『冠を持つ神の手』 タナッセ 感想 攻略 その3

かーめるん

異世界ファンタジー育成系ADV、『冠を持つ神の手』(かもかて)の感想や考察、攻略です。制作サークルは小麦畑様。

その3では、攻略キャラクターの一人、タナッセについての感想を書きます。攻略についても触れます。

全イベントとエンドを見た上での感想なので、ネタバレしかありません。未見の方はご注意ください。考察みたいなものも書いていますが、あくまで個人的な考えです。主観まみれです。

◆タナッセ・ランテ=ヨアマキス

17歳の男性。現王リリアノの一人息子。六代国王候補のヴァイルとはいとこ同士。
リリアノの実子だが選定印を有さず、「王位継承権の無い王子」という微妙な立ち位置にある。そのため、寵愛者へのコンプレックスが強い。
屈折した性格であり、何かにつけて嫌味を長文で並び立てるので、王城での評判はすこぶる悪い。城へ連れてこられた主人公に対し、敵意をむき出しにする。

冠を持つ神の手 かもかて タナッセ スクショ

タナッセについて

タナッセは、現国王リリアノの一人息子です。六代国王候補のヴァイルとはいとこ同士です。

攻略キャラクター11人のうち、貴族身分のキャラクターは4人存在します。
タナッセはそのうちの1人であり、他の3人(ヴァイル、リリアノ、ユリリエ)全員と血縁関係にあります。そのためか、他キャラに絡んだ出番が比較的多いようです。

タナッセは攻略キャラクターの中で唯一、序盤から主人公に明確な敵意を抱いています。つまり、好友度好愛度が共にマイナスです。

悪感情を隠そうともせず事あるごとに嫌味を言ってくるので、感情や思惑をはっきりと表に出さないキャラが多い中では、その言動の「わかりやすさ」は群を抜いています。プレイヤーとしても、相手の嫌味な態度を受けて心置きなくやり返せるので気が楽です。

最後の最後までドロドロと憎み合って一年を終えるもよし。反転機能を駆使して波乱万丈な愛を育むもよし。喧嘩し合って相手の秘密を知り友情を育むもよし。ルートによって傾向がかなり異なるのが楽しいキャラです。

ただし、正攻法で愛情を高めても愛情エンドを迎えることはできないという点には注意すべきでしょう。

王城に来た田舎者の主人公に対しトゲのある態度を取り続けるタナッセですが、その態度は基本的に城内の誰もに向けられています。
そのために周囲からの評判は非常に悪く、彼について囁かれる噂話の内容は悪口や嘲りがほとんどです。初期の主人公と同じく城内では微妙な立場にあり、控えめに言ってけなされ放題なわけです。

だから初回プレイでは、憎みつつも共感の友情ポイントをかなり振ってしまいました。

愛情・友情ルートを見るとわかりますが、タナッセはけして芯から嫌な奴ではありません。

嫌味ったらしく全方位にトゲを撒いているその内実は、身内への献身と愛情、不器用な優しさ、自己犠牲精神で構成されていると言ってもいいと思います。

ただその分自己肯定ができず、自己評価も低く、自分に対してひどく投げやりです。根深い城嫌いも加わり、基本的に他者によく思われようと思って行動することがなく、結果として周囲から散々な評価を受けている節があります。

タナッセの屈折の主要因は、共に選定印を持つ母親のリリアノいとこのヴァイルです。

周囲から母やいとこと比較され嘲られるということ以上にタナッセを苦しめたのは、持たざる者である自分は彼らに何ら影響を及ぼすことができないという事実(あるいは思いこみ)ではないでしょうか。

心から二人を愛していても、あるいは憎むことがあっても、印持ちである彼らは自分とは根本的に違う生き物であり、彼らが選定印の為に不幸に見舞われても無力な自分はそれを見ていることしかできない……と。

幼少期からの経験ゆえか、タナッセの選定印にまつわる感情は歪みに歪みを重ねています。

母の子として認められたいという承認欲求。親族に不幸をもたらしたがゆえの印への憎悪。超人的な才能に恵まれる印持ちへの憧憬と嫉妬
あらゆる感情を、タナッセは当の母やいとこにぶつけることなく17歳まで生きてきました。

タナッセは地位や財産などに興味がありません。その気になれば王城以外に居場所を持つことができます。
そんな彼が大嫌いな場所に居残り、陰口や嘲りの声に耐えてきたのは、ひとえに「孤独なリリアノとヴァイルの傍に居てやらねば」というある種の義務感ゆえです。

印持ちへの屈折した感情は、その対象が大切な身内だからこそタナッセの心の中だけにおさまっていました。

しかし、あと一年で自分が王城にいる意味も消える(ヴァイルが王位を継承し、リリアノが退位して城を去る)というときに、幸か不幸か2人目の寵愛者である主人公が現れたのです。

かくしてタナッセの憎悪嫉妬は初めて表出し、理不尽にも主人公に集中することになります。

愛情

タナッセ愛情エンドは、最終結果:王の愛情Aと、王以外の愛情Bの2通りです。

先述した通り、正攻法でタナッセと愛情エンドを迎えることはできません。

初期好愛度がマイナスであることに加えて、好愛度にキャップがかかる(上限がもうけられる)仕様になっているのです。つまり、普通に仲良くするだけでは主人公はタナッセの恋愛対象になれないわけです。

