『輸送艦ちぐさ殺人事件』 近未来SFサスペンスADV 感想 ※ネタバレ注意
密室と化した宇宙船が舞台のSFサスペンスADV、『輸送艦ちぐさ殺人事件』の感想&攻略記事です。制作者は神馬藻 了様。作品の紹介ページはこちらです。 → ゲームの紹介ページ(ふりーむ!)
輸送艦ちぐさ殺人事件
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本作の舞台は近未来の宇宙空間。戦時中に発生した不可思議な事件を描いた作品です。約3時間でクリアしました(後日談含め)。
選択場面あり、基本的には一本道。終盤に犯人当てフェイズがあるので、サスペンス&ミステリADVといった趣きでした。ややグロテスクな描写が含まれているので、苦手な方は心構えをした方がいいかもしれません。
「宇宙SF×ミステリ」な作品説明に惹かれてプレイさせていただきました。感想としては、とても面白かったです。つい夢中になって終盤まで一気に読んでしまいました。推理パートでは真剣に考え込みました。
SF、サスペンス、ミステリといった要素はもちろん、「戦時中の宇宙空間」という舞台設定がツボでした。また、事件の当事者となる主人公たちは複雑な背景を持つ少年少女です。そのためか、切迫した展開が続くのに、ストーリー全体はどこかみずみずしいジュブナイルな雰囲気で満たされていたように思います。
その他、事件の真相にも意表をつかれました。「そんなのってアリか」と思う一方で、「この物語にこれ以上ふさわしい真実もないだろう」と納得しました。
個人的に、『Almagest』(フリゲ、星間戦争SLG)、『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)、『オリエント急行殺人事件』(アガサ・クリスティ)がそれぞれ好きです(好きな理由はそれぞれ異なりますが)。そういう意味で、この作品には本当に的確にツボをつかれたなーと後になって気づきました。
それでは以下、作品内容やエンディング、キャラクターの詳細な感想を書いていきます。ネタバレ(犯人や事件の情報)を含むので、未見の方はご注意ください。
ゲームのあらすじ
輸送艦ちぐさ殺人事件
本作のあらすじを簡単に書きます。物語の舞台は、近未来の宇宙空間です。人類の宇宙への進出は、地球と外惑星系コロニーの間に長い戦争を引き起こすことになりました。
両陣営の軍拡競争が熾烈になる中、コロニー連合の誇る一人の科学者が2つの偉大な発明を為しました。1つは、「M型戦闘種族」と呼ばれる戦闘に特化した人造人間。もう1つは、宇宙初の人工頭脳船である「輸送艦ちぐさ」です。
戦争開始から50年後、主人公たち「M型戦闘種族」の少年少女6人は、地球への最初で最後の任務に旅立とうとしていました。命を賭して戦い抜くことに最大の価値を見出す彼らにとって、その旅は夢を叶えるための旅でもありました。
しかし航行途中、主人公たちを乗せた「ちぐさ」のメイン・ブレインは原因不明の故障に見舞われます。そして巨大な密室と化した宇宙船の中で、不可解な事故が次々にクルーの身を襲い始めたのです。
これは不幸な事故か? それとも悪意ある犯行か? はたして主人公たちの運命は? ……といったあたりがこの作品の見どころです。
ストーリー感想
本作は、終盤まではほぼノベルゲームと言ってもいいと思います。スリル、サスペンス、意外な真実。三拍子揃っていてかなり没頭してしまいました。
魅力①:テンポの良さ
本作に関して印象的だったのは、物語のテンポの良さです。最初の事件がわりと早いタイミングで発生し、それからポンポンと次の事件が起こります。最初の事件に関しては、こんなに早く退場させちゃっていいのかなと思うくらいでした(真相を知るとこの早い退場に意味があることもうまい)。
このテンポの良さは本作の長所だと個人的には思います。途中に巡検を挟む/回想を入れるなど緩急がつけられているので、ボリュームがあっても飽きずに読み進めることができました。クライマックス手前の戦闘シーンは、テンションの上がるBGMもあいまって盛り上がりました。
