『冠を持つ神の手』 ヴァイル 感想&攻略 その2
異世界ファンタジー育成系ADV、『冠を持つ神の手』(かもかて)に登場するキャラクター、「ヴァイル」の感想&考察&攻略記事です。制作サークルは小麦畑様。
※「『冠を持つ神の手』(かもかて) 感想&レビュー その1」では、ゲーム全体のレビューを書きました。「その2」からは、個別にキャラクター感想記事を書いていきます。
全イベントとエンドを見た上での感想なので、ネタバレしかありません。ご注意ください。
ヴァイル・ニエッナ=リタント=ランテ
14歳の未成年。主人公と同い年の寵愛者であり、もう一人の六代国王候補。名門貴族であるランテ家出身。父母を早くに亡くし、広大なランテ領の継承権を受け継いだ。現王リリアノは父方の伯母であり、その一人息子のタナッセとはいとこ同士。
陽気で人懐っこい性格であり、普段の言動はやんちゃ坊主そのもの。イレギュラーな存在である主人公に興味津々で、当初から好意的に接する。
冠を持つ神の手
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※システム面の用語
・印象度:主人公が攻略対象キャラをどう思っているか。
・好感度:攻略対象キャラが主人公をどう思っているか。
・印象反転:愛憎か友嫌が一定以上まで高まったとき、一度だけ印象を反転することができる仕組み。「雨の日に子猫を拾う不良を見かけてドキッ」「百年の恋も冷めた」といった恋愛の機微をゲーム上で表現可能。今まで愛していた人を憎んだり、蛇蝎の如く嫌っていた相手と恋に落ちることができる。
※エンディングの種類
愛情・憎悪・友情・裏切・殺害の5種類存在する。愛情、憎悪、友情は言葉の意味そのままで、最終的に攻略対象キャラと恋人、仇敵、親友になる。殺害もそのままの意味で、多くの場合は憎悪ルートから派生する。
「裏切エンド」は、三足族の特性に絡むこのゲームならではのエンディング。ほぼ愛情ルートから派生する。
主人公は未分化(性別を持たない未成年)なので、愛情ルートで攻略対象キャラと将来の約束をした場合、相手と異なる性別に分化することを求められる(相手が男なら女に、男なら女に)。ここで相手を「裏切」り、相手と同性に分化すると裏切エンドとなる。
※リタントでの性別関連の呼称
主人公たち三足族は性別を持たずに生まれる。そのため、「姉」「妹」「令嬢」「(子供としての)娘」といった呼び方は存在せず、女性であっても一律「兄」「弟」「令息」「息子」と呼ばれる(今後の感想でもこの慣習にならって書きます)。
※姓名について
(名前)・(副家名)=(本家名)。(本家名)に入る姓がその人の出身家を示す。たとえば「タナッセ・ランテ=ヨアマキス」の出身家はヨアマキス家である。
また、国王や王になる資格を持つ寵愛者は「リタント」を名乗ることができる(例:ヴァイル・ニエッナ=“リタント”=ランテ)。
ヴァイルについて
「ヴァイル・ニエッナ=リタント=ランテ」はもう1人の六代国王候補です。立ち位置やED優先度から鑑みて、11人いる攻略対象キャラクターの中でも特に重要なキャラでしょう。同い年、同じ立場、主人公と対になる存在です。
三代国王を曾祖父に、五代国王を伯母に持つ彼は、リタントで並ぶ者のない大貴族である「ランテ家」の出身。生まれたときから六代国王になるべく育てられてきた、いわばサラブレッドです。
しかしヴァイルは、自分の立場を脅かしかねない主人公に当初から好意的です。表面上取り繕っているわけでもなく、本心から主人公を歓迎しているところがヴァイルというキャラの面白さだと思います。
ヴァイルの主人公への態度はそのまま、攻略のしやすさに反映されています。ある地雷さえ踏まなければ、愛情・友情の攻略難度はトップクラスに易しいです。友情ルートでは下手をすると最初の月にエンド条件を満たすことができます。
とはいえプレイし始めた頃の私にとって、ヴァイルの虎の尾を見抜くのは非常に難しいことでした。最初は素直にヴァイルと仲良くなろうとしたのですが、まんまと彼の逆鱗に触れてしまい、最終日に完膚なきまでに拒否されて唖然としたことを覚えています。
ヴァイルが最も嫌がること、それは、一緒に居てくれないことです。