制作者様によれば、タナッセの印持ちへの屈折は根深く、愛情エンドを迎えるのに一年という月日は短すぎるそうです。しごく納得の行く話だと思います。

ではどうやって愛情エンドに至ればいいのかというと、もはやアクロバティックな展開に持ちこむしかありません。キーとなるのは、【神の業、人の業】から始まる一連のイベントです。

  • 途中までの流れは憎悪ルートと共通
  • このイベントから引き続き憎悪エンドや殺害エンドに派生可能

……という2点が、タナッセ愛情攻略の面白さと思います。まさに波乱万丈

攻略の流れを説明します。

主人公が王になる意志を見せ、ある程度の名声を勝ち得ると、タナッセから秘密の婚約を打診されます。互いに憎み合っていることを前提としたこの申し出を了承し、最終月までともに憎悪を高め合いましょう。

最終月(黒の月)に入った時点で、

「タナッセの好感度+ヴァイルの好愛度=負の数」*

であれば、中日イベント【不穏】が発生します。そして次の休日から、【神の業、人の業】が発生するようになります。

*たとえば、タナッセの好感度(愛情と友情の総合値)が-45、ヴァイルの好愛度が50の場合、タナッセは【神の業、人の業】を起こしません。

「-45+50=5」 より、計算結果が正の数になるからです。

平たく言うと、タナッセが主人公のことを嫌悪し憎んでいても、ヴァイルがその感情を上回るほどに主人公を愛していれば、タナッセは主人公に手を出しません。

この【神の業、人の業】は、タナッセが魔術師と組んで主人公を誘拐し、選定印を奪おうとするイベントです。

ほとんどの場合タナッセは儀式を取り止め、瀕死の主人公を城に連れ帰ります(選択肢によっては見殺しにされますが、イベント中何らかの形でタナッセに働きかければほぼ大丈夫のはずです)。

すると当然ながら、回復した主人公は下手人の名を問われることになります。

ここで【与えられるべき報い】を与えるべくタナッセを告発すると、タナッセは寵愛者を害そうとした大罪人として処刑されてしまいます(そして殺害エンドへ)。

ただしこれは、この時点で主人公がタナッセを憎んでいる場合の話です。このシーンで、このゲームの目玉の一つである印象反転システムが生きます。

【与えられるべき報い】が発生するまでに主人公の印憎度を反転し(タイミングは自由)、印愛度を高めておくと、「告発しない」という選択肢を選べるようになります。
そして、城から去ろうとするタナッセに対して愛の告白をすることが可能になるのです。

憎しみ合っていた相手からの突然の告白に、タナッセは激しく動揺。しかし最終的に、なぜか告白された彼の好憎度も同じく反転します。

引き止めは成功し、その後は完全に愛情ルートに入ります。

一夜にして憎悪が愛情に移り変わるこのイベント、初見では凄いなと思って笑いました(良い意味で)。その後、主人公はもちろんのことタナッセも何を考えているのだろうと色々と考えてしまいました。

ゲーム内でも周囲からすれば驚きの展開だと思います。口でも手でも喧嘩し憎み合っていた二人のうち、一方が死にかけているもう一方を連れ帰った……と思いきやいつの間にか恋人関係になっていたわけですから。

媚薬を盛ったくらいには周りに言われているかもと制作者様も質問企画で仰っていた記憶があります。

もっともこの流れに関しては、他のキャラクターのとあるエンドでの台詞に一つの答えがあるのかなと個人的には思いました。
「好き」と「嫌い」はたまに同じに思える、会うと心がざわつくのに、見かけないと気になる……要約するとこういう台詞です。

愛憎紙一重とよく言います。ベクトルは真逆なだけで、相手の運命を意のままにしたいという思いは、愛情にも憎悪にも共通しているのかもしれません。

また、タナッセの心変わりについては、「自分より弱い相手でないと愛情と自覚できない」という制作者様の所感がそのものズバリなのでしょう。

これは、弱いと見下さないと愛を感じられないということではありません。「愛情を感じられない」ではなく、「愛情と自覚できない」という部分が大事なポイントです。

すべてはタナッセの、印持ち(寵愛者)への強烈なコンプレックスに端を発しているのだと思います。

幼少期から印持ちの抜きんでた優秀さを見せつけられてきたタナッセは、彼らは自分など及ぶべくもない強い存在であると思い込んでいます。

だから彼らに愛情を感じていたとしても、(素直な性格ではないこともあって)嫉妬や諸々の負の感情に目をくらまされて気づくことができません。そして自己評価も低いので、自分は印持ちの隣にずっと居てやれるような人間ではないと感じています。

そのある意味での盲目さが消え失せたきっかけこそ、【神の業、人の業】事件だと言えるのではないでしょうか。

主人公も寵愛者であり、母やいとこと同じく万能超人であるはずです。
そんな主人公がすっかり弱って冷え切った体で横たわっているのを見たとき、タナッセはようやく自分の認識の誤りに気づいたのではないかと思います。寵愛者も自分と同じ、弱りもすれば傷つきもする人間なのだ、と。

その上で必要とされ愛を告げられたことに、タナッセは心底驚いたのではないでしょうか。寵愛者である母に対してもいとこに対しても、どこか引け目と諦めを感じていただけに。

タナッセは選定印と印持ちへの溜まりにたまった鬱憤を、決定的にさらけ出すことなく生きてきました。
主人公への敵意むき出しの態度と選定印奪取計画は、その負の感情を爆発させ、ついには暴走して取り返しのつかないことをしでかすまでのプロセスだったと言えます。