「魅力③:回想形式」の項でも触れますが、本編の切り方も絶妙だと思います。「もうこのキャラ以外に犯人候補がいないのでは?」とプレイヤーが思うだろうタイミングで、そのキャラがさくっと退場して本編が終了するんですよね。初見で「彼女」の目が真っ赤に染まってタイトル画面に戻ったときは背筋がぞわっとしました。
魅力②:「ヘールシャム」的精神と戦闘種族
このゲームのストーリーの縦軸(過去と未来をつなぐもの)は、輸送艦ちぐさで発生した謎の事件だと言えます。そして不可解な事件を縦軸と見たとき、横軸に相当するのは、戦闘種族と人間の士官との間で展開されるドラマではないか思います。
縦軸の視点から見ると、この作品はサスペンス&ミステリーです。一方横軸に注目すれば、本編を特殊な環境で育った若者たちの淡い恋や依存関係を描く青春ストーリーと見ることもできます。戦闘種族に対して様々な対応をする大人たち、とりわけ母親的存在である仁奈先生が、その物語に微妙な陰影を落とすのです。
ところで、『わたしを離さないで』が好きだと上で書きました。同作品は、閉鎖的な施設(通称“ヘールシャム”)で育った少年少女の特異な人生を描いたお話です。成哉たち戦闘種族の設定、および彼らと士官たちのやり取りを観ていると、『わたしを離さないで』を何度か思い出しました。
というのも、戦闘種族の心理や彼らを取り巻く環境はヘールシャムの子供たちのそれとどことなく似通っているような気がしたからです。具体的には、搾取されるために生まれた存在、隔離されて育てられた子供たち、仲間への依存的な思い、他者のために生きることにあまり葛藤を抱かない心理……といった部分ですね。
また、抑制的な語りとジュブナイルな空気感も同小説を好きな理由の1つです。このゲームにも同じような要素がある気がして、成哉視点で進むストーリーと開示されていく戦闘種族の情報に強く心を引かれました。
主人公の成哉は最終的に、「りいなと一緒に生きたい」という解にたどり着きます。戦いを至上とする戦闘種族の宿命を克服したわけです。その点は『わたしを離さないで』の最後とは大きく異なります。
しかし、「このゲームはこの結末だからいいのだ」と強く思いました。プレイヤーとしても「凄惨な事件を見過ぎてしまった」という感覚があったので、2人の価値観の転換には大いに納得できました。自分たちの宿命を決定づけた犯人と対峙した上で、2人が「戦闘種族は死を恐れない」という種族的なテーマを覆すラストは非常に熱かったです。
魅力③:回想形式
作品の紹介文を読むと分かりますが、本作の本編は作中における「過去の出来事」として扱われています。「かつて宇宙戦争があり、その末期に不可解な事件が起こった」……と、現代の人間が物語る形式になっているわけです。それも、残された記録を手がかりに、当時の状況をできる限り再現しながら。
プレイヤーはまず「20年前の出来事」としての本編を読むことになります。その後、現在に戻ってあらためて事件の情報や時代背景をおさらいし、過去の事件の真相を推理します。さながら安楽椅子探偵のように。つまりこのゲームでは、一種の回想形式が用いられていることになります。
個人的には、現在から確定した過去をなぞっていく回想形式はけっこう好きです。不可逆性が強調され、ストーリーにメリハリがつき、物語世界にほどよい奥行きと陰影が出るからでしょうか。
本編では、「マジか~ここからどうなる?」と固唾を飲んで見守っているクライマックスでバッサリとタイトルに戻されます。この場面転換にはびっくりしつつも「巧い構成だなあ」とうなりました。なにが巧いかと言えば、犯人探しという意味においても主人公の生存可能性という意味においても、絶妙に行き詰った局面でガラリと場面が切り替わることです。
私の場合、本編を読み進める中で主人公たちに感情移入し、彼らの混乱に引きずられてつい冷静な思考ができなくなっていたところがあります。しかし「あの事件は過去の出来事だ」と示されることで、ようやく心理的な距離をとって物事を考えることができました(制作者様の後書きの通り)。
