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『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』 世界各国の要人と恋するノベルゲーム レビュー その1

2018/12/29
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「希望の灯火」を探し求める女性向け恋愛ゲーム(乙女ゲーム)、『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』のレビュー記事です。ネタバレは少なめです。制作者は沢良木由香里(さわらぎゆかり)様。作品ページ(Script少女のべるちゃん)はこちらです。 → 『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ スクショ 各国の要人たち

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ

『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』は、一部選択肢のあるノベルゲームです。攻略対象キャラは6人+隠しキャラ1人。各キャラルートは12章で構成され、終盤の選択肢によってエンドが分岐します。1つのキャラルートをクリアするのにかかる時間は、だいたい3~4時間程度でした。

主人公はホテルスタッフとして働くかたわら調香師を目指す女性。主要国の代表が顔を揃える式典に臨時スタッフとして駆り出され、同年代の各国要人と知り合うことになります。

キャラルート&エンディングのネタバレをガッツリ含むキャラクター感想を分割し、「記事その2」としてアップしました。攻略キャラ6人全員について書いています。

≪関連記事:『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』 攻略対象キャラ6人のストーリー&エンディング感想 ※ネタバレ注意 その2

『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』のあらすじ

最初に、『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』のあらすじを書きます。

主人公(デフォルトネーム:倉間マドカ)は、調香師を目指す25歳の女性です。かつて調香師だった母親とともにパフュームショップを開くことを夢見て、ホテルとバーの仕事を掛け持ちし、忙しく働いています。

ある日主人公は、勤務しているホテルの支配人から、「王室御用達のカムジェッタ・ホテルの臨時スタッフとして働いてくれないか」と打診されます。

実は、主人公が住む「カムジェッタ国」では近々、全世界親交式典が開催されることになっていました。ブルダム王国、イムリバ王国、スランビュー王国、ヴァンリーブ王国、そしてプルーシェ帝国。主要国の代表者が一堂に会するのは、先の大戦以来初めてと言ってもいいことです。ゆえに、全世界がこの式典の成り行きに注目している状況でした。

主人公は主要国すべての言語を話せることから、多言語に対応可能なスタッフを求めているカムジェッタ・ホテルに推薦されたのです。格式の高いホテルで働くことに気後れしつつも、主人公は給金の高さに釣られてこの仕事を引き受け、式典の1か月前からカムジェッタ・ホテルで働き始めました。

そして迎えた当日、主人公は式典パーティーで様々な人間たちと顔を合わせます。ある男性からは初対面で辛辣なことを言われ、ある男性とは初対面で一触即発の喧嘩に発展し、一方で顔の好みがドストライクな青年に出会い、10年来の付き合いであるストーカー疑惑の男性もなぜか会場にいて……と、とにかく目まぐるしい一日を働き過ごした主人公。

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ スクショ グレイのスピーチ

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ

しかし、パーティーの最後に彼女を待ち受けていたのは衝撃の展開でした。なんと主人公が顔見知りになった彼らはみな、主要国の要人として式典に出席した人物だったのです。

次々に壇上でスピーチする彼らを見て、驚き固まるしかない主人公。呑みこみきれない現実を前に、くじいた足と疲れ切った体を引きずってとりあえず帰宅することにします。しかし、帰路についたところで後ろから声をかけられ……。

ひょんなことから要人たちと知り合った主人公の運命は? どの要人と親しくなるか、そして終盤にどの選択肢を選ぶかによって、主人公と攻略対象キャラの行く末は様々に分岐します。

『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』の魅力

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ スクショ ダリオとベルナルト

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ

一般人である主人公が世界各国の要人(王子・貴族)と知り合う……『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』(以下『セロシア』)を一文で言い表すと、そんな説明になるかと思います。

ゲームをスタートした時点では、「身分差恋愛のロマンス感や苦しさを楽しむゲームなのかな」とほとんど興味本位でプレイしていました。しかし1人目の攻略を終えた頃には、すっかりゲーム世界に魅了されている自分がいたことを覚えています。