そしてその過程でようやく、タナッセは自分と向き合い、自らの本当の望みを知ったのではないでしょうか。

印を持てばすべてが解決するわけではない。印持ちは優秀だが、弱いところもあるただの人間である。【神の業、人の業】事件を通してタナッセが学んだのは、つまるところその2つの事実だと思います。

タナッセが愛情を自覚したのは、弱いところ、情けないところをさらけ出した相手(主人公)に赦されたためでもあるのでしょう。
しかし根本的には、寵愛者への認識を改めさせられたことが一番大きかったのではないかと思いました。

つまり主人公が徹底的に弱ったところを見てはじめて、寵愛者という色眼鏡を外して主人公個人を見つめることができたのではないか、と。

リリアノに対してもヴァイルに対しても、タナッセの方から分厚いフィルターをかけて身を引いていた部分が大きかったと思います。
だからそこから脱したという点が、主人公に愛情を抱く上では大事なことだったのだろうと感じました(めったなことでは印持ちを恋愛対象に出来ないのは、正攻法で愛情エンドを迎えられないことからも明らか)。

もともとタナッセは強いコンプレックスを抱く一方、超人的な印持ちに惹かれやすい人です。当初からの悪感情も、主人公のひととなりのせいというより逆恨みに近かったことを考えると、憎悪の氷解は案外呆気なかったのではないでしょうか。

卑屈に投げやりに他の誰かのために生きていたタナッセが、初めて個人の感情をさらけ出して暴走し、その弱さも含めて許容され素直な愛情を貰ったとしたら……むしろ、コロッといっても不思議ではないと思います。

タナッセ個人として他者に慈しまれ肯定されたことがあまりなさそうに見えたので、なおさらそう感じました(リリアノもヴァイルもタナッセのことを大事に思ってはいるんですが。ランテ家の3人は不器用で、何かと後手に回りがちな印象です)。

もちろん罪悪感から責任を感じて主人公と結ばれたという側面はあると思います。愛情ルート終盤のタナッセの言動は、後悔に満ち満ちているので。

ただ、愛情エンドの最終日に主人公が結婚を断ると、それでも執着があるからとタナッセは城に残るんですよね(後日談より)。直前に城が大嫌いだという素直な心情を明かしたばかりなのに。
また、【信仰に励み】では、神に主人公との巡り合わせを感謝したいという内容の発言を見ることができます。

以上から、一応タナッセなりに主人公を好きになって結婚を申し込んでいるんだろうなと思いました。

まあ上に書いたような感じでタナッセの感情の変遷はまだ想像がつきました。しかし理解しがたかったのは、主人公の感情の方でした。

婚約後にコロッと傾く単純な主人公はどうかと思うし、殺されかけて助けられただけで反転を起こす主人公もストックホルム症候群を彷彿とさせて怖い。地底湖に突き落とされて愛情が芽生えるのは論外です(ただ、攻略のタイミング的には悪くないんですよね)。

しかし色々と考えて、自分の中で納得できる答えを見つけました。それは、友情ルートと並行して【神の業、人の業】を起こした場合です。
つまり、友情と憎悪を同時に育み、最終的に友情度の高い愛情エンドを迎える場合ですね。

友情ルートは、同じ目線で喧嘩しつつタナッセの長所がしっかりとわかるルートです。だからその延長線上でとんでもない事件を起こされたとして、ホンマに仕方ないヤツやな~と呆れつつ許容する主人公なら理解できました。

友情ルートを経由して【神の業、人の業】を起こす攻略(一心同体狙いについては、別項をもうけて書きました(「一心同体」の愛情エンド)。

色々と考えた結果、この項目だけ長くなって申し訳ないです。タナッセの愛情ルートは、やはり反転システムを活かした演出がいいですね。

【神の業、人の業】から【生殺し】まではただただ微笑ましく、【生殺し】後のちょっとしたことで赤面したり意識したりのタナッセを眺めるのも楽しかったです。【たまの孝行】でのリリアノとのやりとりは特に好きです。

エンドとしてはヴァイルやユリリエも登場する愛情Bが好きですが、あれだけ嫌がっていた城に残り主人公を支えてくれる愛情Aも真摯な愛情がうかがえてかなり好きです。

ちなみに前者では、故郷の村と王城に対する主人公の印象度に応じて、タナッセが用意する領地が変化するようです。
プロポーズの言葉といい、タナッセが主人公のことを真剣に考えてくれていることがわかって嬉しくなるエンドでした。

憎悪

最初から最後までひたすら憎み合うルートです。

エンドは2通り。ヴァイル好愛35以上&タナッセ印愛35以上&最終日にタナッセに告白という特殊な手順を踏む必要のある憎悪Aと、それ以外の憎悪Bに分かれます。

憎悪Bはともかく、憎悪Aのぶっとびっぷりとドロドロ具合には驚愕しました。ついにタナッセ覚醒と銘打ちたくなるエンドでした。そのトリガーはやはりヴァイル。かもかてのキャラはブレないですね。

ヴァイルと将来の約束→憎まれていると分かってタナッセに告白→男に分化……ってレハトさん何を考えて動いているんですか、「ヴァイルがいいな、タナッセもいいな、でももうどっちもいらない」ってことですか、と聞きたくなりました。
正直な話、ヴァイルとタナッセがくっつくようにお膳立てしてあげたようにも見えます。

