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『孤島の人魚』 無人島からの脱出を目指す採集&調理ADV 感想&攻略 ※ネタバレ注意

2022/10/30
ADV(アドベンチャーゲーム) 0
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人魚に救われた少年が無人島からの脱出を目指すサバイバルアドベンチャーゲーム、『孤島の人魚』の感想&攻略記事です。料理の考察やネタバレが含まれます。制作者は幾山アカリ様。作品のダウンロードページ(ふりーむ!)はこちらです。 → 孤島の人魚

孤島の人魚 スクショ タイトル画面

孤島の人魚

『孤島の人魚』は、食材を採取・調理し無人島からの脱出を目指すサバイバルADVです。難易度は「ふつう。」と「きびしい。」の2通り。ゲームクリアまでの所要時間は15分ほど。エンディングは4通りあるそうですが、私は3つ(+GAMEOVER)しか見つけられませんでした。

同じ制作者様の『忌み子の森の白雪姫』が面白かったので、こちらの『孤島の人魚』も遊ばせていただきました。一言で感想を述べるなら、「採取&調理の繰り返しが超たのしー!」です。最初は「ふつう。」モードでけっこう難しいな~と思っていたのに、いつの間にか「きびしい。」モードでがめおべらを連発しつつ喜々として遊んでいる不思議。

また、短編ながら本筋のストーリーもとても良かったです。人魚のキャラ造形や、目標である「孤島からの脱出」に2つの意味を持たせている点が印象に残りました。リソース管理サバイバルゲーとしての面白さと人魚への対応によってストーリーが変化するADVとしての面白さ、その2つをしっかりと両立させているゲームだと思います。

以下は、『孤島の人魚』のストーリーやエンディングに関する感想です。攻略情報も書いています。ネタバレを含むので、未見の方はご注意ください。

『孤島の人魚』のあらすじ

『孤島の人魚』のあらすじを書きます。

孤島の人魚 スクショ 海で遭難した主人公は人魚に救われ孤島に流れ着く

孤島の人魚

嵐によって難破した船から海へと投げ出された主人公は、浜辺で目を覚まします。彼の目の前にいたのは、二本の脚の代わりに魚の尾ひれを持つ女性――人魚でした。荒れ狂う海の中、主人公は人魚によって救われ無人島へと運ばれたのです。

人魚はこの島の向かいに人間の村があると告げ、イカダでも作って脱出すれば、とだけ言い置いて海へと消えてしまいます。ひとまず島の洞穴に拠点を作り、イカダ作りに必要な流木を集め始める主人公の前に、何度も顔を出す人魚。「(主人公を助けたのは)主人公のためではない」と彼女はそっけなく言います。

謎めいた人魚が秘める思惑とは。主人公は無事に孤島から脱出できるのか。そして、主人公と人魚の関係の行く末は……といったあたりが『孤島の人魚』の見どころです。

『孤島の人魚』の攻略方法

『孤島の人魚』におけるゴールは、脱出手段である「イカダ」を作製すること。そしてその目標を達成するには、「流木」を20本集める必要があります。

ただし、初日に手に入るロープとは異なり、流木は1日に1~3個程度しか浜辺に流れ着きません。そのため、20日弱は無人島で食材を採集・調理して生き抜かねばならないわけです。この採集&調理パートこそ、『孤島の人魚』における「リソース管理サバイバルゲーム」に相当する部分だと言えます。

3つのパラメータについて

最初に、主人公のパラメータについて説明します。主人公には「体力」・「体調」・「気力」の3つのパラメータが設定されています。このパラメータのうち、どれか1つでもゼロになるとゲームオーバーです。

「体力」は、歩くだけでどんどん減っていきますが、そのぶん何を食べても回復しやすいパラメータです。炭水化物(イモ)やタンパク質(肉や魚)が主体となる料理を食べると大きく回復します。オススメはイモ系料理。特に「こふきイモ」はマストです。

「体調」は、栄養が偏るとどんどん減っていくパラメータです。体力や気力に比べれば減りにくいよな~と高をくくっていると、いつのまにか栄養不足の状態に陥り、一ケタから20代を延々行きつ戻りつする羽目になります。

体調が悪化した場合は、栄養満点の「シャキシャキサラダ」を食べて回復しましょう。何を食べてもろくろく回復しないのに、シャキシャキサラダを食べれば一発で大回復しその後も安定する。それが体調ゲージの不思議なところ。何度も周回する中で私が見出した真理の1つ、それが「シャキシャキサラダ is ゴッド」です。マルネギとレタスとゴボウが揃ったら、このお守りサラダを忘れず作っておくと安心です。

「気力」は、野菜の採取や動物の捕獲をすると減っていくパラメータです。採集を効率的にこなせるようになればなるほど、「気力」の減り具合も大きくなっていきます。気力パラを一言で表すなら、「採集をエンジョイするプレイヤーに対するトラップ」だと私は思います。「調子に乗って立て続けに採取していたら気力が一気に減ってゲームオーバー」という事態を何度となく経験した末の感想です。

気力を大きく回復してくれるのは、主に豪勢な料理や甘いフルーツ系料理、お菓子など。ただし、これらの料理は「多くの食材」or「入手困難な食材(砂糖・シーカウの乳など/※きびしい。モード前提)」を要することが多いです。

そこで、気力回復のためにまずオススメしたいのは、こまめにリンゴとブドウを摂取すること。樹になっているリンゴやブドウは調理しなくとも口にでき、その際気力が5回復します。果物は手に入りやすいので、しっかりとした料理を食べる合間にちまちまと食べていれば、気力の枯渇は起きにくい印象です。