コミカルからシリアスまで味わえる、緩急のついたボリュームたっぷりのストーリー。ドラマチックで抒情的な演出。章区切りを利用した引きの良さ。攻略対象キャラと主人公の複雑で細やかな背景設定。恋愛だけではない、攻略対象キャラの立場を活かしたほどよい政治(経済)要素。

どれもこれも本当に素晴らしかったです。一言で言えば「めっちゃ面白い」に尽きます。数時間かけてキャラルートをクリアしたのに、「早く次のキャラルート読みたい~!」的なテンションになってしまう、それだけグイグイ物語に引き込まれるゲームでした。

好きなところを挙げていくとキリがないですが、『セロシア』はまず構成が巧みな作品だと思います。大事な章の終わりでは、たいてい「次はどうなるの?」とプレイヤーの興味を引き付けてから、"to be continued..."となるんですよね。引きの良さにくぅ~っとなる場面が何度もありました。

あと、重要シーンでの気合の入った演出も見事です。個人的に印象に残っているのは、セルジュルートでセルジュの過去が明らかになる場面でしょうか。ネタバレになるのではっきりとは書きませんが、セルジュとマドカのやりとりに合わせて周囲の景色が移ろう、そのタイミングとSEの良さに感嘆しました。

どのルートも相当にボリュームがありますが、それを必要以上に意識させないように章単位でも場面単位でも区切りが付けられているのもグレートです。緩急の付け方がまた巧みなので、最後まで飽きることなく読み通すことができました。

最後に、主人公のマドカにしても6人の攻略対象キャラにしても、等しく魅力的なのが何より素晴らしいと思ったポイントです。誇張なしにどのキャラにも好感が持てるので、プレイしていて楽しかったし非常に快適でした。詳しいキャラ感想は次回の記事に譲ります。

≪関連記事:『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』 攻略対象キャラ6人のストーリー&エンディング感想 ※ネタバレ注意 その2

『セロシア』世界の主要6か国まとめ

『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』の舞台は、現代と同じ文明水準の世界です。ほぼ21世紀の現実世界と同じだと考えてOKだと思います。

登場する架空の主要国家は、カムジェッタ、ブルダム、ヴァンリーブ、プルーシェ、スランビュー、イムリバの全部で6か国(隠しキャラの国を加えるなら、計7か国)。

カムジェッタやヴァンリーブなどは欧米諸国(なかでもスランビューは東欧)、イムリバは中東国、ブルダムは東アジア諸国をモデルにしている印象です。一応人種設定も存在し、カムジェッタやプルーシェなどが白色人種の多い国である一方、ブルダムやイムリバは有色人種の多い国です。ちなみに、主人公マドカは後述するアマネやモルテザーと同じく有色人種です。

大きな特徴として、登場する国々の大半は「君主制」を採用しています(議会は一応存在するものの、立憲君主制というわけではなさそう)。そのため、主要国の要人である攻略対象たちは、「第一王子」であったり「王位を継承できる家柄の人間」であったりします。

主要国の中で唯一王政を敷いていない国が「カムジェッタ国」であり、主人公マドカが現在居住している&要人たちが式典参加のために訪れる国も、このカムジェッタです。

攻略対象キャラは6人(+1人)存在し、それぞれ出身国が異なります。1国につき1人の攻略対象キャラがいるわけですね。以下では主要6か国について、基本的な情報を中心にざっくりとまとめてみました。

ブルダム王国

概要:「ブルダム王国」は、独自の文化を持つ東方の国です。人種や文化、生活習慣、国民性などの大部分について、日本がモデルの国家だと思われます。

特徴:ブルダム王国の特徴は、世界でも有名な学歴国家であるということ。小学校卒業後の試験によってエリートコースに進むか否かが決まるほか、少なくとも大卒でないとろくな仕事には就けません。その結果学歴による社会の分断が激しく、貧富の格差が広がり固定化しつつあります。早期選別&学力至上主義な部分については、日本というよりシンガポールっぽい感じですね。