主人公が男になると決めたのを見てヴァイルが女に分化したのか、それとも主人公とは関係なくタナッセがヴァイルに女になるようにと説得したのか。順序が気になるところです。
憎悪Aの条件を見るに、主人公が男に分化→ヴァイルが女に分化→タナッセ必死で口説くという流れが妥当でしょうか。

プレイ当時はまだタナッセとヴァイルの関係に気づいていなかったので、いとことして大事にしていたのではなくそういうアレだったのか……と困惑しました。まあ結婚してしまえば、確実にヴァイルを主人公から遠ざけられますよね。

もっともヴァイルは主人公に未練を残しているし、タナッセはそんなうヴァイルを見て思い悩みそうだし、元々こじれている二人なのでうまくいくのかは不安なところです。ランテ家が変わらず断絶しているのも不穏でした(子ができなかっただけかもしれませんが)。

とりあえず、タナッセは熱くなるのが遅すぎると思います。

タナッセの憎悪Aは、個人的にはあまり好きではないです。攻略キャラ同士でくっつくのが嫌ということではなく、一対一で憎み憎まれることができないのが残念でした。

このゲームにおいて、愛情と憎悪は同軸の両極に位置する感情です。

だから、どうせなら憎悪ルートでも愛情ルートのように、主人公対攻略キャラのみでドラマを見せてほしかったです。たとえ他キャラがトリガーになるとしても、その後はお互いを見据えて憎み合ってほしかったというか。

タナッセ憎悪Aの場合、そもそもの憎悪を抱いたきっかけ憎悪爆発のトリガー憎悪持続の動機もすべてヴァイルであって、結局主人公を通り越してヴァイルを見ているだけです。
これだけすべての理由がヴァイルに揃えられているということは、おそらく一定の意図を以て描写されているんだろうなとは思います。

普段は見られないタナッセの本心(ヴァイルのためにはなりふり構わない)を見られたことは収穫でした。しかし、やっぱりいまいちノリきれなかったというか、肩透かしだったかなーというのが個人的な感想でした。

憎悪Bにしても、【最後の日】を含め特に波もなく憎み合うだけで、タナッセ覚醒のタイミングがいまひとつ掴めなかった印象です。まあ刺されかけたわけですから、怒るのも当然だとは思いますが。

友情

友情ルートのエンディングでは、基本的にタナッセが城を出ていきます。

城に残留(引き止めに成功)すると友情A、詩人イベントを完遂すると友情B、それ以外は友情Cです。

やや難易度の高いルートです。 まず、好友度がマイナスからのスタートであるということが一つ。そしてこのルートにおける特殊なフラグの立て方がややこしく、スケジューリングが難しいことが一つ。

前者については、タナッセは好感が印象に引きずられるキャラなので、印友をどんどん振ることでカバーしていきましょう。

後者についてですが、タナッセは他の多くのキャラのように、いつでも決まった場所にいるわけではありません。10日には正門、20日には玉座の間、30日には広間……という風に毎月自分なりの習慣に沿って行動します。

週単位で細かくイベント指定があるのはタナッセくらいのものです(忙しいリリアノも若干そういう傾向あり)。

そういった行動パターンを把握できていないうちは、効率よくイベントを消化するのが難しくなると思います。だからタナッセ友情は、ある程度このゲームとタナッセの他ルートに慣れた後で攻略することをおすすめします。

慣れてみればスケジュールがはっきりしているので逆に要領よく進めることができ、マイナススタートでも最終日にはしっかりと「心の友」になれるはずです。

友情ルートの攻略方針について書きます。

頭の良いキャラなので、基本的に知力と交渉は高いほど有効です。真っ当かつ対等に相手をしてくれる人に飢えている感があるので、嫌味に負けじと反論すると好友度がアップします。

逆に、「暴力に訴える」「むやみに無視する」などの言動はアウトです。

この友情ルートでは、タナッセの秘密を知るか否かでエンドが分岐します。タナッセは隠し事が上手いとは言えないので、勘が良い人はすぐにそれと分かるでしょう。

問題は、いくつかのイベントで特殊なフラグ、すなわち「詩人フラグ」を5つ立てなければいけないということです。

フラグを立てる為にはタナッセの高い好友度が必要になることが多いです。しかし先述した通り、タナッセのイベントスケジュールは複雑かつタイトです。そのため、たとえば以下のような問題が発生しがちです。

  • 詩作や勉強関連のイベントには好友度(と知力)を上げてから臨みたいのに、イベントの出現順がカッチリと決まっていてタイミングが合わない
  • あるイベントを逃すと来月まで待たなければならない

また、タナッセの好友度が上がるポイントは、けっこう複雑な箇所に仕込まれていることがあります。
たとえば、村と城の印象をマイナスにした上で「村に帰りたい」と言うと好友度が上がったりします(どこへ行こうと居場所がない、故郷でさえ好きになれない主人公に共感を覚えたのか)。

とりあえず好友度が足りないと始まらないので、非公式の攻略サイトなどを適宜参考にしつつ進めるのもいいかもしれません。

タナッセと真っ当に対等に友情を育めるので、友情ルートはかなり好きです。愛情ルートは二人の力差関係を見て複雑な気分になることもあるので。

【望まぬ縁】あたりまで来ると、友人を得たタナッセの毒気の抜けっぷりにびっくりしつつ笑います。最終日まで行くと嫌味など欠片もなく、素直にこちらを認め弱気な姿も見せてくれるので感動もひとしおでした。