果物の次にオススメしたい気力回復に有用な料理は、後述する「目玉焼き」と「白身焼き魚」です。どちらも塩に食材1つ(入手容易)を組み合わせることで調理でき、気力が20も回復します。非常にコスパが良いので、特にきびしい。モードでは頼りになる料理でした。

「採集」について

続いて、食材を集める「採集」パートについて説明します。前提として、採集は朝~夕方にかけて行います。スタート地点はセーブ地点である洞窟の前。歩くことで時間が経過し、日が暮れると強制的に採集は終了。翌日に移行し、主人公は洞窟の前へと戻されます(このワープを利用すると採集を効率的に行える。後述)。

ちなみに、「歩くと時間が経過する」ため、その場に立ち止まってさえいれば時間は経過しません(たぶんそのマスから動きさえしなければ、採取行動をとっても時間は経過しないものと思われます)。

続いて採集可能なものについて詳しく解説すると、まずは浜辺に流れ着く「ロープ」や「流木」。これは脱出に必要になる資材です。難破船から漂流した食材が流れ着くこともあり、「ワイン(赤)」や「ワイン(白)」(ボトル)、「砂糖」(タル)なども手に入ります。また、浜辺には「帆立貝」(ピンク色の二枚貝)もいます。

海の中に入ると、「白身魚」・「青身魚」・「赤身魚」が泳いでいます(魚影しか見えないため、採取するまで何色の魚か分からない仕様)。海中から突き出た岩がキラキラしている場合は、サバイバルライフの必需品である「塩」を採取可能です。

海から上がってマップの右へ進むと、動物や野菜、キノコ、果物などを採取できる草地が広がっています。ヘビはほとんど常に、ウサギは時々出没し、追いかけて捕獲すると「ヘビの肉」や「ウサギの肉」が手に入ります。また、草むらがキラキラしている場合は、「タマゴ」を複数個採取可能です。

キノコは「キノコ(茶)」と「キノコ(白)」の2種類存在します。野菜については、「マルネギ」(ぺんぺん草みたいな)や「レタス」(丸い)、「ゴボウ」(白い花)、「イモ」(黄色い花)などが手に入ります。果物については、果樹にキラキラがついている場合、「リンゴ」や「ブドウ」を採取可能です。先述した通り、果物は調理せずに口に入れることができます。

また、草地の右上に、まれに「シーカウ」(シカのようなウシのような動物)が出現することがあります(木の影に隠れて見えない場合もあるので注意)。シーカウを調べると、ロープで縛って乳を絞るか、その肉をいだたくかの選択肢が出ます(一方を選ぶともう一方の選択肢は選べません)。シーカウの乳はシチュー等の材料になり、シーカウの肉はステーキや焼き肉の材料になります(乳にしろ肉にしろ、パラメータが大回復する超豪勢な料理に化けます)。

「きびしい。」モードにおける入手困難な食材について

ところで、「きびしい。」モードで70日以上のんびりとプレイしたときに、「一番手に入りにくい食材ってなんだろう」と疑問に思って色々と試してみました(以下「きびしいモード」で統一)。

あくまで体感ですが、一番手に入りにくいと感じた食材は意外にも「赤身魚」でした。白身魚はよく出る&青身魚もちょこちょこ出る一方、赤身魚は20日くらい粘らないと出ないことさえあったんですよね。「珍しく魚影が2つ出たぞ!」という場合でも、やっぱりどちらも白身魚か青身魚で、赤身魚はさっぱり手に入らなかったり。

そもそも、きびしいモードにおいては1日に出現する魚影の数が少ないようです(たぶん)。たとえば10日間に渡って魚影の数を観察してみたとき、ゼロの日が5日、1つの日が4日、2つの日が1日だったことがありました。体感としても、きびしいモードで1日に出現する魚影の数は、0個:1個:2個=4.5:4.5:1くらいの割合かな~という印象です(一方、ふつうモードだと魚影はほとんど常に1~2個存在する)。

つまり、きびしいモードにおいては魚影自体が出現しにくくなるわけで、そこに赤身魚の低い出現率を掛け合わせれば、入手困難な状態にもなるだろうなーと感じます(ちなみに、魚の出現率の内訳は白身魚55%、青身魚30%、赤身魚15%くらいだと個人的には思います)。

赤身魚の次に手に入りにくい食材は、「ワイン(赤)」と「ワイン(白)」です。この2つにはっきりとした出現率の差は感じませんでした。どちらも等しく出現率が低く設定されている印象です。そして、ワイン2種の次に入手困難なのは「砂糖」でした。ワイン2種と砂糖は回復量の大きい料理の食材として指定されていることが多いので、運よく入手できたら使いどころをよく考えた方がよさそうです。

「運次第で非常に手に入りにくくなる食材」(※きびしいモード)という印象に落ち着いたのは、「ウサギ」と「マルネギ」です。この2つの食材は、①回復量の大きい料理の材料であることが多い、②同系統の食材と比べて出現率が低めに設定されている、③基本的に草地に分け入らないと入手できないという3点において共通しています。そして、2点目と3点目の特徴によって、「運次第で非常に手に入りにくい」という印象が強調されています。

2点目については、上に述べた「赤身魚が手に入りにくい理由」と考え方は同じです。きびしいモードでは食材の出現数が絞られるため、デフォルトで出現率の低い食材はさらに出現しにくくなる……という。ウサギはヘビよりも、マルネギはイモ等よりも出現率が低いため、きびしいモードではその姿を見ない日が数日続くこともあり得る、という話です。