そういう意味で、あの切り方はプレイヤーをクールダウンさせるものとして機能していた気がします。
ところで、20年後の世界でも世間の人々は主人公たち戦闘種族に主観的な評価を与えています。「過去→現在」という懸隔があるおかげでそういった悲しさも際立ってくる気がしました。時間は流れても世界は形を変えて、主人公たちにビターな現実を突きつけ続けるんだな……と。
もっとも、時の流れが強調されるからこそ主人公とりいなの生もまた際立ちます。彼らは種族に刷り込まれた価値観を捨て、真犯人に抗い、今も苦い現実を生き続けているわけです。単純なハッピーエンドではない終わり方ですが、プレイヤーとしては素直に「2人が助かってくれて本当によかった」と思いました。
キャラクター雑感
メインキャラクターは、戦闘種族6人+仕官4人+ロボット1人の11名です。どのキャラクターについても見せ場と配置が的確であり、個性的に描かれていると思いました。
「戦闘種族」と個性
ストーリーの核となる「戦闘種族」は、特殊なバックボーンを持つ人造人間です。戦闘を目的として開発された戦闘種族は高い身体能力を持ちますが、それ以上に特殊だと言えるのはその心理です。
大前提として、戦闘種族は戦闘に邪魔になる感情を削ぎ落とされています。つまり、他者への共感、他者に危害を加えることへの抵抗感、傷つくことへの恐怖といった感情をほぼ感じないように製造されているのです(個体差あり)。
かつ、彼らは戦う自分に価値を見出します。「戦闘のために生み出された存在だから、戦って命を散らすことこそ本望である」という価値観を共有し、そのことに大きな葛藤を抱かないわけです。
上手いと思ったのは、そういった戦闘種族固有の特性を前提に置きつつ、6人それぞれについて個性的なキャラ付けを実現している点です。
たとえばいかにも戦闘種族らしい好戦的な性格のキャラがいる一方で、戦闘技術が未熟でなかなか覚醒できないキャラもいる。また、戦闘種族らしからぬ情緒と繊細さを持つキャラがいる一方で、戦闘種族にしても行き過ぎなほどにマイナスの感情を感じないキャラがいる……といった風に。
加えて、6人を2-2-2でペアにして、2人1組でのカラーを付けている点も上手いと思います。
このペアは不安定になりがち、このペアは逆に不安定になりにくいといった製造上の違いだけでなく、ペア間の関係性や相性も三者三様。だからこそドラマが生まれます。けして漫然と配置されていないからこそ、主人公たち戦闘種族6人はその関係性を含めて印象深かったです。
影が薄いのは退場の早い「実里」くらいでしょうか。ただ、彼女も後で回想によってその思い出が語られます。真相を知ると、実里の早期退場は真犯人のエゴが最も強く作用した犯行だなーと個人的には感じました。「戦闘種族として強くなりたい」という一心で努力していた彼女のエピソードと併せると、真犯人の独善性が強調されることが巧妙だと思います。
士官たちとその姿勢
戦闘種族6人もそうですが、大人の士官たち(人間)の配置もよく考えられていました。たとえば、「仁奈先生」は誰よりも主人公たちを愛し、彼らの命に対する覚悟を持っている女性です。戦闘種族を作り出した人間の一員として、彼らを哀れむのではなくその生をまっとうさせようとしています。
面白いのは、狂気じみた真犯人の言い分を聞いていると、主人公たちがほぼ賛を持って受容する仁奈先生の主張が微妙にリフレインすることです。そもそも、主人公たちにとっての母親的存在であることは仁奈先生と真犯人に共通する要素です。
ゆえに仁奈先生の、「誰も、不幸にするために誰かを生み出すことなんてしたくない。あなたを作った人たちもそのために尽力したはずよ」という言葉はなんともアイロニカルに響きます。「戦闘種族を不幸にはすまい」と尽力した真犯人の動機を、見事に言い当てる発言に思えてくるからです。
ベクトルは違えど戦闘種族と距離をとっているのは、「長山」と「戸田」です。長山はそもそも周囲への関心が薄く、人間(戦闘種族込みで)もロボットも変わらないというラディカルな思想を持っています。
