。「めごちーらしさ」から外れてはならないと強迫観念に駆られていためごちーが、為越千夏としての素顔を肯定してくれた主人公に心身ともに救われて、最後に柔らかい笑みを見せる……とてもドラマチックできれいな流れです。

主人公が為越千夏個人と向き合うことができたから、恋愛的にも一番実り多そうなエンドだなーと感じました。ラストの一枚絵のめごちーもちゃんとこっちを向いて笑ってくれていて、主人公も千夏もよかったね~と温かい気持ちになった覚えがあります。

めごちールートとED2「#こっち向いて_めごちーv」

最終日までにめごちー度の星を一番多く獲得すると、めごちールート&ED1に分岐します。めごちーの好感度は関係なし。先ほども書いた通り、「自信家で生意気なアイドルめごちー」のイメージに沿った写真を撮ると、めごちー評価を貰うことができます。

企画最終日に臨んで何かを隠している様子のめごちー。彼女はカメラマンとして尽力してくれた主人公にお礼のプレゼントを用意していました。照れ隠しによそを向いてプレゼントを差し出すツンデレめごちーを目にした主人公は、こっそりとスマホを構えて彼女の写真を撮るのでした。

ED2に通じるめごちールートは、ED1と比べると内容的には次善のエンドかもしれません。めごちーは最初から最後までアイドルとしてのキャラを崩すことなく、主人公は為越千夏の素顔を見ることが無いので。ただ、ED2にはゲームタイトル通りのタイトル(“#こっち向いて_めごちーv”)が冠されているんですよね。

写真企画をアイドルの仕事ととらえて真剣に励んだめごちーに対し、主人公もまたカメラマンとして真摯に依頼内容と向き合った。最終的に主人公はめごちーの要望通りの良い仕事をしたし、めごちーは主人公の成果と力量を(ツンデレポーズをしつつも)認めて苦労をねぎらってくれた。いわば「アイドルとカメラマンとして互いをリスペクトできた結末」であるわけで、ED2もまた十分に良い内容のエンディングだと私は思います。

最後の写真撮影パートが、「こっち向いて、めごちー」というエンドタイトルを反映したかのような内容であることもイイですね。照れてそっぽを向いているけれど、カメラに気づいて主人公の方をパッと見る。その瞬間にシャッターを切るとめごちー評価の高い写真が撮れる……という。

あとこのED2、好感度の高低や写真の評価の高低によってめごちーのセリフが変化する点も見逃せないポイントです。たとえば同じ下手クソ写真でも、好感度が高いと「主人公がちゃんとした写真撮れるヤツってことは…私がわかってるから!」とツンデレのデレが強く出たコメントになり、好感度が低いと「いつもみたいに、ちゃんと撮ってみなさいよ、私の求める写真を」からの「…お馬鹿さん!」というやっぱりデレ成分豊富なコメントが貰えます。

個人的には、好感度低いバージョンの台詞がけっこう好きです。特に「いつもみたいに」でテンションが上がりました。「アイドルめごちーにカメラマンとしての力量をめっちゃ信頼されてる……!」と。真面目に仕事に取り組んだ主人公に対して好反応を示してくれる点で、めごちーの仕事に対する熱意やプライド、真面目な姿勢がうかがえるのもいいですね。

また、笑いこそしないものの頬を染めてこちらを見てくれる(=「こっち向いて」の指示に応えてくれる)ラストの一枚絵にもキュンとしました。ED2はアイドル&カメラマンの関係性にフィーチャーした結末ですが、今後2人の仲はもっと深まっていくかも……というほのかな期待が持てる点も好きなポイントです。「好評により写真企画第2弾!」みたいな展開になってほしいと切に思います。

下手クソルートとED3「#どこ向いてるの_めごちー」

最終日までに下手クソ評価の写真をたくさん撮ると、下手クソルート&ED3に分岐します。めごちーの好感度は関係なし。めごちーが目を閉じたタイミングでシャッターを切ると、下手クソ評価をゲットしやすくなります。

ED3は、ED1やED2と基本設定そのものが異なっています。というのも、ED3のめごちーは新進気鋭のアイドルめごちーではなく、「自分をアイドルめごちーだと思い込んでいる一般人の為越千夏」だからです。他のエンドではマネージャーである父親も、このエンドでは「精神を病んだ娘を案じて主人公たちに協力を依頼している」という設定。主人公は千夏の事情を知った上で、アイドルに成りきる彼女の写真を今後も撮り続ける……という若干バッドエンドっぽい展開になっています。

ED3は根幹の設定を揺らがせることによってちょっと不気味でサイコな展開を実現する、ADVらしいエンドだと思います。「#どこ向いてるの_めごちー」という主人公の心許ないようなやるせないような心情が表れたエンドタイトルも好きです。

とはいえ、初見ではかなり唐突だなーと感じたエンドでもありました。一応一週間は実際に学校に出かけて写真を撮っていて、学校側も千夏の治療のためだからと黙認していた……ということになるのでしょうか。このED3に関しては、遊園地イベよりも前から分岐させて伏線を入れるなりしてもよかったんじゃないかなーと思います。あと、主人公&部長&父親の契約内容をもうちょっと詳しく知りたかったですね。

*****

『#こっち向いて_めごちーv』、写真撮影パートもストーリーも面白い凝った内容のゲームでした。制作者様が造形する女の子のデザインやビジュアルも、それを表現する繊細で美しいドット絵も大好きです。

「ドット絵(ピクセルアート)が魅力的な作品」について、いくつか感想記事を書いています。

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