3点目の「草地に入らないとゲットできない」については、実際にプレイしないと入手困難の理由として実感しにくいポイントだと思います。まず、きびしいモードでは日が暮れるのが早いため、採集時間がふつうモードよりも短くなっています。しかし、塩必須ゆえに「海辺→草地」の順で採集を行うと、「草地に入る頃には夕方になっている」という事態がままあるんですよね。だから、ウサギやマルネギに行き着くまでに採集終了ーッ!となることも少なくないわけです。特にきびしいモードでは赤蛇を避けつつ行動する必要があるため、タイムアウトの可能性も高まります。

実際のプレイ時の思い出として、一度マルネギを取り逃がした日から再出現までに5日ほどかかってしまい、その間「シャキシャキサラダ」を作りたくとも作れず、栄養失調で半死半生の状態を強いられたことがありました(タマゴも出にくい周回だったのでまさに地獄)。頻繁に必要になるのに、毎日出現するとは限らず、しかも一度に1個しか手に入らない。それがマルネギ&ウサギです。この2つの食材に関しては、たとえ採集ルーティンを乱してでも真っ先に確保しに行くことが必要な場面もあるのかな~と思います。

「きびしい。」モードを前提に採集の効率化を考える

「赤蛇出没/食材入手困難/採集時間短縮」などが特徴のきびしいモードを、人魚のヘルプなし*で数回クリアしました。最初こそ苦戦したものの、何度かプレイしているとノーセーブでクリアまでこぎつけられるようになりました。色々と検証もできたので、この項目では採集のすゝめを書こうかと思います。

*「人魚のヘルプなし」とは、「好感度を上げる選択肢を選ばず、料理を2回とも受け取らない」ことを指します。ストーリーの流れで受け取るほかない食材を除き、「パラメータ回復」や「流木増加」等の恩恵にはあずからないようにしました。

『孤島の人魚』における効率的な採集とはなんぞやと考えたとき、私が思い浮かべる条件は2つです。1つは「無駄に時間を経過させない」こと。もう1つは、「パラメータゼロor赤蛇襲撃によるゲームオーバーの可能性を極限まで減らす」こと。そして、この2つの条件を満たすには、「朝昼夕の決まった時間に決まったことを行い、採集ルートを固定して島をめぐること」が最適解だろうという結論に落ち着きました。

具体的に書いていきます。朝目覚めたら、まずは洞窟に向かってセーブ(人魚イベントで浜辺スタートの場合も、ちゃんと洞窟に戻ってセーブすること)。面倒臭いですが非常に大事なことです。人間誰しもうっかりミスはあるもので、パラメータゼロによる死亡を100%避けることは難しい。しかし、毎朝セーブさえしていれば、一度のゲームオーバーで数日分の成果がパーになる事態は避けられます。うっかりがめおべらの多いこのゲームにおいては、こうしたひと手間を惜しまないことがプレイの安定&効率化にとって重要です(最初のうちはデータを分けるとさらに安心)。

セーブを終えたら、今後はたき火に向かって調理スタート。料理を作ったら、その場で食事をしてパラメータを上限近くまで回復させます。朝のタイミングで調理と食事をする理由も、やはり上に挙げた2条件と密接な関わりがあります。

というのも、先ほども述べたように、時間の経過は主人公の移動マス数の増加に依存します。つまり、効率よく採集を行うには「むやみやたらに歩き回らないこと」が何よりも肝要。その条件のもと最適なルートを導き出すと、洞窟からスタートして海辺→草地の順で行い、草地(マップの右奥)で日没を迎える(そして翌朝強制的に洞窟の前に戻される)……という動きが理想だと言えます(「海辺→草地」の順序になる理由は後で述べます)。

さて、上のように「むやみやたらと歩き回らないための採集ルート」を定めると、御法度となる行為も自然と見えてきます。それは、料理を作るために採集の途中で洞窟前に戻ること。この行動がアウトな理由は単純で、「その往復距離(=時間)を使って採集できただろう食材を逃してしまうから」です。

もちろん、朝の時点でろくな食事を作れずパラメータがカツカツで、採れた食材をすぐに調理して食べなければいけない場合もあるでしょう。ただ、その緊急避難的な行動が恒常化すると結局どんどんじり貧になっていくだけです。採集途中の洞窟へのリターンは非常時に限り、安定した採集ルートを貫徹できるよう早めにリカバーをはかるなり、最悪データをさかのぼって是正するなりした方がいいと個人的には思います。

また、きびしいモードにおいては主人公を攻撃する赤蛇が常に徘徊しています。採集後半で草地に入るわけですが、この草地こそ赤蛇の縄張り。執拗に主人公を追いかけてくる赤蛇をかわしながらの採集は意外に難しいため、近づきすぎて攻撃されたり無駄に歩いて消耗したりといった事故が起こりやすい印象です。だからこそ、朝に食事をとってパラメータを回復しておき、「追いかけっこの途中でメニューを開いて急いで回復する」状況をできるだけなくしたいところです。

というわけで、採集の効率化にあたっては、「朝にセーブ・調理・食事→昼に採集→夕方に草地で採集終了しワープ」という流れを乱れなくこなすことが大事だと思います。少なくとも途中でガス欠になって洞窟に戻ることがないよう、その日の採集で失われる体力等をまかなえるだけの料理を朝に作っておくことが理想です。

ところで、「採集は洞窟からスタートして海辺→草地の順が理想」と書きましたが、これは必須食材である「塩」を必ず入手するためです。リアルと同じく、『孤島の人魚』において塩は最も需要の高い食材です。塩さえあれば安定して食いつないでいけますが、逆に言えば塩が無いとまともな料理を作れません。よって、採集の準備が整ったらまずは海辺に向かい、キラキラしている岩から塩を採取する……これが採集においては何より重要なことです。

