【おすすめ】 世界の謎を追って冒険するミステリ&アドベンチャーなフリゲRPG5選 紹介&レビュー

2019年09月08日
おすすめのフリーゲーム 紹介 0

今回は、大好きなフリーゲーム作品をいくつかオススメさせていただきます。お題はタイトル通り、「世界の謎を追って旅するミステリ&アドベンチャーなフリゲRPG」です。

具体的には『魔王物語物語』、『落葉の大地を走れ』、『ふしぎの城のヘレン』、『ユトレピアの伝説』、『OFF』の5作品を紹介いたします。

旅 断崖絶壁 男 一人 見出し画像 ミステリ アドベンチャー Photo by Leio McLaren (@leiomclaren) on Unsplash 3.jpg

謎、旅、冒険。我ながら細かい指定ですが、具体的には以下のような特徴をいくつか備えるゲームです。

  • 本筋のストーリーが謎めいている
  • 旅の目的が漠然としている
  • そもそもこの世界ってよくわからない
  • ゲーム世界に大きな秘密がある
  • PCの背景設定がよくわからない、PC自身もろくに語らない
  • NPCがミステリアスかつ哲学めいたことを話す

まとめると、「大筋のストーリーに謎が多く、序盤で提示される情報が少なく、目的や世界設定がよくわからないまま主人公が各地をさすらい、その中で徐々に世界の姿が洗い出されていく」という構成が特徴的なゲームですね(もちろん、この説明が常にカッチリと当てはまるわけではありません)。

ゲームクリアまでに相当長い時間を要することもあるものの、そのぶん濃厚かつ格別のゲーム体験を味わえることが多く、プレイ後の余韻が長く残る作品が多い印象です。

個人的には「世界の謎」と「冒険」という組合せが大好きで、今回紹介する5作品は夢中になってプレイしました(作品によってはプレイに数十時間かけました)。

『Ruina 廃都の物語』(ファンタジーRPG)も上記の指定にそこそこ当てはまる作品だと思いますが、本筋のストーリーや目的、キャラ設定は明確なので今回は外しました。

≪関連記事:『Ruina 廃都の物語』 感想 考察

それでは、さっそく紹介していきます。紹介記事ということでストーリー内容の具体的なネタバレは省きました。ただし、序盤の展開や主人公の情報などには簡単に言及しています。

『魔王物語物語』 結末を求めるRPG

魔王物語物語 まもも スクショ タイトル画面

魔王物語物語

『魔王物語物語』は、「魔王物語」という本の「結末」を探し求めるゲームです。『いりす症候群!』や『ムサラキ』などで有名なカタテマ様による長編RPG作品で、ファンには「まもも」という愛称で親しまれています。

舞台は「島」、主人公は自らの素性を語らない赤毛の女性。プレイヤーはゲーム世界にポンと投げ込まれ、訳も分からないまま行動し始めることになります(そしてネズミにかじり殺されるまでがお約束)。

説明にもある通り、自由度・難易度ともに高いゲームです。戦闘的にはマゾ向きなので、全滅のたびに更新される「全滅履歴」を見て楽しむくらいの心構えで挑むのがベターです。やりこみ要素も充分。私はゲームクリアに約27時間かけました。

まももの最大の特徴は、提示される情報が意図的に絞られていることだと思います。まさしく「ここはどこ?」「私は誰?」状態からスタートし、未知の土地の探索を進める中で、物語の舞台や登場人物の抱える事情がようやく見えてくる構成になっています(情報の提示方法も、多くの場合は直接的・明示的なものではない)。

あえて多くを語らないまももは、プレイヤーの感情移入を促すのが定石のRPGとしては異色と言っていい作品かもしれません。しかしその実、まももの肝は間違いなくその豊かな物語性です。「物語の結末」を見届ければ、まももがどこまでも「物語をめぐる物語」であることがよくわかると思います。

ユニークな物語り方、物語ることへの真摯な態度こそ、個人的にはまももの何よりの魅力だと思います。お話を読んで想像をめぐらせるのが好きな人には特に、ぜひ一度プレイしてみてほしいゲームです。