一方の戸田は、戦闘種族への蔑視と恐れを隠しません。戸田の姿勢は回想のトマトおばさんと同じです。「戸田のように嫌悪が露骨な人間はまだ理解できる」と主人公が考えているのは地味に重要だと思います。
主人公がむしろ苦手に思うのは、「古賀艦長」のようなタイプの人間です。古賀はベテラン軍人であり、敵方の初期人造人間と戦った経験から、現代の戦闘種族をも内心で憐れんでいます(もっとも、年長者らしく主人公たちの気持ちを慮って露骨なことは言いません)。
しかし実は、主人公にとって憐れみは最も居心地の悪い感情だったりします。このあたりの心理はリアルだなーと思いました。
印象に残ったキャラクター
輸送艦ちぐさ殺人事件
個人的に好きだったキャラは「寧子」です。わかりやすい性格と天パがかわいい。直情的な言動の端々ににじむ人間臭いかたくなさもいいですね。
寧子は案外、行太と仁奈先生の最期を見て追い詰められていたんだろうなと感じました。覚醒そのものは本望としても、相方を失ったことはかなりショックだったんじゃないかな、と。りいなの指摘はある程度正しいのではないでしょうか。もちろん仮に正しいとしても、寧子は絶対にカミングアウトしないだろうとは思いますが。
また、寧子のバディである「行太」についても、末路を確認したときはかなりのショックを受けました。寧子と行太のペアは、性格が正反対なのに気の置けない関係なのがいいですね。恋愛感情ではないにせよ比重的に寧子→行太っぽくて、その上で寧子が行太の仁奈先生への好意を知っていたという事実にグッときました。
その他、「竜美」も印象に残りました。いい意味でまったく人間味のないキャラクターだと思います(実里の事件にたぶん何も感じてないらしいことも他のペアとは好対照)。彼自身の最期はあまりにも唐突でびっくりしましたが、竜美も仁奈先生も一切ためらわない点が劇的で引き込まれました。
最後に、主人公の「成哉」とパートナーの「りいな」は最後まで応援したくなる2人でした。2人1組で好きですね。特に、主人公が夢想していた理想の幕引きや真犯人を倒した後のやりとりは印象深いです。なんと言えばいいのか、血生臭いのに切ないし美しいしでたまらない気持ちになりました。
「犯人」について
正直なところ、私は推理で犯人を当てられませんでした。グラフの意味を深く考えなかったのが敗因だと思います。酸素量の伏線はきちんと張られていたので悔しいです。
初プレイ時はミチナガのおさらいを読み、「主犯は誰か」について、以下のようにフィーリング多めに真面目に考えました。
①「主人公」を除外。視点キャラなのでさすがにないだろうと判断。
②「戸田」と「仁奈先生」と「行太」を除外。この3人は短時間で続けざまに命を落としている。戸田については、遺体の状態を見るに加害者=行太であり、その動機はまず間違いなく仁奈先生。仁奈先生が亡くなったのは3人の中でおそらく最後。ということは、行太に手を下せるのは……という判断。この3人は内輪もめ要員というか、ミスリードっぽく見えた。
③「寧子」を除外。彼女については直感。戦闘種族らしい直情的な性格と覚醒の経緯が、冷徹に犯行を重ねる真犯人らしくない。
④「キャル」を除外。相当怪しいし共犯かもしれないが、ロボットだから主犯ではありえない(後で振り返るとこの発想自体はよかった)。
⑤残ったのは、古賀、長山、実里、竜美、りいな。ここでまた考える。
⑥「竜美」と「実里」はその最期が明確に描かれている。特に前者については確実だと判断し除外。
⑦「りいな」は状況的にも心情的にも疑いたくない。
⑧「古賀」と「長山」は動機に乏しい。
⑨このあたりで、犯人候補がいなくなったことに気づく。外部犯を考えてみるがしっくりこないので捨てる。
⑩被害者の誰かが実は生きていたのかも……と考え出してドツボにハマる。
⑦、⑧あたりはもはや適当すぎますね。⑩に行き着いた時点でジ・エンドというか、訳が分からなくなりました。
⑥以下の名前を挙げてみて通らなかったので、開き直って総当たり精神で挑むことにしました。『逆転裁判』の法廷パートで詰まったときの、オールつきつけのノリで。が、当然うまくいかず。ついにはミチナガに「この画面の中に犯人はいるよ」と言われる始末です。