また、このルートでのみ、タナッセの実の父であるクレッセと対面できます。さすがはリリアノの元伴侶なだけあり、一見茫洋としていますが食えないおじさんでした。

パッと見の容貌こそタナッセに似ていますが、クレッセの柳のように飄々とした態度と強かさはタナッセには無いものだと思います。タナッセはむしろ母親の方によく似ているんだな、と実感できました。

本人の才能と望みを考えるなら、ディットンで正式に詩人を目指す友情Bが一番いいのかなと思います。

とはいえ、個人的には城に残留する友情Aも好きでした。愛情Aもそうですが、多少つらいことがあっても今まで目を背けてきたことに向き合う終わり方は前向きでいいなと思います。

タナッセは今までの生き方や他ルートでの決着を見ても、他の人のためにばかり生きている印象が強いキャラでした。当の本人もそれをよしとし、他人の為でないとなかなか本気が出せないタイプだから、余計に話がこじれていくのでしょう。

友情ルートは、タナッセが多少なりとも自分に自信を持ち、自分の人生を生きようと決意したのが伝わってくる結末が多くてほっとしました。全体を通して余韻は爽やか、後顧の憂いもなさそうで安心です。

この友情ルートで挑戦できる、正攻法愛情攻略の感想・攻略については、別項をもうけて書きました(友情ルートで愛情攻略)。

裏切

裏切エンドは、愛情ルートからの1通りです。タナッセを翻弄してばかりで申し訳ない気持ちになるエンドでした。

例の事件の負い目もあったとはいえすんなりと引き下がったこと、罪悪感からでも愛情からでもずっと主人公を気にかけてくれたことを思うと、複雑な気持ちになりました。

ところで、タナッセが置いていった指輪に関しては、最初はクエスチョンマークが浮かびっぱなしでした。

後になって気づいたのですが、【神の業、人の業】後の主人公は体力の上限が200から100になってしまうようです。

これは、タナッセが儀式によって主人公を“食った”かららしいです。この≪人を食う法≫については魔術師の彼女のルートに詳しいのですが、詳細を知ったのはかなり後のことでした。

つまりあの指輪は、城を出奔したタナッセが魔術に手を出し、奪った主人公の生気を込めて返しに来たということを示すようです(体力半減って相当なので、主人公が寵愛者でなかったら、儀式が行われた時点で食い尽くされて死んでいたんだろうと思います)。

【生殺し】でタナッセとキスをすると主人公の体力が回復することに少し笑ったのですが、そういう実際的な理由があったと知って驚きました。

この魔術要素を考えると、【神の業、人の業】を経た主人公には本能的にタナッセを求める理由があるのかもしれません。

殺害

友情派生、憎悪派生、【神の業、人の業】告発派生など、エンディングまでの過程はさまざまです。

友情派生の場合は、憎悪を隠しつつ親しくなって油断させます。憎悪派生と告発派生の場合は、真っ向から憎み合いましょう。

友情派生は、主人公の冷酷なモノローグが怖かったです。レハト怖い。

憎悪派生の場合、あまりに憎まれ過ぎる(好憎を35以上にする)と警戒され、失敗した上に憎悪エンドになります。あまり追い詰めすぎず、ほどほどに憎まれましょう。

神業派生の場合は、終盤ランテ家の人間に憎まれまくるのでヒヤリとします。

タナッセに選定印がなかったことを本当はどう思っていたのか、リリアノから教えてもらったときには胃がキリキリしました。彼女の息子への愛情の底なしの深さに初めて気づいたルートでもあります。

私は基本的にリリアノが大好きなので、タナッセの処刑以上に彼女に憎まれたことがショックでした。リリアノ=公平な人という前提が頭の中にあったんですが、本当は少し違うんだと分かって驚き、ますます彼女のファンになりました。

というよりこの告発派生の殺害エンド、個人的にはタナッセに対しての感想があまり思い浮かびません。ヴァイルとタナッセが絡むとプレイヤーとしてはどうにも置いてけぼりになるなと改めて感じたくらいでした。

これから処刑というときに告発者が面会に来るって絶好の本音ぶちまけタイムだと思うんですよね。しかしタナッセはそれまでと特に雰囲気も変わらなかったので、憎悪的な意味でちょっと物足りなかったです。

タナッセとヴァイル

このゲームは、あらかじめ攻略キャラ同士の関係性ががっちりと組まれていることが多いです。王城という狭い場所で長く暮らしてきたランテ家の3人、そして彼らに関わりの深いキャラはその傾向が顕著です。

主人公は、様々な過去を共有し関係性も出来上がっている人々の中に突然放り込まれるわけです。

タナッセとヴァイルは、いとこ同士です。
今でこそ仲が悪いように見えますが、昔はどうやら両思いに近い関係だったらしいです。色々なイベントを拾っていくと、両者ともに互いを気遣う描写が散見されます。

他の貴族たちも皆、タナッセの成人までは、ヴァイルとタナッセは将来的に結婚するのだろうと予想していました。
しかし、タナッセは色々と思うところがあったらしく、「成人したら男になる」と公言していたヴァイルに合わせて女性になるのではなく、男性に分化しました。