海辺で塩(あれば帆立貝)を採った後、余裕と魚影があれば魚を捕獲しましょう。魚の優先度がやや低いのは、無為に追いかけて歩数(=時間)を消費することがあってはならないからです。魚はヘビやウサギとは比べものにならないくらいに動きが早く、いたずらに追いかけると歩数を消費してしまいます。魚を捕獲する場合は、海中に入ってじっと動かず、エンターキーを連打して魚が正面に来るのを待ちましょう。

海辺での採取が終わったら草地へ移動します。草地に存在を確認したら絶対に獲りに行きたいのは、タマゴ(草むらにキラキラ)です。栄養価の高いタマゴは、毎日出現する食材ではない&一度の採取で3個ほど採れるので、見つけたら必ず採取しましょう。

タマゴに次いで優先したいのは、上でも述べたマルネギとウサギです(ウサギは動きが比較的早く不規則なので注意)。この2つを確保するついでに採りたいのは、汎用性が高いイモ(黄色い花)です。ただし、イモは出現率が高めなのでそこまで血眼になる必要はないかなーと思います。

最後に、草地に来た時点で余裕があれば採りたいのはリンゴとブドウ(果樹にキラキラ)です。果物は調理ナシで食べられる上に気力回復に有用な食材であり、体力や体調も多少回復してくれます。本気で危ないときの生命線にもなる食材なので、こまめに採取しておきたいところです。

回復量の多い料理ランキングベスト20とオススメ料理考察

孤島の人魚 スクショ 攻略 食材を集めて回復量の多い料理を作る

孤島の人魚

きびしいモードで遊んでいるときに、メニュー欄に記載されているすべての料理(38種類)を調理してみました(78日くらい粘ってプレイしました)。その際、全料理について体力・体調・気力の回復量を調べたので、せっかくだからランキング形式で20位まで書き出そうかと思います。

以下は、個人的な感想メモも交えた「総回復量の多い料理ランキングベスト20」です。「総回復量」は、その料理を食べたときに回復する体力・体調・気力の数値の合計を指します。とはいえ料理によって「体力回復に特化」など個性があるため、【体力4位/体調5位/気力8位】みたいな感じで、「各パラの回復量が全体で何位なのか」という情報も付記しました。

※自分用の攻略メモをそのまま載せた感じなので、コメント内容は正味ざっくばらんです。主観まみれでけっこう好き勝手なことを書いていますが、真剣に楽しみつつ攻略に取り組んだ結果なので、大目に見ていただけるとありがたいです。

1位 総回復量194P「海の幸シチュー」(マルネギ/塩/帆立貝/赤身魚/乳)【体力2位/体調1位/気力2位】

感想:総回復量堂々の1位は「海の幸シチュー」。体力回復量は2位の「焼き肉三昧」にやや劣り、気力回復量は46でタイ。しかし体調回復の点で12ポイント上回っての60回復。体調回復量は「山の幸シチュー」と並んでトップ。入手機会が限定されるシーカウの乳はもちろん、入手困難な赤身魚が必要なので、焼き肉三昧よりも作るのは難しいと思う。

2位 総回復量188P「焼き肉三昧」(ウサギ肉/トリの肉/ヘビ肉/シーカウの肉/塩)【体力1位/体調3位/気力3位】

感想:体力回復は94で全料理中トップの「焼き肉三昧」。体力がマジでガッツリ回復して気持ちいいから、2種のシチューよりも個人的には好き。入手手段が限られるシーカウの肉を除けば、その他の材料は入手困難ではない点も魅力的。

3位 総回復量168P「山の幸シチュー」(マルネギ/イモ/茶キノコ/ウサギ肉/乳)【体力3位/体調1位/気力8位】

感想:シーカウの乳で作れる大回復料理の1つ。体調回復量60は「海の幸シチュー」と並んでトップ。気力回復量と体力回復量は、どちらも海の幸シチューの数値から13ポイント減。その代わり、この「山の幸シチュー」の方が海の幸シチューよりも食材を揃えやすい。

4位 総回復量127P「親子マッシュポテト」(イモ/塩/トリの肉/タマゴ/赤ワイン)【体力4位/体調5位/気力8位】

感想:シーカウ系の食材を使わない「親子マッシュポテト」がまさかの全体4位にランクイン。体力回復量は58と全料理中4位でありながら、体調と気力の回復量も30を超える優等生。赤ワインが入手困難だが、その他の材料は比較的手に入りやすいのもグッド。赤ワインが手に入ったら迷わず親子マッシュポテトへ。

5位 総回復量119P「フルーツヨーグルト」(リンゴ/砂糖/乳)【体力11位/体調8位/気力1位】

感想:ザ・気力回復の王者。気力回復量58は全料理中トップであり、2位の「焼き肉三昧」と「海の幸シチュー」に12ポイントもの差を付ける。地味に体力と体調も30ポイント回復する。ただし、「フルーツヨーグルト」には入手困難な砂糖と入手機会が限定されるシーカウの乳が必要。海の幸or山の幸シチューが作れないけど砂糖はある、という状況ならフルーツヨーグルトを作ってもいいかな~というくらいの位置。

5位 総回復量119P「プリン」(乳/砂糖/タマゴ)【体力5位/体調5位/気力4位】

感想:「プリン」は体力・体調・気力の回復量がどれも40ポイント前後。栄養価が高くやる気も出るンまあ~いお菓子である。ただし、「フルーツヨーグルト」と同じく乳と砂糖が必要なのがネック。個人的には、材料がそろっているならプリンよりもフルーツヨーグルトの方を作るかな~という感じ。