国民性:ブルダムには真面目で規則正しい国民が多いと言われています。その反面しきたりや体裁にこだわりすぎるところがあり、やや息苦しさもあるお国柄のようです。

攻略対象キャラ:ブルダム出身の要人は、前の国王の息子である「アマネ・ブルダム」です。現国王はアマネの父の弟(つまり叔父)であり、アマネの父が不幸な事件で亡くなったために王位を継ぎました。現国王には子供がないため、ゆくゆくはアマネが次の国王として即位することになっています。

ヴァンリーブ王国

概要:「ヴァンリーブ王国」は経済的に豊かな力のある大国です。先の大戦ではプルーシェ帝国と真っ向から対立しました。そのため、プルーシェとの仲は現在でも冷えきっています。

特徴:その優秀な警察機構において有名なヴァンリーブ王国。今回の式典においても、同国のエリート警官たちが警護を務めています(ヴァンリーブとカムジェッタは特殊な軍事・警察契約を結んでいるので、その他にも色々と融通が利くようです)。

国情:ヴァンリーブは活気ある賑やかな国であり、国王夫妻・第一王子ともに健在です。ただし昨今、国内で王室転覆を企む特殊犯罪組織が暗躍していると言われています。

攻略対象キャラ:ヴァンリーブ出身の要人は、ヴァンリーブ警察の警部である「ダリオ・ドゥーガルド」です。他の要人とは異なる立場にありますが、昔からの個人的な付き合いもあってかごくフランクに接しています。

プルーシェ帝国

概要:「プルーシェ帝国」は、先の大戦でヴァンリーブと対立したもう一つの大国です。雪深く、暖かい日の少ない土地柄だそうです。

特徴:プルーシェ帝国の特徴は、他国との交わりを積極的に持たない閉鎖的かつ排他的な国家であること。ヴァンリーブとの険悪な関係を脇に置いても、移民政策などの点で排外的な姿勢を貫いています。国民のプルーシェ帝室(というより皇帝)への畏敬の念は強く、帝室の人間に無礼を働いた者は非常に厳しく罰されることがあるようです。

攻略対象キャラ:プルーシェ出身の要人は、皇太子孫の「ベルナルト・カウペンガウゼン」です。冷酷な暴君として名高い老皇帝を祖父に持ち、その人となりは若き日の皇帝に生き写しであると噂されています。ベルナルトがマスメディアの前に姿を現すのはこの式典が初めてであり、各国要人でさえもベルナルトの存在についてはほとんど関知していなかったようです。

スランビュー王国

概要:「スランビュー王国」は、豊かな自然と古い遺跡が美しい景観を織り成す国です。近年主要国入りしたばかりであり、先進国としての体面を意識した政策に傾斜しがちです。そのため、貧富の格差の拡大や犯罪発生率の上昇といった、内政面の課題への対応がおろそかになっていると指摘されています。

特徴:スランビューは、伝統的に有色人種への差別・偏見が激しい国家です。エリート層の人間でさえ人種差別的発言をたびたび行うため、ブルダム王国やイムリバ王国を筆頭に、国際社会からは非難の声が多くあがっています。また、一夫多妻制を採用しているなど、近隣の主要国とは文化的な隔たりも見受けられます。子だくさんの家庭が多いことも特徴の一つです。

攻略対象キャラ:スランビュー出身の要人は、公爵家の跡取り候補である「セルジュ・ブラディスラフ」です。スランビューの特殊な王位継承システムによれば、セルジュは条件さえ満たせば王位争奪戦に加わることのできる人間です。しかし、父である公爵の期待に反し、セルジュ自身は王位はおろか家督相続にすら興味を抱いていません。