過去に色々とすれ違ってこじれた結果、現在はもうどうにもならない。それがこの2人です。タナッセとヴァイルの詳しい過去については、公式HPで小説を読むことができるそうです。

この2人の関係、プレイヤーとしてはなんとももどかしかったです。2人の壊れた関係と互いへの未練を見せられる機会はけっこう多く、そのたびに「じゃあ、主人公は何をすればいいんだろう」と思いました。

何がもどかしいかと言えば、見せられるだけ見せられて2人の関係にはまったく立ち入れないことです。

他の攻略キャラクターの中にも、他キャラへの未練だったり強い思いだったりを抱えている人はいます。しかしそのキャラたちには、主人公が何かしらアプローチすることで、関係の修復を手伝ったり背中を押したり……といったことができました。

しかし、タナッセとヴァイルについてはそれができない。2人が言い合っては気まずい雰囲気になったり、一方にもう一方をよろしくと頼まれるたびに、「ふーん、過去に何かあったんだね……」と傍観するしかない。

「それで、主人公に何かできることはないの?」とプレイヤーとしては思ってしまうわけです。

もう修復不可能な2人としてタナッセとヴァイルが描かれているのはわかります。しかし、主人公の働きかけによって何かが変わる展開があってもよかったんじゃないかと思いました。

ただでさえ主人公はタナッセとヴァイルの「過去に何かがあった空気」に巻き込まれ、感情的・物理的な被害をこうむりがちなところがあります。
だから、もう2人でさっさとくっつけばいいんじゃないの、とスッキリしないものを感じてしまうことが時々ありました。

タナッセ憎悪Bのように嫌な方向での縁結びでなく、まともに2人をくっつけてあげられるエンドとか欲しかったですね。恋愛シミュ要素を含む以上、それは難しいのかもしれませんが。

【神の業、人の業】について

すごく格好いい名前だと思います、【神の業、人の業】って。

【全てを別つ選択】【継がれゆく世代】など、各キャラクターにとっての重大なイベントには格好いい名前が付けられていることが多いです。また、【神いずこ】【神様の間違い】など、物語世界で大きな存在感を持つ「神」というワードが入ったイベント名も印象的です。

【神の業、人の業】は、重要イベントかつ「神」というワード入りなので、個人的に盛り上がるのかもしれません。

ところで、タナッセが例の魔術師に印を奪う方法があると話を持ちかけられたのは、昨年の赤の月のことらしいです。物語が始まる半年ほど前の話になるのでしょうか。
そして、最初はヴァイルを贄にするつもりだったが思い切れず、かといって魔術師との関わりを完全に断つこともできなかったタナッセの前に、主人公が突然現れました。

何の背景もなく出てきて印を得ている主人公が憎かったとタナッセは言います。

そもそも、どうしてタナッセは【神の業、人の業】を起こしたのでしょうか。

儀式での様子を見るに、主人公の選定印を自分に移したかったらしいことは分かります。
しかしタナッセは、徴が欲しかったわけではないということを何度か言っています。事件後には、徴ではなくここにいてよいという赦しが欲しかったとも。

初見ではリリアノの息子として認められたかったことを言っているのかと思いました。しかし色々とイベントを見ていると、タナッセはヴァイルへの思いに突き動かされていたのだろうな、と感じるようになりました。

正直なところ、「これは神の業であって人の業であってはならない」というタナッセの理屈には疑問を抱きました。

問題は例の魔術師です。彼が他に雇い主を見つけたり、あるいは情報を売ったりする可能性は大いにあると思います。というより立場上、タナッセの側でそれを考慮してしかるべきではないでしょうか。

もしも人の業によって選定印がどうにでもなることが少しでも漏れれば、貴族たちは血で血で洗う闘争を始めると思います。 リリアノも言っていたように、王にとって大事なのは「印」以上に「人」です。王の唯一の証たる選定印の信憑性に少しでもケチがつけば、今のリタントの王制や王権は揺るがされ、ヴァイルやリリアノの身命も脅かされることになります。

胡散臭さがフードを被って歩いているような例の魔術師相手に、そういったことを考えなかったらしい様子を見ても、タナッセの追い詰められ具合がよくわかります。

タナッセはたしかに、印そのものを得るために魔術に手を出したわけではないのでしょう。ヴァイルから印を奪えばヴァイルを解放してやれる。主人公から印を奪えばヴァイルの傍に居てやることができる。それがタナッセの思考の道筋だったのではないでしょうか。

一人だけで自由になってヴァイルを残していきたくはない、傍にいてやりたい、しかし印持ちでない自分にはきっとそれができない、だったら主人公の印を奪ってやればいい……という。

印の有無の問題なんだろうかと思わなくもないですが、タナッセの中では印=大切な人の傍にいてもいいという赦しだったんだろうなと私は思いました。

友情ルートで愛情攻略

上で書きましたが、タナッセはまともに攻略しても愛情エンドを迎えることができないキャラです。

しかし、友情ルートと並行して好愛度をキャップギリギリまで上げることは可能であり、【告白】しようと思えば出向いてくれる程度にはほだされてくれます。

※【告白】で攻略キャラを呼び出すには一定の好愛度が必要。

タナッセは、か弱くて鈍臭いけど一生懸命頑張る子が好きなようです。
悪口を言われて戸惑ったり泣いたり、たどたどしく詩を読んだり、訓練に熱心に誘って下手くそ同士打ちあったり、素直に疲れたという本音を漏らしたりするとわかりやすくときめくタイプです。