7位 総回復量107P「海の幸の鍋」(白身魚/青身魚/帆立貝/塩)【体力5位/体調11位/気力4位】

感想:体力と気力が40ポイント前後回復する「海の幸の鍋」は、減りやすいステをカバーできるナイスな料理。海の幸系料理の中堅だが、先鋒の「海の幸炒め」(総回復量75P)と調理難易度はトントンという印象。というのも、鍋に必要な白身魚は3種の魚のうち最も出やすく、炒めに必要な白キノコと入手可能性は同程度だから。つまり、やや入手困難な青身魚さえ手に入れば鍋も炒めもちゃちゃっと作れる。というわけで、炒めを作れそうな状況ならちょっと頑張って海の幸の鍋を作りたいところ。

7位 総回復量107P「シーフードバーベキュー」(白身魚/青身魚/帆立貝/塩)【体力5位/体調11位/気力4位】

感想:実は、「シーフードバーベキュー」と「海の幸の鍋」は材料も個々の回復量も同じ。つまり、名前と調理方法が違うだけで、2つは実質同じ料理だったりする。1つ違いを探すと、シーフードバーベキューはメニューの下の方にあるから、下からさかのぼったときに選択しやすい点がグッド。

9位 総回復量106P「山の幸の鍋」(ヘビ肉/ウサギ肉/ゴボウ/塩)【体力5位/体調5位/気力10位】

感想:「海の幸の鍋」と比べると、「山の幸の鍋」の総回復量は1ポイントだけ低い。体力回復量は同じ44ポイントで、体調回復量は12多く、気力回復量が13低い(主人公はゴボウが嫌いなのかもしれない)。ただし必要食材を見ればわかる通り、山の幸の鍋は海の幸の鍋よりもかなり作りやすい。理由は簡単で、海幸鍋における青身魚が山幸鍋におけるウサギ肉だとして、青身魚に比べるとウサギ肉の方が手に入りやすいから。シーカウ系食材は手に入りにくいがウサギ肉なら手が届くという意味においても、山の幸の鍋は比較的カンタンに調理できて回復量も多い、実にチャーミングな料理だと言える。実際のプレイ時も山の幸の鍋には頻繁にお世話になった。

10位 総回復量87P「ジャーマンポテト」(イモ/塩/マルネギ/トリの肉)【体力5位/体調8位/気力27位】

感想:気力回復量13は上位料理の中では見劣りするものの、体力回復量は鍋2種や「シーフードバーベキュー」と並ぶ堂々の44ポイント。メインのトリ肉も手に入りやすくて好き。「ウサギ肉はないけどマルネギはある」という状況なら、迷わずこの「ジャーマンポテト」を作って体力を回復しよう。

11位 総回復量75P「海の幸炒め」(帆立貝/白キノコ/青身魚/塩)【体力11位/体調14位/気力10位】

感想:体力と気力を30程度回復可能。がしかし、「海の幸炒め」を作れる状況なら、もうちょい頑張って「海の幸の鍋」(総回復量106P)を作りたいところ。

12位 総回復量74P「シャキシャキサラダ」(レタス/マルネギ/ゴボウ)【体力24位/体調4位/気力28位】

感想:体調回復量、堂々の42ポイント。「シャキシャキサラダ」は体調回復に特化した神料理である。必要な食材がたったの3つ、しかもどれも入手自体はそれほど困難ではない点がグレート。唯一マルネギは使いどころが多くて確保しにくいのがネックだが、体調不良に悩んでいるなら迷わずシャキシャキサラダを作って優勝したい。

13位 総回復量70P「フルーツポンチ」(ブドウ/リンゴ/砂糖/白ワイン)【体力24位/体調18位/気力4位】

感想:気力回復量39ポイントは立派。ただし、必要食材の砂糖と白ワインが入手困難かつ使いどころが多いところが難点。同じく食材に指定されているブドウとリンゴをそのままパクパクした方が、気力回復においては案外コスパが良いかもしれない。ただし、白ワインの使いどころとしては最良の料理だと言える(競合相手のほっこり焼きや酒蒸しが微妙過ぎるから)。

14位 総回復量68P「山の幸炒め」(マルネギ/茶キノコ/トリの肉/塩)【体力11位/体調11位/気力27位】

感想:「海の幸の鍋」と「海の幸炒め」の関係性とは異なり、「山の幸の鍋」と「山の幸炒め」は食材のかぶりが塩のみ。たとえば「チキンソテー」や「トリの赤ワイン煮」を作るくらいなら、迷わず体力を31ポイント回復できる山の幸炒めを作るべきだとは思う。しかし、山の幸炒めを作れる状況なら、食材かぶりの多い「ジャーマンポテト」も選択肢として存在することを覚えておきたい。どうしてもイモがなくて今にも倒れそうな状況なら山の幸炒めでオッケー。しかしイモを採れる状況であれば、回復量の多いジャーマンポテトを作った方がたぶんベネ。

15位 総回復量64P「ホットミルク」(乳/砂糖)【体力26位/体調10位/気力20位】

感想:メニューの上から2番目に位置するわりに、入手機会が限定されるシーカウの乳がないと作れない料理。終盤に手に入るアイテムを持って最初のダンジョンに入り直したときにやっと手に入る宝箱みたいな存在。ただ、シーカウの乳に加えて入手困難な砂糖が必要だったりするので、「ホットミルク」を作れる状況なら、当然持っているはずのリンゴを足して回復量約2倍の「フルーツヨーグルト」(総回復量119P)を作った方が良いと思う。総評としては、ようやく開けることのできた宝箱の中身が、終盤のインフレに微妙についていけないレベルの装備品だった……的な哀愁を感じる料理。