神に選ばれた寵愛者であるはずのヴァイルの半生は、けして幸せなものではありませんでした。母を物心つかない頃に事故で亡くした彼は、その後実の父親にも捨てられました。両親の死と失踪には、ヴァイルが寵愛者であったことが大いに関係している……少なくとも、ヴァイル自身はそう思っているようです。
もともと寵愛者は孤独な存在ですが、父母を欠いたヴァイルの心の傷は、残った身内には癒すことができないほどに根深いものになりました。寵愛者であるために半生を王城に縛られる運命を背負う彼は、「ひとりで取り残されること」を病的なまでに恐れています。
だからこそ、突然現れた主人公はヴァイルにとってこの上ない僥倖でした。自分と同じ徴を額に戴き、死後は同じく神の国に召し上げられると決まっている主人公なら、自分とずっと一緒にいてくれるかもしれない。期待なんてしないと自分に言い聞かせつつも、ヴァイルは心の奥底で大きな期待を寄せて主人公を歓迎するわけです。
よって、もし主人公が「王城は嫌い」、「故郷が恋しい」、「早く帰りたい」といった発言をすると、ヴァイルの好感度は目に見えて下落します。向こうから「やっぱり帰りたいよね」とさり気なく聞いてくることもあるので、流れでうっかり頷くとアウトです。
ヴァイルの魅力は、やんちゃで明るい表の顔と繊細で儚い内面のギャップだと私は思います。儚いんです、ヴァイルは。まだ子供なのに色々なものを諦めて生きている、ふとした時にそういう素顔を見せられるとなんともいえない気持ちになります。
物語中のヴァイルの精神状態は実はやや不安定です。そのため愛情ルートでも友情ルートでも、終盤に向かうにつれてかなり重い関係を迫ってくるようになります。攻略のしやすさはそのまま、ヴァイルの追い詰められ具合と強くリンクしているわけです(実際、主人公が出現しないif世界ではヴァイルは即位する前に亡くなってしまうらしいです)。
ヴァイルととある人物のイベントに【永遠の少年】というものがありますが、私の中のヴァイルの印象はまさにその「永遠の少年」です。永遠に大人になれない、つまり、少年のまま消えてしまいそうな危うさを持ったキャラだと思っています。
そういった一面のほか、ときどき垣間見える貴族としての傲岸さや六代国王候補としての自負心も好きです。そのあたりは、正攻法憎悪ルート(いわゆる「じわじわ憎悪ルート」)で嫌と言うほど見ることができます。
愛情
ヴァイルの愛情エンディングは2通り存在し、通常の愛情エンドは愛情Aです。【すれ違いの果てに】を経ると、愛情Bになります。
これは愛情ルートに限りませんが、城の印象度をプラスにし村の印象度より上回らせておくと、ヴァイル攻略はスムーズに進むと思います。その上で印愛を積極的に振り、要所要所で女の子(になりたい)アピールをしつつ攻略しましょう。
【本当にほしいもの】では、好愛が高い状態で好きな人を訊かれて「ヴァイル」と答えると可愛い反応が見られます。また、オススメはやはり雨の日のイベント。発生には高めの好友が必要ですが、選択肢次第で好愛度がグングン上がります。
愛情ルートの必須イベントである【湖上の約束】は、専用BGMが用意されかなりロマンチックでした(歌詞も状況にピッタリ。ただ、初見はボーカルにびっくりしました)。
【湖上の約束】後の【告白】イベントや【結婚の覚悟】では、気弱な内面を隠さないヴァイルを新鮮に思ったのを覚えています。個人的にヴァイルは男の子イメージが強かったんですが、このあたりでけっこう女の子っぽさを感じたというか、すごく可愛いなあと思いました。
ヴァイルと主人公が円満に結婚する愛情Aを見ていると、「これぞアネキウスのお導きだったのかな」と思いました。孤独に生きざるを得ない寵愛者が2人揃う、それって「一緒に人生を歩めよ」と言われているようなものだな、と。物語としては綺麗すぎるほどに綺麗なまとまり方で、リリアノがしたり顔をしていたのも頷けます。
主人公がいてくれるなら女性になってもいいし、子供を持つことにもためらいのないヴァイルがとても可愛いです。通常の後日談を思うと不思議と泣けます。
ヴァイル愛情Bについては、以下に別項をもうけて感想を書きました(【すれ違いの果てに】の感想)。
憎悪
ヴァイル憎悪の攻略法は、正攻法憎悪ルート(じわじわ好感度を下げていく/じわ憎)と反転憎悪ルート(ヴァイルの好感度を反転させ好憎度を高める)に二分されます。
簡単なのは断然後者の反転を使うやり方で、愛情ルートから派生します。以下の手順を踏めばOKです。