こう言うのもアレですが、イメージとしてはヴァイルとは正反対な子として振舞うのがいいと思います。大事なのは親しみやすさです。超人的な部分を見せるのはよくありません。

攻略する際に押さえておきたいのは、だいたい以下のポイントでしょうか。

  • 好感の引きずられ修正を狙う(後々の選択肢のためにも印愛は高く保つ。もちろん印友にも振り、さっさと好友を10以上にする)
  • オープニングは見る(好愛が上がるポイントが存在する)
  • 占いを活用(場合によっては初期好愛が高い他キャラを出さないか、好感度を下げることも考えるべき)
  • 交渉を高め、好愛が0以上になったら贈り物×2攻勢(好愛0以上でないと受け取ってもらえない)

実際のクリアデータを見ると、占い3回、贈り物2回でした。

ここからは実際にプレイしたときの感想です。

黒の月に入ると、励みイベントを始めとし、【雨の日の遭遇】【ささやかな儀式】【もう一つの未来】など通常は愛情ルートでしか見られないイベントが連続して発生しました。思わずテンションが上がったのを覚えています。

そしてその中でも驚いたのが、【宿題提出】でした。これは【知恵の時代】派生の、タナッセに課された宿題を提出しに行く中日イベントです。

好愛が高い場合、宿題を提出後になんと部屋で一緒に夕食を食べようと誘われます。イベントが進行して初めて、これいつもと違うとびっくりしました。「何で?」と聞くとわかりやすくツンデレてくれるのでオススメです。

この正攻法愛情攻略では、あえてお互い「親友以上を望み」でとどめておくのが個人的には好きです。【最後の日】に告白して冗談だと茶化し、今後を心配されるパターンもいい感じです。

愛の告白については、中日でも【最後の日】でも断られます。とはいえ反応自体は満更ではありません。中日の告白では、「嫌いではない」とはっきりと言いさえします。

しかし、どちらにしても主人公の今後を考えたのか身を引いてしまうんですよね。王配失敗例であるクレッセのこともあるしディレマトイのこともあるし、やはり相当の心の準備がなければ受け入れられないのだろうと思います。

友情エンド後に恋愛関係に発展するというのも、このルートに限ってはない話ではないのかなと思いました。

「一心同体」の愛情エンド

このゲームでは、愛情と友情の数値に応じて心象にコメントが付きます。たとえば「もっと仲良くなれそう」「こいつは敵だ」などです。そして、愛情・友情ともに最大になった場合、心象は「一心同体」と表記されます。

というわけで、タナッセの好感度が「一心同体」になる最終結果を狙ってみました。

タナッセの愛情を最大にするには、【神の業、人の業】を経由するしかないです。方針としては、友情憎悪を一緒に上げて【神の業、人の業】を起こし、憎悪だけを反転させて「一心同体」に持っていくことになります。

この攻略の鍵を握るのは、ヴァイルの好感度の高低です。もっと言うと、ヴァイルの好愛をできる限り下げる必要があります。

というのも上に書きましたが、【神の業、人の業】を導く中日イベント【不穏】を起こすためには、「タナッセの好感度+ヴァイルの好愛度=負の数」でなければなりません。

通常の愛情ルートなら、初日以降ヴァイルにノータッチでありさえすればほぼ問題ない条件です。しかし、タナッセの「一心同体」狙いだと話は違ってきます。なぜかと言えば、ヴァイルの好愛はもともと高めに設定されているからです。

友情と憎悪を一緒に上げていくので、必然的にタナッセの好感度は±0に近づきます。
しかしヴァイルの好愛は初期状態でプラスであり、それなりに高いです。つまり初期のまま放置しておくと、上式の計算結果が「正の数」になってしまうのです。

したがって、ヴァイルにノータッチなだけでは【不穏】の発生条件を満たせず、【神の業、人の業】が起こらなくなります。ゆえにヴァイルの好愛は意識して下げなければなりません。

最初の下げ方の手順だけ書いておきます。下記の1~5までを終えれば、好愛度がかなり下がるはずです。

  1. ヴァイルの印象度について、憎悪を多めに振って印象全体をマイナスにする
  2. 城の印象をマイナスにする
  3. 最初の月の最初の中日に、【彼なりの案内】が発生
  4. ③のイベント内でヴァイルの誘いを受けて城内を案内してもらう
  5. 最後に「城をどう思うか」と問われたら、「すぐにでも出ていきたい」と答える

実際にプレイしたときは黄の月下旬で【不穏】の条件が満たせなくなり、試行錯誤を重ねたことを覚えています。

解決策として、もう一度ヴァイルのイベントを起こして好愛度を下げました。ヒヤッとしたものの、なんとか翌月に【不穏】が発生し、その後は無事に「一心同体」エンドを迎えることができました。

先にも書きましたが、この攻略法の末に愛情エンドを迎えると、タナッセを受け入れた主人公の感情もなんとなく理解しやすかったです。

【望まぬ縁】は発生したのですが、はたしてこの攻略法で【詩人の正体】は出せるものなんでしょうか。調整がシビアで大変だったのでしばらくやり直したくはないですが、また気が向いたら挑戦してみようと思います。