16位 総回復量60P「シーカウのステーキ」(シーカウの肉/塩)【体力16位/体調16位/気力12位】

感想:「シーカウのステーキ」。ステキな響きだが、個人的にはガッカリ料理ランキング堂々の1位だった。貴重なシーカウの肉を消費するには、総回復量も個々の回復量もいかんせんしょぼすぎる。ホットミルクと同じ部類で、これを作るくらいならヘビ肉・ウサギ肉・トリ肉を揃えて焼き肉三昧を作った方がいいと思う。

17位 総回復量58P「魚のほっこり焼き」(白身魚/白ワイン/茶キノコ/塩)【体力14位/体調18位/気力12位】

感想:ザ・微妙な料理。何が微妙かって、入手困難な白ワインを費やすには個々の回復量が低い点。これを作るなら同じ食材数の他の料理を作りたいし、白ワインはフルーツポンチにとっておいた方がコスパがいいなと思ってしまう。

18位 総回復量58P「赤身魚の豪華ステーキ」(赤ワイン/赤身魚/砂糖/塩)【体力10位/体調18位/気力27位】

感想:「赤身魚の豪華ステーキ」。ステキな響きだが、シーカウのステーキに勝るとも劣らぬ残念な料理だった。体力回復量は33ポイントとそこそこだが、体感的に最も手に入りにくい赤身魚に加え、同じく入手困難な赤ワインと砂糖を使っているのに、総回復量58ポイントはガッカリにも程がある。しかも気力が13ポイントしか回復しない。これがガチで解せない。赤身魚(=マグロ)や赤ワイン、砂糖など無人島にあるまじき高級食材をふんだんに使っているのに、「目玉焼き(※気力20回復)の方が食べててやる気出る! おいし~い!」ってどういうことやねんマジで。このスペックなら気力50程度は回復するやろ常識的に考えて。主人公(少年)、赤身魚(マグロ)が苦手なのバレバレ(実際、赤身魚系の料理は白身・青身魚系の料理に比べて気力回復量が低い)。マグロ好きじゃないって今どきの子供やね~とは感じるものの、プレイヤーとしては正直、食材集めの大変さと釣り合っていないから釈然としない気持ちである。赤身魚を活かすなら、シーカウの乳の入手を待って「海の幸シチュー」にするか、あるいはランクを落として「赤身焼き魚」にして食べちゃった方がいいと思う。とにかく、赤ワインも赤身魚も砂糖も(失礼ながら)名前倒れのこの料理に費やすのはもったいない。

19位 総回復量52P「目玉焼き」(タマゴ/塩)【体力28位/体調15位/気力12位】

感想:「目玉焼き」は、タマゴと塩という比較的手に入りやすい食材2つで調理可能。回復量も15/17/20と安定しているからとてもコスパが良い。特にきびしいモードにおいて非常に頼りになる。

19位 総回復量52P「青身魚の酒蒸し」(青身魚/塩/白ワイン)【体力18位/体調18位/気力12位】

感想:ザ・微妙料理である「魚のほっこり焼き」の従弟みたいな存在。というのも、白ワイン(入手困難)と青身魚(やや入手困難)を使って作るのに、回復量がパッとしないから(体力と気力が20ポイント回復)。ほっこり焼きと同じ理屈で、白ワインは「フルーツポンチ」に、青身魚は「海の幸の鍋」か「シーフードバーベキュー」に取っておいた方が幸せになれる。

ちなみに、回復量21位は「ウサギの赤ワイン煮」で、回復量は51ポイントでした。また、ベスト20からは漏れるものの、「必要な食材数が少ない&手に入りやすい&(そのわりに)回復量が高い」と3拍子揃ったコスパグレートな料理も以下に挙げておきます。

  • 「ゆでタマゴ」:タマゴ1個で調理可能な上、回復量ALL15という美しい料理。「目玉焼き」(タマゴ+塩)との回復量の差は7ポイントと小さいから、塩に余裕がないならゆでタマゴへゴー。タマゴは毎日手に入る訳ではないが、一度に数個手に入るからそこまで入手困難ではない。洞窟横の草むらから採れることも加味すると、草地の奥まで行かねばならない野菜系よりも採りやすいこともある。
  • 「こふきイモ」:イモと塩があれば調理可能。総回復量39のうち体力回復量22という頼れる味方。イモのみで作れる体力回復量18のふかしイモも悪くないが、塩を加えるだけで総回復量が14も多くなるから、塩に余裕があるなら断然こふきイモを作りたいところ。
  • 「白身焼き魚」:白身魚と塩があれば調理可能。体力回復は15と食材相当だが、気力が20上がるのが見逃せないポイント。どうもこのゲームの主人公は赤身魚(マグロ)が苦手で、サンマとかタラは好きらしい。青身魚と違って白身魚は手に入りやすいから、気力不足が気になるなら白身焼き魚を作って食べてみるといいかも。

キャラクター感想――「孤独」からの脱出を目指した人魚

孤島の人魚 スクショ 人魚が主人公を孤島に運んだ理由とは

孤島の人魚

攻略についてはすでに語り尽くしたので、この項目では『孤島の人魚』のストーリー部分、言い換えれば人魚のキャラクターと彼女との交流の模様について感想を書きます。ネタバレ満載なので、未見の方はご注意ください。

人魚はこのゲームのキーパーソンです。そもそもこのゲームに登場するNPCは人魚のみ。ストーリーやエンディングの内容は人魚とのやりとり次第で決まるため、「『孤島の人魚』のストーリー=人魚との交流の模様」と言い換えても問題はないと思います。

人魚は嵐の海から主人公を救ってくれた存在です。ただし、彼女はキラキラとしたファンタジー世界の住人ではないし、善意100%の人というわけでもありません。むしろある思惑を抱いて主人公を海から掬い上げ、その後も交流を続けたことが作中で明かされます。