- 【湖上の約束】でヴァイルとの約束を拒否する
- (印愛35以上で)中日にヴァイルに【告白】する
- 好感度の反転を確認後、主人公の印象度も反転する
先述した通り、ヴァイルが最も嫌がるのは「一緒に居てくれないこと」です。「ずっと一緒にいるって約束はできないけど大好きだよ」という主人公の対応が、ヴァイルの逆鱗に触れるのは言うまでもありません。
ヴァイル憎悪エンドの凄さは、主人公が国王に選ばれると、他の攻略対象キャラのエンドをすっ飛ばして強制突入する点にあります。ごく一部の例外を除き、誰とどのエンド条件を満たしていようが、ヴァイル憎悪エンドの条件を満たすとそちらが優先されるのです。
憎悪エンドへの過程で起こる【玉座を巡る決闘】時にセーブすると、データには早くも「エンド:ヴァイル」と表示されます。
特殊イベントであるこの【玉座を巡る決闘】は、ゲームタイトルに絡めたヴァイルの格好良い口上が見られるほか、BGMも緊迫感と臨場感に溢れていて一見の価値ありです。というより、このゲームに触れた以上は一度見た方がいいです。
続いて、正攻法憎悪ルートは、ある程度ゲームの流れとコツを掴んでからでないと攻略が難しいかと思います。ヴァイルの初期好感度がかなり高いことがその大きな理由です。
最初の準備としては、ヴァイルの印象をマイナスに、村の印象をプラスにしましょう。そして、【彼なりの案内】を発生させて「村に帰りたい」と答えるのが定石です。
特徴として、ヴァイル憎悪ルートは進行に伴い好友度も下がっていきます。よって、忌避判定が起きないように印友も同じくマイナスに振りましょう。
私の場合占いを使用したり(1回)、ヴァイルと親しい人を死に追いやったりして好感度を削りました。数値的にはギリギリで、占いを挟むタイミングを調整したりしてようやく憎悪エンドを見られたという感じです。
この正攻法憎悪ルートでは、ヴァイルの嫌なところをじっくりと見られます。好意的なヴァイルに対しすげなく意地悪する主人公も相当アレですが、だんだんと態度が冷え切っていくヴァイルもそれなりに嫌なヤツでした。
神視点のプレイヤーとしては、ヴァイルの大きな期待がどんどん裏切られていくのを見て申し訳ない気持ちになりました。この正攻法憎悪ルートを辿ったヴァイルは、もはや誰のことも信じられなくなりそうだなと思います。
憎悪エンドは計3つあります。3つのエンドをその傾向で大きく分けると、「主人公が勝ってヴァイルが行方不明になる(憎悪A)」か、「ヴァイルが勝って主人公が監禁される(憎悪B/憎悪C)」かの二択です。
後者の監禁エンドですが、反転憎悪ルートを辿った場合は特殊な分岐があります。なんと、主人公の選ぶ性別に合わせてヴァイルの性別が変化するのです。もしも主人公が「男」を選べば女性、「女」を選べば男性という風に。
反転憎悪ルートはヴァイルが愛憎をこじらせた結果の展開ですが、この性別変化はその点が強調されているように思えて気の毒な気持ちになりました。
友情
ヴァイル友情ルートのエンディングは2通りです。「最終結果:王」の場合は友情A、「最終結果:王以外」の場合は友情Bになります。
ヴァイルは初期好愛と同じく初期好友も高いので、エンド条件を満たすのは難しくないと思います。第一に、印友をどんどん振りましょう。スタンスとしては、何かに誘われたら気軽に応じ、悪だくみに付き合い、争うときは遠慮せず……と悪友的な付き合いをします。より難易度を下げたいなら、国王になると正々堂々宣言するといいかもしれません。
注意点として、ヴァイルは好友が高まると好愛も高まりやすくなるキャラです。うっかり愛情ルートに行かないようにだけ注意しましょう。
他のキャラクターの場合と同じく、ヴァイルの友情エンドも安定感があってほっとしました。主人公が王になり、ヴァイルが玉座の束縛から解放された友情Aが、ヴァイルが一番精神的に成長し視野を広げることのできる結末だったのかなと思います。
とはいえ、ヴァイルを自由にするためだけに主人公が遣わされた感が若干あるので、個人的にはヴァイルが王になり主人公がそのサポートをする友情Bの方が好きでした。
これはリリアノ友情エンドでの言葉ですが、ヴァイルは玉座から逃れることこそ叶わなかったものの、同じ存在でありながら王にはならなかった主人公に違う可能性を見ることができるんですよね。寵愛者にとってそういう存在は得がたいものなので、通常は頑なな王になるらしいヴァイルの心も楽になるのでは……と希望が持てる終わり方だったと思います。