嫉妬・夢イベント/ヴァイル憎悪監禁エンド

タナッセの嫉妬イベントは、どれもすこぶる押しが弱いです。時期的に仕方がないとはいえ腰が引け過ぎ。

特に、サニャ嫉妬の「……殴られてしまうからな」は思わず笑いました。ルージョン嫉妬の勘違いも同じです。

真面目なことを言うと、大事な人相手に強く出られない気質なんだろうなと思います。リリアノに対してもヴァイルに対してもそうです。肝心なことを言わずに理由をつけて退いてしまうんですよね。私には何も言う資格はないが決まり文句というか。

ユリリエ嫉妬のユリリエさんは、そこを指摘した上でライバル宣言してあげるあたり安定の格好良さでした。あと、リリアノ嫉妬の勝ち目のなさすぎるタナッセは不憫で可愛かったです。

夢イベントについて。【愛しき夢】については、思春期としか言いようがありませんでした。成人しているのに。
【親しき夢】は、穏やかに偉そうな態度がなんだか面白かったです。タナッセもヴァイルと同じく、主人公と一対一で遊ぶ夢を見ていたのでしょうか。

ヴァイル憎悪監禁エンドとタナッセ愛情エンドを並行しました。
城に残り、新王と対立したらしいです。あれだけ城が嫌いだと言っていたのに申し訳ない結末でした。

ヴァイルとタナッセの対立ってそれこそ泥沼のような気もします。主人公がランテの屋敷に監禁される憎悪Cならまだしも、城監禁の憎悪Bはロクなことにならなさそうで想像するだけで気の毒です。

*****

記事を書くために軽くプレイし直したり、キャラの設定を見直したりして思ったのですが、このゲームにおけるタナッセというキャラの役割はかっちりと定まっていないような気がします。他のキャラは立ち位置や役割分担がはっきりしているのですが。

たとえば、ヴァイルは主人公の対となる存在かつライバルであり、同い年の国王候補です。リリアノは主人公の庇護者であり、親世代であり、リタントの国王です。

その他侍従であったり、衛士であったり、官吏であったり、神官であったりと、所属や出身が異なっていることがほとんどです。だからこそ攻略することでゲームの世界観を掘り下げることができます。

そんな大多数と比較すると、タナッセのポジションはふわっとしているように思えます。
貴族というほど貴族らしくもなく、王子というほど王子らしい扱いを受けているわけでもない。貴族要素はユリリエに、王子要素はヴァイルに分配されるものではないでしょうか。

強いて言うなら詩作関連の掘り下げはありますが、それは世界観を構成するほど大きな要素ではないでしょう。攻略的な役割を言うなら、主人公を敵視するキャラという役割があるのかもしれません。

ただ、ポジションが固定され過ぎないからこそ、タナッセというキャラは動かしやすく扱いやすいのかなと思います。最初に書きましたが、血縁者の多いキャラでもあるので美味しい絡みが多い人です。

また、タナッセは攻略キャラの中で最も選定印に興味と疑問を抱いているキャラだと思います。選定印を持つ人間が身内に2人もいるせいでしょうか。

選定印は本当に王の証なのか、本当に神が与えたものなのか。感情的になっているところもありますが、学術的な見地から色々と考えている様子がありました。魔術師の話に乗って【神の業、人の業】を起こしたのも、印に強い思い入れを持つタナッセならではという気がします。

ここまで書いてきて、タナッセの役割は「選定印や寵愛者の研究、客観視」にあるのかもしれないと思いました。

たとえば主人公が存在しないif世界では、タナッセは何を思ったのか神殿入りし、大神官長の座にまで登りつめるそうです。
王国内の神殿を統括する古神殿は、代々大神官長にのみ明かされる秘密を有していると言われています。ヴァイルの死を機に、タナッセは世界の秘密を解き明かしてやろうと決めたのでしょうか。

そもそも「孤独な寵愛者の身内」というのは、ヴァイルやリリアノ、ひいては寵愛者という、範囲としては狭いながらも世界観に深く関わる要素の掘り下げには必須の役割なのかもしれません。

久しぶりに最初から攻略すると、そういえばタナッセって嫌な奴だったなーとしみじみ思います。序盤は本当にひどいことしか言わないんですよね。態度は悪いし高圧的だし、主人公の出自に理解があるわけでもなく貴族思考だし。

ただ、愛情ルートにしても友情ルートにしても心を開いた相手へのしおらしさを見ていると、まあタナッセだし仕方ないという気持ちになります。あの毒気の抜けっぷりが本当に面白い。

個人的には吹っ切れた憎悪エンドのタナッセも好きですが、やはり苦労性でいじられがちなくらいがタナッセらしくていいなと思います。

その4は、タナッセの父方のいとこであるユリリエについての感想記事です。イベントリストの順番でいうと本当はリリアノが次にくるのですが、諸事情からユリリエの後に回します。

次回:『冠を持つ神の手』 ユリリエ 感想 攻略 その4

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以下は拍手コメントへの返信です。少し下げます。 (2017/04/03)

> きいしま様

返信が遅くなって申し訳ありません。拍手コメありがとうございます! とても嬉しいです。

キスで体力回復は、私も最初はどうしてなんだろうと思いつつ笑っていました。なんだか面白くて。
ずいぶん後でカラクリに気づいたときは、そういうことかーとびっくり納得だったのを覚えています。かもかての設定は本当に緻密だなと思うばかりです。

他の感想記事も楽しく読んでいただけたようで嬉しい限りです。プレイ時の楽しさが伝わるような記事になっていればいいなと思っているので、とても励みになります。ありがとうございました。

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