人魚の秘める思惑とは、「ひとりぼっちからの脱出」。実は人魚は海で生まれた魔物ではなく、人間の母から生まれ、その外見ゆえに激しい迫害を受けて海へと逃れた女性です。主人公に対する彼女のそっけない態度は、人間への嫌悪と恐れからくるものだったりします。

ただ、人間の村での生活を知る彼女は、終わることのない孤独に溺れ、寂しさに耐えかねて自身の運命を呪っていました。そんな彼女の前に現れたのが、海で溺れているまだ少年の主人公です。

主人公が嘘をついて襲ってくるような人間でないならば、人魚に偏見を持たず嫌わずにいてくれるような人間ならば、自分はまた誰かと一緒に生きていけるかもしれない。そんな期待を秘めて、人魚は主人公と交流を始めるわけです。

個人的に巧いなーと感じたのは、ハピエンを見てから再プレイすると、人魚のそっけない受け答えに彼女のパーソナリティーや思惑がきちんと見え隠れしている点です。たとえば、魚類扱いされるとムッとしたり、主人公が自分に興味を示してくれると喜んだり。

特に印象深いのは、「主人公を助けたのは主人公のためではなく自分のためだ」という旨の発言です。「あんたなんかのためじゃないんだからね!」的な照れ隠しにも思えるこの発言が、ゲームをクリアしてみると本当に文字通りの意味でしかないと分かる点が秀逸だと思いました。

そもそもゲーム冒頭で人魚は溺れた主人公を助けるものの、人間の村がある浜辺ではなく、わざわざ無人島の方に運んでいるんですよね。そこだけを見ても、人魚が100%の善意から主人公を助けたわけではない(=自分の都合で孤島に隔離し観察しようとした)ことは明らかなわけで、短いストーリーの中で的確に伏線を仕込んでいる作品だなーと感服します。

人魚に対する好感度ですが、私は最初から最後まで高いままでした。確かに、主人公を無人島に閉じ込めたり、意図的に人間の口には合わない料理を食べさせ体調を下げさせたり……といった点はなかなかひどいと思います。

ただ、大前提として彼女は溺れるところだった主人公を助けてくれた恩人です。まずい料理の次には苦労して美味しい料理を作って持ってきてくれるし、蛇に噛まれたときは介抱してくれるし、最終的には思惑を洗いざらい話して謝罪してくれます。途中の言行のおかげでトータルとしてヘイトが溜まらず、好き寄りの印象に落ち着くキャラクターだったと思います。

個人的には、「自分のために助けた」と率直に話してくれるところに誠実さを感じました。ウソが嫌いなキャラとして言行が一貫している点もいいですね。あと、「人魚」という見た目と名称に良い意味で似合わない利己心と人間臭さを見せてくれる(でも結局優しい)ところも好きです。完全なる善意から助けてくれるいかにもなファンタジーキャラも好きですが、『孤島の人魚』の人魚については、完璧な善人ではないがゆえにかえって愛着の深まるキャラクターだなーと思いました。

ストーリー分岐とエンディング感想

『孤島の人魚』には4通りのエンディングがあるそうです。ただ、私の目で確認できたのは3通り(+ゲームオーバー)のみなので、その3つのエンディングとそこに至るストーリーの分岐について書きます。ネタバレが含まれるので、エンディングを未見の方はご注意ください。

最初にエンディングを分類しておきます。確認したエンドは、人魚の同行を許容し一緒に脱出するエンディング(冒険ハッピーエンド)、人魚の申し出を断りひとりで脱出するエンディング(村定住エンド)、そもそも人魚から同行を打診されずひとりで脱出するエンディング(思い出エンド)の3種類です。

思い出エンドは、人魚の好感度が低かった場合のエンディングです。冒険ハッピーエンドと村定住エンドはどちらも「人魚の好感度:高」が到達条件であり、終盤に人魚の申し出を承諾すれば前者、断れば後者のエンドになります。ちなみに人魚の申し出を承諾した場合、その後の採集パートで海岸に流れ着く流木の数が増えることがあります(ゆえに早期のクリアが可能)。

次に、エンド分岐に関わるストーリーイベントについて。イベントでの主人公の受け答えによって人魚の好感度が上下し、その後のストーリーやエンディングが変化します。また、特定のイベントの終了時点で好感度が一定のラインを超えなかった場合、人魚は無人島から脱出する日まで出現しなくなります。以下にイベントのタイムラインをまとめました。

  1. 出会い(イカダでも作ってみれば)
  2. 様子見(白身魚のプレゼント)
  3. 料理の話題(青味魚のプレゼント)
  4. 人魚のお手製料理をもらう①(体調ダウン)
  5. 人魚のお手製料理をもらう②(体力体調アップ)
  6. 陸上の姿をお披露目(ブドウ、リンゴ、ヘビの肉のプレゼント)
  7. ヘビに噛まれ介抱される(パラメータ全回復)
  8. 人魚の告白【同行を承諾/拒否】

試した限りでは、イベント⑤まではどんなに好感度が低くてもイベントが発生するようです。では⑤を超えてイベント⑥が発生すれば好感度は十分かと言うとそういうわけでもなく、⑤と⑥の両方で選択肢を外した場合、イベント⑦が発生しないまま思い出エンドに行き着くこともありました。1つ1つの選択肢で着実に人魚の好感度を上げないとイベント⑧に行き着かないと考えられるので、その点はややシビアかもしれません。