どちらのエンドであっても、同じ寵愛者である主人公がずっと傍にいるからヴァイルが孤独を感じることはないのでしょう。
裏切
ヴァイル裏切エンドは2通り存在します。通常の愛情エンド確定後に裏切ると裏切Aになり、【すれ違いの果てに】で生還したヴァイルを罵倒すると裏切Bになります。
ヴァイルの裏切エンドはいまだに、このゲームにおけるトラウマの1つです。
ヴァイルはかもかてで最もクローズアップされているキャラだと思います(ポジション的に)。だから、なんとなくヴァイルを最初に攻略→愛情エンドを確認→セーブデータをさかのぼって試しに約束した性別とは違うものを選択→初めて裏切エンドを見てしまって愕然……という体験をしたプレイヤーの方は案外多いのではないでしょうか。
一言で言うなら、「まさかああなるとは思わなかった」に尽きます。タナッセに罵られ、リリアノに哀しい顔をされ、最後の「大人になれなかった」という台詞でようやく状況を理解する始末でした。このエンドを思い出すたびに、やはりヴァイルは「永遠の少年」だと強く思います。
殺害
【すれ違いの果てに】から派生するAエンド、試合中に刺すBエンド、【最後の日】に突き落とすCエンドの3通りです。
ちなみにBエンドは、成立した時点で主人公が王となり、その周回は終了します。
ヴァイルの死亡パターンは攻略対象キャラの中でも多い方ですね。さすがに彼女にはかないませんが。
一番最初に見たのは、【最後の日】に突き落とすエンドでした。愛情攻略がうまくいかなかったのでなんとなく印象反転させ、【最後の日】に「突き落とす」という選択肢を見つけてびっくりしたことをよく覚えています。
「このゲームってヤバいかもしれない」と思い始めた瞬間でした。ヴァイルが思いのほか呆気なく落ちたことも印象的です。
【すれ違いの果てに】の感想
【湖上の約束】後、ヴァイルが主人公の気持ちに【不安】を抱くと【すれ違いの果てに】というイベントが発生します。該当イベントの発生条件を読み、うまく印象度を調整しましょう。このイベントを通ると、愛情B or 裏切B or 殺害Aになります。
このイベント中、ヴァイルは人事不省に陥ります。ちなみにその原因となった下手人のことは、このゲームで唯一苦手です。怖い。理解できない。(※そのキャラについては、トッズの感想記事に項目をもうけて感想を書きました。)
【すれ違いの果てに】でヴァイルを救うのはけっこう大変でした。というのも、「主人公自身が魔法を使えるor魔法を使える人物と仲がいい」のどちらかの条件を満たさなければ、ヴァイルの命は救えないんですね。特に後者の、魔法を使える人物と仲良くなりつつヴァイルの恋愛イベントを進めるのに手こずった覚えがあります。
正直なところ、「ヴァイルしっかりしてくれよ!」という気持ちになりました。自己完結して死に誘われて、主人公はタナッセにずるずる引きずられるわ、助けても評判と他キャラの好感度が下がるわで踏んだり蹴ったりです。
気分的にぐったりして、最後の日はなんとなく、ヴァイルではなく魔法を使える人物との友情を選んで城を脱出しました(もちろんその後でロードしてヴァイルエンドを見ました。物語的には、王位継承者を救って城から行方をくらまし魔術師になるって面白いエンドかもしれませんが)。
とはいえ過去が過去だけに、ヴァイルが不安に駆られたのも仕方のないことだと思います。このイベントを見て、ヴァイルはとっさに命を投げ出すくらいには主人公が好きだったんだなと安心しました。額の選定印の有無だけが重要なんじゃないかとチラッと思うこともあったので。
「ずっと一緒にいてほしい」とヴァイルが面と向かって主人公に言ったときは、ようやくその一言を言えるようになったんだなあと思ってグッときました。
また、このイベントから派生する裏切Bは、見事に新しいトラウマになりました。
確かにこのイベントにおける主人公は振り回されっ放しで、プレイヤーとしても評判と好感度が下がってあまり面白くはなかったのですが、それにしてもはっきりと言い過ぎです。病み上がりのヴァイルの傷口がどんどんと抉られていく様子は、見ていていたたまれませんでした(一応ですが、罵る展開は憎悪に反転しないと見られなかったと思います。主人公の心情的には、ヴァイルに振り回されて完全に愛想を尽かした形なんでしょうか)。