イムリバ王国

概要:「イムリバ王国」は乾燥地帯に位置する国です。軍事国家として世界に名を馳せ、各国に優秀な諜報員を潜り込ませていると噂されています。

国情:豊富な石油資源を有するイムリバですが、近隣諸国とは国境や資源をめぐって一触即発の緊張状態にあります。また、現国王が高齢であるため、近頃は有力な一族内部での家督争いが熾烈さを増しています。イムリバでは古くから毒による暗殺がお家芸であるため、要人たちの毒への警戒心は非常に強いようです。

攻略対象キャラ:イムリバ出身の要人は、王家に連なる有力な一族の三男である「モルテザー・イムリバ」です。イムリバの王位を継承する資格を持つのは、王家筋の一族において家長となった者のみ。イムリバの姓を戴くモルテザーは、家督を継承し王位を継ぐことを望んでいます。

カムジェッタ国

概要:「カムジェッタ国」は、「永久平和国家」を自称し、あらゆる戦争に関与せず中立を貫いてきた国です。カムジェッタ語は世界の共通語であり、近年では国をまたいだ式典や催しを数多く開催しています。

主人公マドカが居住し、導入部で全世界親交式典が開催されるのもやはりこの国です。各キャラルートに入っても、前半のうちはカムジェッタを舞台にストーリーが進行します。

特徴:カムジェッタの特徴は、他国と違って王政が敷かれていないことです。政治を取り仕切るのは議会、とりわけ貴族院です(民主化されたというより、実質的には議会を盾に貴族たちが王室に成り代わったようなイメージ)。王政が崩壊し王室が消えたのは、わずか10年ほど前のことになります。

国民性:国民性はおおらかで陽気。時間にルーズでおおざっぱな人間が多いという評価もあります。また、主要国の中でも公務員の腐敗が深刻であると指摘されています。

攻略対象キャラ:カムジェッタ国出身の要人は、第一王子である「グレゴリウス・カムジェッタ」です。王室は先に述べたようにすでに存在しないものの、国王とともに一応は王子として扱われています。

リメイクバージョンについて

『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』は、現在Script少女のべるちゃんでプレイ可能です。全キャラ攻略したかったので、基本的にはのべるちゃんでプレイさせていただきました。

セロシアキャンドルをあなたに捧ぐ スクショ リメイクバージョンの攻略対象キャラ6人

セロシア・キャンドル -希望の灯火-

ただし、このゲームにはリメイクバージョンが存在します。タイトル名は、『セロシア・キャンドル -希望の灯火-』。現在フリー体験版が公開されています(ダリオルートのみ、そのフリー体験版で攻略しました)。

リメイクバージョンとオリジナルバージョンの大きな違いは、まずキャラクターの立ち絵でしょう。上に画像を引用させていただいた通り、アマネ以外のキャラの立ち絵が変更され、絵柄が統一されました。前列の2人がダリオとアマネ、後列の4人が左からグレゴリウス、セルジュ、ベルナルト、モルテザーです。

その他、リメイク版にはサイドストーリーや各国観光といった追加コンテンツも予定されているそうです。

リメイクバージョンの体験版でプレイ可能なのは、今のところダリオルートのみです。リメイクとオリジナルでストーリーが一部変更される可能性もあるそうなので、完成版が発表されたらぜひプレイさせていただきたいなーと今から楽しみにしています。

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「ネタバレ込みの攻略キャラ6人の個別感想」は、記事その2に書きました。

記事その2:『セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ』 攻略対象キャラ6人のストーリー&エンディング感想 ※ネタバレ注意

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かーめるん
Admin: かーめるん
フリーゲーム、映画、本を読むことなどが好きです。コンソールゲームもプレイしています。ジョジョと逆転裁判は昔からハマっているシリーズです。どこかに出かけるのも好きです。草木や川や古い建築物を見ると癒されます。

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