※カタテマ様のフリーゲーム作品について、いくつか感想記事を書いています。

『落葉の大地を走れ』 世界の果てを探すRPG

落葉の大地を走れ タイトル画面 スクショ

落葉の大地を走れ

15歳になったフォン青年が、飼い猫とともに前人未到の世界を旅するRPG作品です。制作サークルは暗闇行灯様。

明確なクリア目的のないフリーシナリオ形式の作品です。クリアは文字通りいつでも可能。ただし「世界の秘密」に分け入るのなら、それなりのプレイ時間が必要になります。私は数十時間プレイして探索しまくりました。

「ミステリ&アドベンチャーなRPG作品」という紹介記事を書こうと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがこの『落葉の大地を走れ』です。

個人的な話ですが、『Ruina』や『冠を持つ神の手』と同じくらいに大好きなゲームです。プレイしている間中、楽しくて楽しくてたまりませんでした。圧倒的なゲーム世界への没入感を与えてくれる、紛れもない名作だと思います。

狭い世界を抜け出し、誰も行ったことのない土地を旅し、自分の目で世界の姿を確かめる。このゲームは第一に、冒険の楽しさを味わわせてくれるゲームです。自ら未知の大地を踏みしめ、白い地図に色を付けていくワクワク感は筆舌に尽くしがたいものがあります。

そして同時に、このゲームは謎解きを主眼とするゲームでもあります。実は主人公たちの暮らす世界には、とてつもなく大きな秘密が隠されています。旅の中で垣間見える秘密のヒントを手掛かりに、世界の“深層”へと分け入っていく。自らの手で世界の根幹にかかわる謎を解き明かしていく楽しみは、やはり何物にも代えがたいものがあります。

ここまで張り切って書いてみても、『落葉の大地を走れ』の楽しさの1%も表現できていないような気がします。(できれば外部情報はすべてシャットアウトした上で)くまなく探索して手探りでプレイするのが本当に楽しいゲームなんです。謎の存在にはたと気づいた瞬間、そしてその謎を解き明かした瞬間の快感を少しでも知ってしまうと、たぶん後には戻れなくなります(時間もみるみるうちに吸われます)。

というわけで、時間的な余裕があるときにぜひじっくりとプレイしてほしいです。めっちゃ面白いです。

『ふしぎの城のヘレン』 少女が旅に出るRPG

ふしぎの城のヘレン タイトル画面 スクショ

ふしぎの城のヘレン

兄とともに森の奥に住んでいた少女・ヘレンが冒険の旅に出かけます。制作者はさつ様。ツールはRPGツクール2000。

短編作品であり、コツさえつかめば1時間くらいでクリアできるのではないかと思います。ただ、ユニークで洗練された戦闘システム、短くまとまった明快かつ爽快なストーリー、作り込まれたドットアニメーションなど見どころたっぷり。個人的には名作RPGの1つだと思います。

『ふしぎの城のヘレン』の最大の魅力はなんといっても、運要素を排除した理詰めの戦闘システムです。ただ、ストーリーにも見るべき部分が多いと個人的には感じました。

何も知らずに生きてきた少女が、冒険を通して自分を取り巻く世界の秘密に気づく。まさに「世界の謎」と「冒険」がガッチリと手を組んだ、短いながらも構成のしっかりとしたストーリーが魅力的です。序盤の伏線や重要シーンの演出なども見事で、夢中になってプレイしたことを覚えています。

戦闘、シナリオ、演出(BGM&SE含め)、どれをとってもクオリティーの高い作品です。それほど時間をかけずにプレイできるので、できれば一度実際に遊んでみてほしいです。

『ユトレピアの伝説』 滅びゆく世界で哲学するRPG

ユトレピアの伝説 王様の話 スクショ

ユトレピアの伝説

「魔王を倒せ」と王様に命じられて旅立つRPGです。制作者はk.imayui様。制作ツールはWOLF RPGエディター。クリアまでの所要時間は10時間ほどでした。

一見すると「ゆうしゃ」と「まおう」が登場する王道RPGですが、その内実は外見とは異なります。王様の指示は適当で、人々は魔王に興味を持たず日々の雑事を心配するばかり。なぜ「まおう」を倒さなければならないのか、世界が滅ぶとすればどうしてなのか……そういった、普通はゲーム内で説明されるだろうことがまったくわからないのです。