しかし途中でふと思ったのは、「こういう風にずらーっと名前を並べて当てさせる形式って変わってるな」ということでした。証拠を挙げる必要はなく、ただ「名前」を当てればOK。それってまるで、そもそも犯人の名前を挙げること自体が困難であるみたいだな、と。
そこで、目が画面内のとある箇所に引きつけられました。カーソルを移動させてクリックすると、見事にパス。びっくりしました。「やったー」という思いと「マジかー」という思いが半々で、真相の恐ろしさを噛み締めるばかりでした。
後から見返すと、犯人を示す伏線はいくつもありました。キャルがあからさまに怪しいことを置いても、彼女と輸送艦ちぐさが姉妹のようなものだとか、ヘキサ缶の中身がおよそ燃料らしからぬものであるとか、脳単体の酸素消費量の情報だとか。特にグラフは最大のヒントだったんですね。あれに基づいてきちんと計算した人は、真相に気づいたのではないかと思います。
個人的な反省は、グラフの見過ごしはもちろん行太の遺体の異常を看過したことです。仁奈先生が手を下したのだろうとは思っていました。でも、あの遺体の状況は人間の女性が作り出せるものでは到底ないですよね。もしもそこでロボットのキャルをもっと怪しめば、もうちょっと細部に注意できたかなーと思ったりします。
また、衝撃的な真相そのものについては私はアリだと思いました。何よりも「宇宙の密室空間で展開されるサスペンス&主人公たちの葛藤と決意」に重きを置いた作品だと感じたので。
推理ものとしてそこまでアウトな結末だとも思いませんでした。よくよく考えてみればキャル以外の人間は怪しくない、でもそのキャルは軍用ロボットで積極的には人間を害することができない……と考えていくと、むしろ妥当な真実という気がします。もちろん心底驚きましたが。
個人的にはこういうあっと驚いてゾッとする結末って大好きです。真犯人と対面する場面の演出にもゾクゾクしました(母性的で狂気的なBGMとレコードのブツブツとしたノイズ音が絶妙)。
もちろんえげつない真実だとは思います。しかしそれだけに心を揺さぶられるものがありました。戦闘種族について何度も何度も掘り下げられてきたテーマ(命の意味、死への恐れ、心はあるのかetc.)を最後の最後になって主人公たちに突きつける、宿命的な真犯人だと思います。
「M型戦闘種族」の「M」の意味、また、本作のタイトルに込められた意図がきれいに回収されたという点においても、この上ない終幕だと感じました。
同制作者様の『オヒルギメヒルギ』と『ワスレナセカイ』もプレイさせていただきました。前者は独特の雰囲気が魅力的で、本作を遊ぶきっかけにもなりました。怖いのにどこかユーモラスで切ない雰囲気が好きです。
後者の『ワスレナセカイ』は、この作品と世界設定を同じくするゲームです。具体的には今作の本編からおよそ20年後、戦闘種族たちが隔離されている時代のお話です。登場するキャラと事件についてはゲーム中でもチラッと言及がありました(ミチナガの説明より)。そのため、わりあい早めに『ワスレナセカイ』の背景を把握することができました。
『ワスレナセカイ』は「後ろ向きに前向き」というか、メリーバッドな結末の物語でした。特にギミックのユニークさが印象的です。システムは少し違いますが、以前プレイした『テオとセァラ』を思い出しました。
面白い作品でした。資料などを読んでいてミヤハシ博士やマキハラ博士のパーソナリティーが気になったので、同じ世界線の他のお話も見てみたいなーと思いました。
※「現在から過去を振り返る」作品について、いくつか感想記事を書いています。
・『テオとセァラ』 感想&考察&攻略(もう戻れない過去を懐かしむ。選択をやり直せない異色のADV)
・『Her Story』 感想&考察(データベースを検索し事件と"彼女"の真実を追う。新感覚サスペンスADV)
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