初見プレイ時は、「まずい料理をもらったとき」の場面で反応に迷いました。この明らかに試されているシーンで、本音を言うべきか嘘を言うべきか……と。ここをなんとか直感でパスできたので、イベント①と⑥で選択を外した(たぶん好感度の上がる選択肢を選べなかった)ものの、そのままイベント⑧とハピエンに辿りつくことができました。

人魚の好感度を上げたいなら、基本的には人魚に興味を示す選択肢を選びましょう。差し出されたものは素直に食し、味に関してもウソをつかない(※おいしいかまずいかは主人公のパラの上下で分かる)ことが重要です。周回プレイヤーなら、人間の母を持ちその姿ゆえに迫害された彼女の孤独に寄り添うこともできるかと思います(つまり、彼女を魚類扱いするのはNGだし、陸上の姿よりも人魚の姿に好意を示した方が好感を得られる)。

もっとぶっちゃけた話をすると、おそらく選択肢の下の方を選び続ければ人魚の好感度は上がっていきます。つまり、もし「好感度:低」の思い出エンドを狙うなら、選択肢の上の方ばかりを選んでいけばOKです。この仕様、たぶん制作者様の優しさなんだろうなと思います(ただし、イベント⑧はこの法則の埒外であることに注意)。

3つのエンディングについて

エンディングの内容については、思い出エンドと村定住エンドがビターエンド、冒険エンドが表記通りのハッピーエンドという印象です。一応どのエンドでも主人公は無人島を脱出するので、後味の良しあしを決定するのはむしろ、当該エンドにおける人魚のその後の境遇なのかもしれません。

「人魚の好感度:低」で到達できる「思い出エンド」は、ほろ苦く切ない後味のエンドです。彼女の期待を裏切ったと言えなくもない主人公に、お詫びの意も込めた餞別を持たせてくれることも含め、「人魚は紛れもなく優しい人だ」と感じた結末でした。人魚だけではなく、主人公のその後も味わい深くてよかったです。人魚と通じ合うことなく脱出の日を迎えたのに、結局は彼女からの餞別を手放さず、思い出を胸に抱いて海を眺め続けた……という(制作者様の文章、淡々としているのに深みがあってとても好き)。

「村定住エンド」は、人魚からの好感度が高い状態で、同行を拒否した場合のエンディングです。主人公は選択肢以外で意思表示をしないので、人魚の申し出を断ったその心中は謎に包まれています。個人的には、「一緒に行けばいいじゃん……」とすごく感じました(自分で「ダメ」を選んでみたくせに)。

思い出エンドとは異なり、このエンドの主人公は人魚からの餞別の品を用い、かつて人魚を排除した村にすっかり馴染むことができました。主人公は人魚の境遇その他を知った上で突き放したのに、彼女の方は一時的にでも自分と交流してくれた主人公の幸福を心から願ってくれたんだな……と考えると、やはり人魚の優しさに胸が痛む結末でした。たぶんその後も波間から主人公の幸せを見守ったんだろう、というところまで想像できてしまうんですよね。人魚の孤独と愛情深さが非常に印象に残りました。

最後に、「冒険エンド」は文句なしのハピエンでした。人魚が終始子どものようにはしゃいでいて微笑ましかったです。孤独に溺れていた人魚が物理的に溺れていた主人公を救い、自身も彼に救われて、2人一緒に幸せになる。「っぱハッピーエンドはこうじゃないとな!」と大いに満足できる結末でした。

*****

一応、不満というか「こうだったらよかったのになー」と思ったことも書いておきます。まず、料理に関するフレーバーテキストがほしかったなーと思いました。アイテム欄で道具や食材にカーソルを合わせると説明が表示されますが、料理にはそれがないんですよね。料理にも主人公視点での説明を付記してくれれば、たとえ「好き。」とか「ふつう。」とかの一言感想であっても、キャラクターに思いを馳せられるし調理の意欲も高まるしでよかったんじゃないかなーと思いました。

あと、「料理を作るとメニュー欄にスタンプが付く」みたいな機能がほしかったな~とも思いました。「きびしい。」モード限定でもいいので、たとえばで料理をすべて作ったときに記念のメッセージが一言表示されるとか。シンプルな進行やテンポ重視なのはもちろん分かっていますが、あれだけズラリと料理が並んでいると「全部コンプしたい」という欲も湧くものなので、そういうプレイヤー向けのご褒美があれば嬉しかったなーと感じた次第です。

『孤島の人魚』、リソース管理ゲーとしてもADVとしても面白い作品でした。本筋で人魚とのやりとりを楽しむこともできるし、あえて人魚断ちをして延々採集&調理ゲーを楽しむこともできる、一度で二度美味しいゲームだと思います。あと、キャラクターの解釈や台詞回しに意外性や深みがあるのもいいですね(同じ理由から『忌み子の森の白雪姫』も面白かったです)。

「孤島が舞台」、「目的:脱出」、「孤独な2人の恋」といった共通項のある作品について、いくつか感想記事を書いています。

『かげろうは涼風にゆれて』 夏の孤島を舞台にしたSF青春ADV 感想&攻略 ※ネタバレ注意
『霧と太陽の王』 深い霧に包まれた城をめぐる探索ADV 感想 ※ネタバレ注意
『MinuteGlass(ミニットグラス)』 孤立した宇宙船からの生還を目指す探索ADV 感想&レビュー ※ネタバレ注意

ところで、本当に久々に記事を更新できました(嬉しい)。過去記事に拍手してくださった方、本当にありがとうございます。ほぼ半年未更新だったのでもう滅多なことは言いませんが、11月中に(確定で)1本フリーゲームの感想記事をアップする予定です。あと、ポケモンSVの発売前後に、レジェンズアルセウスの軽めの記事を挙げられるといいな~と思っています。今後もよろしくお願いします。

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かーめるん
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