だんだんとプレイヤーの目的意識も曖昧になり、「とりあえず先に進むか」的なふわふわした精神でプレイし続けることになります。

ただ、よくわからない世界を突き進んだ後の結末を見て、「このゲームは哲学するRPGだったんだな」と私は感じました。ラストまでプレイしてもはっきりしたことは何も明かされません。それでいて投げっぱなしな感はなく、終わってみればゲーム全体が一つの思想の形を成しているとしか思えませんでした。

様々なメタファーを用い、想像の余地も残した上で、ゲーム全体で一つの考えを指し示す「絵」を描き上げる……そういう作品は本当に稀有だと思います。個人制作のゲームだからこそ可能な表現ではないかと感じます。今なお心に引っかかり続けている、大好きなフリーゲームの一つです。

この世界は、人々は、「まおう」は何を意味しているのか。地に足がつかない浮遊感を味わいながらプレイし、最後の選択を振り返り、そして考える。『ユトレピアの伝説』は、そんな得難い体験ができるRPG作品です。

『OFF』 世界を浄化するRPG

OFF スクショ タイトル画面

OFF

4つの"ZONE"と"The Room"から構成される世界を舞台に、世界の浄化を目的とする「バッター」が管理者たちに立ち向かいます。

Mortis Ghost様制作の、フランス発のツクールRPG作品です。2004年に公開され、邦訳版が公開された2014年にはなんと同年のフリゲ大賞を受賞しました。

一言で表現するなら、「制作者の意識が隅々にまで行き届いたゲーム」です。謎と暗喩に満ちたグロテスクで物悲しいシナリオ、作り手の美的感覚の鋭さをうかがわせるグラフィック、クールでエキセントリックなサウンド。すべてが混然一体となって、ミステリアスで深みのあるゲーム世界を作り出しています。

主人公である「バッター」は何者なのか? 彼の行いは正しいのか? 立ち塞がる敵の正体は? この世界は何を暗示しているのか? そして、このゲームにおける「プレイヤー」とは何なのか?

『OFF』をプレイしていると、そういった疑問が次々に湧いてきます。けして描写不足だからではありません。陽気で沈鬱で不気味な『OFF』世界はすでに完成されていて、プレイヤーの疑問に対して返答など返してはくれない……だからこそプレイヤーはじっと考え込み、閉じた『OFF』世界のもっと奥深くに分け入りたいと思わざるを得ないのです。

けして後味の良い作品ではなく、終盤は操作感にやや難を感じるパートもあります。ただ、実際にプレイすればその独特な雰囲気が長く心に残り、世界の意味を問いたくなるタイプの作品だと思います。

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というわけで、今回は『魔王物語物語』、『落葉の大地を走れ』、『ふしぎの城のヘレン』、『ユトレピアの伝説』、『OFF』の5作品を紹介させていただきました。

どのフリーゲームも想像すること、考えること、そして冒険することの楽しみを重層的に味わわせてくれる作品ばかりです。明快ではなくとも心に引っかかり続けるストーリーを通じて、唯一無二のゲーム体験ができるのではないかと思います。ぜひ一度、実際に遊んでみてほしいです。

「RPG(ロールプレイングゲーム)」ジャンルのフリーゲームについて、いくつか感想記事を書いています。

フリーゲーム感想:RPG(ロールプレイングゲーム) - フリゲと旅と映画について(RPGカテゴリの記事一覧)

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かーめるん
この記事を書いた人: かーめるん
フリーゲーム、映画、本を読むことなどが好きです。コンソールゲームもプレイしています。ジョジョと逆転裁判は昔からハマっているシリーズです。どこかに出かけるのも好きです。古い建築物などを見ると癒されます。

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