案の定、ヴァイルは裏切Aと同じ末路を辿ります。主人公はそれを特に気に病むこともなく、「永遠の約束など果たせるはずもない」とスッパリ断じて終了。主人公レハトが何よりも怖いと感じた瞬間でした。
憎悪監禁エンドとエンドロール文の変化
ヴァイルの監禁エンド(憎悪Bor憎悪C)をある条件下で迎えると、エンドロール文(後日談)が変化することがあります。
そのある条件とは、他キャラとの愛情/友情エンド条件を満たすこと。
要するに、【最後の日】に他キャラを訪問して愛情なり友情なりを確かめた後、【玉座を巡る決闘】を発生させてヴァイルに負ければいいのです。特に、他キャラと愛情エンドを迎える予定だった場合、恋人が他の人間に監禁されるわけですから、該当キャラの後日談は当然変化します。
ある者は王城に残ってヴァイルに反抗し、ある者は放逐され、またある者は奇跡的に主人公を救い出し……エンドロールの変化は全部回収しなければ、と固く思ってしまうほど細やかです。
実際、可能なキャラはあらかた回収しました。しかし、共通友情エンドを迎えることのできるキャラが複数いるので、そちらでも試さないとダメだなと思っています。
※試したので別記事にまとめました。リリアノ&モゼーラの共通友情エンド、およびティントア&ルージョンの共通友情エンドを、ヴァイル憎悪監禁エンドと並行して攻略しました。
≪関連記事:共通友情エンド×2とヴァイル憎悪監禁エンドを並行して攻略 【冠を持つ神の手/かもかて】≫
嫉妬イベント&夢イベント
攻略対象キャラ2名の好愛度が一定以上のとき、「印愛度が低い方のキャラが高い方のキャラに嫉妬する」イベントが発生します。要するに、主人公が二股をかけているとき、本命Aに浮気相手Bが嫉妬するというイベントです。
国王がメイドに嫉妬したり、社交界の華が衛士に嫉妬したり、未成年が老人に嫉妬したりと絵面はカオスです。組合せによっては因縁めいたものを感じたり、他キャラへの印象など貴重な話が聞けることもあります。
イベントリストに嫉妬イベントを記録するには、対象キャラに嫉妬する側に回ってもらう必要があります。
ヴァイルの嫉妬イベントは、全体的に余裕がなくて可愛かったです。相手の悪条件を一気にまくし立ててから「あー自分嫌なヤツ」と我に返るパターンが多いというか。14歳にしては幼い性格なのに、相手の気持ちを察したり諦めが早かったりするときだけ大人びているというのは切なく感じました。「ここにいてほしい」の一言が怖くて言えないのがヴァイルらしい。
リリアノ嫉妬やサニャ嫉妬の諦めが勝る感じや、タナッセ嫉妬の(タナッセが)いたたまれない感じが好きです。また、ルージョンに魔力の気配を感じていたのはさすが寵愛者だと思いました。
また、夢イベントは市の好感度占いの後に起こるものです。占いで好愛または好友を3回上げると、【愛しき夢】または【親しき夢】という中日イベントが発生します。
簡単に説明すると、主人公が登場するあんな夢やこんな夢を3回も見せられた攻略対象キャラが、それぞれに反応を返してくれるすごく楽しいイベントです。
ヴァイルの夢イベントについては、どちらもヴァイルの初々しい反応が可愛らしかったです。特に、主人公と二人で草原で遊ぶという【親しき夢】の内容は、可愛らしくもあり切なくもありました。王城で遊ぶのではなく、行ったことのない草原を夢見るあたりが他のキャラとは違います。ついでに幼い頃は身近にいただろうタナッセが夢に出てこないのも、また違った意味で切なかったです。
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ヴァイルに儚さや不安定さを感じるのは、彼が未成年だからかもしれません。これから男性にも女性にもなれるというのは、今更ですがなかなか凄いキャラだと思います。
主人公が傍にいて、無事に大人になれたヴァイルなら、いつか心の平穏を得ることもできるのでしょうか。主人公の対になる存在という立ち位置も含めて魅力的なキャラクターだと思います。
その3は、ヴァイルのいとこである「タナッセ」の感想記事です。
・次回:『冠を持つ神の手』 タナッセ 感想 攻略 その3
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